November 03 2009, No.397
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第166号 / Queen Mary 2〜Get Off at Edge Hill〜Eco Design Show ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish166_photo.html ≫

こんにちは。
冬時間が始まりました。午後5時すぎには真っ暗ですが、夜が長く感じる分、
ゆったりと時間が流れているような気もして、まんざら悪いものでもありません。

さて、今回号では、まずは10月20日にリヴァプールに寄航したクルーズ客船、ク
イーン・メリー2号(QM2)の話題から。
QM2は、キューナード社が誇る豪華オーシャンライナー。151,400トンという巨大
なスケールで、リヴァプールに寄航した船としては最大級です。
今回は、QM2の5周年記念とキューナード社の創業170年を祝うクルーズで、サウ
サンプトンから出発し、エジンバラ、グラスゴー、リヴァプール、アイルランド
のコーク、フランスのシェルブールと回ったあと、母港のサウサンプトンへ戻る
という周遊ルート。

2007年にピア・ヘッド付近にオープンした<リヴァプール・クルーズ・ライナー・
ターミナル>には、沢山の人々が詰めかけて、乗客に手を振ったり、船を写真に
収めていました。

私も、船体の美しいフォルムに感嘆しながら必死に写真を撮っていましたが、正
面は向こう側だったことに気づきました。。。
船を眺めながら船の正面の方向に歩いていきました。船というより巨大なバルコ
ニーつきのホテルのようです。
どんな人達が乗っているのだろう、「Queen Mary 2」 のサインの文字のフォン
トのサイズはいくつなんだろう? などと考えながら、見物客の間をくぐり、船
の前方にたどり着きました。
ちょうどマージー・フェリーが通過していたのですが、ライナーの大きさを考え
ると、まるでおもちゃのボートのようです。

その晩QM2がリヴァプールを去る際には、花火も上がったようです。
私は残念ながら見にいくことはできませんでしたが、地元の写真家Pete Carrが
またまたいい写真を撮っていますので、リンクをお伝えしておきます。
http://www.vanilladays.com/gallery/2009/10/queen_mary_2_in_liverpool_with_fireworks/

クイーン・メリー2号: http://queenmary2.cunard.co.uk/

このクルーズターミナルには、同じ週の後半にイギリス海軍の航空母艦、イラス
トリアス号も停泊していました。
ちょっと暗いですが、対岸のワラシーからの眺めを一枚送ります。

♪ ♪ ♪

10月22日に、世界最古の旅客鉄道駅であるエッジヒル駅(Edge Hill Station)
に、常設のアートセンターがオープンしました。
名称は<Metal at Edge Hill>。
2008年にバイエニアルのパヴィリオンをここで展開したアート団体のMetalが中
心となって実現したものです(ゴールドフィッシュ128号をご参照ください)。

オープニングを飾る展覧会は、その名も《XXX: Get Off at Edge Hill》。
今年の<Liverpool Art Prize>の大賞を受賞したデュオ、AL & ALがキューレー
ターを努めたグループショーです。
'Get off' というフレーズですが、電車などから「降りる」という意味のほかに、
リヴァプール独特の表現で、なにやら性的な意味合いを含むスラングでもあるよ
うです。

この展覧会では、産業革命を生むきっかけとなった鉄道の歴史に関連したインダ
ストリアルでメカニカルな要素と、スカウス訛りの表現にちなんだセクシュアル
な要素を掛けあわせたテーマで繰り広げられています。

参加アーティストは以下のとおり。、
AL and AL, Kenneth Anger, Sebastian Buerkner, Toby Clarkson, Nicki
McCubbing, Crystal DeBeers, Marcel Duchamp, Johnny Ferral, Hayley
Goodsell, Richard Meaghan, Jodie Mellor, Jenny Porter, Man Ray, George
Albert Smith, Imogen Stidworthy, and Hannah Wilke.

是非、エッジヒル駅を降り立って、世界最古の鉄道駅とコンテンポラリー・アー
トを体験してみてください。

<METAL at Edge Hill>
住所:Tunnel Road, Liverpool L7 6ND
オープン:火曜日−土曜日、11.00〜16.00
アクセス:(電車)Lime Street駅から各駅列車で1駅
      (バス)86番でUpper Parliament Street下車、または79番で
          Wavertree Road下車。ともにシティセンターLiverpool
          ONEのバス・ターミナルから乗車できます。
ホームページ: http://www.metalculture.com/liverpool/

♪ ♪ ♪

19世紀の技術革新が鉄道や工業機械の導入だとすると、21世紀のテクノロジーは
「環境」がキーワードといえるでしょうか。
今年はリヴァプールの「環境年」ということもあり、10月30日から11月1日まで、
メトロポリタン大聖堂のクリプト・ホールにて、《Eco Design Show》が行われ
ました。
これは、Design Initiativeが主催する<Liverpool Design Festival>の一環で行
われたメインイベント。

このショーでは、選りすぐりのデザイナーたちによって、斬新なアイディアに溢
れ、環境やエネルギー消費、リサイクルや廃棄物削減のために素材を再生して作
られた製品の数々が展示販売されていました。目からウロコが落ちるようなエキ
サイティングな作品ばかりです。

出展者のハイライトとしては、リヴァプール出身デザイナーのIlsa Parryと、最
近ウィラルに引っ越してきたばかりのMichael Cloke。
二人は、先日BBC2より放映された、大御所デザイナーのフィリップ・スタークが
審査するデザイン・コンペ番組《Design For Life》のファイナリストです。
( BBC 2: Design For Life: http://www.bbc.co.uk/programmes/b00mx9y1 )

番組のチャンピオンとなったIlsaは、電球のスイッチが切れたあとも長いあいだ
暗闇でも光り続ける賢いランプ<Kaspa>を、マイケルはゴミを利用して生活雑貨
に変身させる便利なグッズを販売。また、番組で登場した製品<Flo>や<Stable>
のプロトタイプも展示されていました。

Ilsa Parry(イルサ・パリー) REthinkthings: http://www.rethinkthings.co.uk
Michael Cloke(マイケル・クローク): http://www.michaelcloke.co.uk/

クリプト・ホール内には30ものストールが並び、サステーナブルな素材から作ら
れたファッション・アイテム、廃タイヤの家具やプライウッド+再生アクリルや
プラスティックを組み合わせた花瓶などの製品が展示されていました。

エコ・デザイン・フェスティヴァルは終了してしまいましたが、Liverpool
Design Festivalは、11月8日まで続きます。

Liverpool Design Festival:: http://www.liverpooldesignfestival.com/

♪ ♪ ♪

【今週のおまけ】
《Jamie Carragher Launches Talent Week at Liverpool ONE》
10月26日(月)、<The Talent Week>という14歳から25歳までの若者を対象に各
自の個性や才能を認識して引き出そうというキャンペーンが、全国展開されまし
た。
リヴァプールではLiverpool ONEにて行われ、Liverpool Football ClubのJamie
Carragherが出席。子供達にもみくちゃにされながら登場し、開会のリボンを
カットしました。
ほとんどスピーチらしいスピーチもないまま去っていきましたが、サインをねだ
る子供達にサービス旺盛でした。
次世代のスポーツ選手、起業家、技術者、ミュージシャンやアーティストの誕生
が楽しみです。
Talent Week: http://www.talentweek.co.uk/

それではまた再来週!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish166_photo.html ≫


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