May 25 2010, No.419
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■ *** http://scousehouse.net/ *** ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 ――――――――――――――――――――――――――――――――― NLW □ 「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン 〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜 ― 第177号 / アイスクリーム・ウェザー到来! Light Night, Picasso & Liverpool Sound City ― ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish177_photo.html ≫ こんにちは。 信じられないほどの晴天に恵まれているここ数日のリヴァプールです。 去年は「バーベキューサマーが到来」と豪語して大失敗した気象庁ですが、今 年は品を変えて「アイスクリーム・ウェザーがやってくる」と予報。特にこの週 末は25度を超える暑さでした。 いつまで続くか分からないだけに、明日のことなど考えずにいつまでも外にいた いと思うような陽気です。 ここ数週間のリヴァプールでは、音楽・アートともに非常にアクティブでした。 まずは、5月14日(金)の晩に行われた《Light Night》から。 《Light Night》は、ヨーロッパ全土のギャラリーや文化施設が遅くまでオープ ンした<Museums at Night>のイギリス版です。 リヴァプールでもTate Liverpoolやウォーカー美術館といった大型美術館から ギャラリー、バー、ライブハウスなど70ヶ所以上の場所で開催され、どこも大盛 況でした。 天気も日中は雨模様だったのですが、アラームをセットしたかのように午後6時 きっかりに晴れ上がり、ラッキーでした。 私と旦那は、今年で3年目を迎える《Liverpool Art Prize》のプレイベントを ショッピングセンターのLiverpool ONEで開催し、今年の出展アーティストと過 去2年間のアーティストをフィーチャーしたパネルをディスプレイしました。 最近オープンしたばかりのスペインのカタルニア地方料理のレストラン<Lunya ( http://www.lunya.co.uk )>がカナッペやカクテルを用意してくれて、 ちょっとした屋外ギャラリーとなりました。 このディスプレイは、6月3日まで展示されています。 Liverpool Art Prize Preview Exhibition at Liverpool ONE: http://www.artinliverpool.com/index.php/the-news/1-latest-news/3440-liverpoolone-lap その後もリヴァプールの夜は終わりません。The Bluecoatのガーデンでもイン フォーマルなライブがあり、8時過ぎても人が引く気配がありませんでした。 「Liverpool Biennialが午後9時ごろから何やらハプニング的な一回限りのイベ ントを用意している」とのことでしたので、シティーセンターを離れ、バル ティック・トライアングル地区(ギャラリーA Foundation、C.U.C.やライブハウ スThe Picketのあるエリア)へ場所を移しました。 空きユニットの一つに長蛇の列が見られました。 入口を入ると先が見えないほどぎっしり詰まった金色の糸状のカーテンをひたす ら掻き分けながら進んでいくと、別のユニットに到達します。そこには、4台の 大砲のようなものが設置されていていました。 しばらく立ち話などをしながら待っていると、突然その砲口から金色の紙吹雪が 噴き出しました。それは数分間も続いて、誰もが興奮するマジカルな体験でした。 終わった後も、子供だけでなく大人までが床に積もった紙吹雪をかき集めては空 に投げ、会場は無邪気な笑顔で溢れていました。 これは、ベルギー人アーティストFilip Gilissenによる<Il mattino ha l'oro in bocca?>という作品です。 http://www.biennial.com/content/LiverpoolBiennial2008/IlmattinohaloroinboccaFilipGilissen/Overview.aspx その後は、近辺のギャラリーを数ヶ所回ったあと、最後はお約束のA Foundation で締めくくりました。大勢の人がここでアフターパーティーに集まり、金曜の夜 を楽しみました。。。 Light Night in Liverpool: http://www.culture.org.uk/articles/show/168?type=News ♪ ♪ ♪ ピカソの大型展がTate Liverpoolにてオープンしました。その名も《Picasso: Peace and Freedom》展で、タイトルからもお分かりの通り、平和と自由がテー マとなっていて、これまでとは全く異なる視点からまとめられた展覧会です。 世界中から集められた150点以上におよぶ作品からは、第二次世界大戦後の冷戦 時代に共産党員として政治活動に関わり、平和運動に貢献してきた様子が伺われ ます。 批評家やメディアのあいだでは、この展覧会で解説されているほどピカソは実際 に筋金入りの活動家だったのかどうかについて議論されているようですが、作品 そのものは非常にパワフルで見ごたえがあるコレクションです。 この展覧会は、8月30日まで。入場料:一般10ポンド。 < Tate Liverpool > 住所:Albert Dock, Liverpool L3 4BB 電話:0151 702 7400 開館時間:6月から8月までは毎日10:00〜17:50(最終入場時間は17:00) ウェブサイト: http://www.tate.org.uk/liverpool/exhibitions/Picasso/default.shtm ♪ ♪ ♪ 音楽のほうでは、《Liverpool Sound City》が5月19日から22日までの4日間行 われました。 私自身それほど精力的にライブハウスをハシゴしてフォローしていたわけではあ りませんが、街を歩いているだけでも、バンドのライブが聞こえてきて、エネル ギーがビリビリ伝わってきました。 今回私が観たのは2バンドで、ともに5月22日(土)に行われたものです。 ひとつはRenshaw StreetとBold Streetの角にかつてあったDIYショップ<Rapid Hardware Store>跡地の空き店舗を、ドローイングやグラフィックで飾り、ス テージにした特設会場で行われたライブで、<The Drellas>を観ました。 このバンドは、リヴァプール出身バンド<Space>のリードシンガーTommy Scottの 新しいバンドで、かつてのスペイシーな音の面影はほとんどなく、ダークでハー ドでどちらかというとサイコビリーに近い感じです。キーボードやベーシストの ハイパーなパフォーマンスもショー的に面白かったです。 The Drellasマイスペース: http://www.myspace.com/thedrellas この日は最高気温26度、すこぶる晴天で気持ちがよかったので、これまであまり 行くことのなかったレゲエのライブをあえて観にいくことにしました。 Jamaica Streetを1本入ったところにあるライブハウス<The Picket>では、 《Liverpool Sound City》のクロージングイベントのひとつで、また6月に Sefton Parkで行われる屋外音楽フェス《Africa Oye》のプレイベントとして、 <Wailing Souls>が登場しました。 彼らは60年代から活動を始め、当時のルーツ・レゲエの流れをひきながら今でも 現役で活躍している数少ないグループのひとつです。 ジャマイカ出身のボブスレーチームを題材にした映画「クール・ランニング」の サントラにも参加してたんですね。 心地よいレゲエ独特のリズムやエネルギッシュなナンバーなど幅があり、レゲエ にファンク、R&B、カントリーの要素が融合していると後で知り、納得。 2人のボーカルがが交互にリードを取りながら、息のぴったり合ったハーモニー がとても印象的で、モータウンのフレーバーも感じられました。 Wailing Souls: http://www.thewailingsouls.net/ Africa Oye: http://www.africaoye.com/ Liverpool Sound City: http://www.liverpoolsoundcity.co.uk ♪ ♪ ♪ 【今週の告知】 その1; 5月29日・30日は、毎年恒例の《HUB Festival》がAigburthのOtterspool Park にて開催されます。 スケートボード、BMX、グラフィティ、ブレイクダンスなどのストリート系イベ ントです。 HUB Festival: http://www.hubfestival.co.uk その2; 第3回《Liverpool Art Prize》が6月3日から7月10日まで、Metal at Edge Hill Stationにて開催されます。 今年は、Gina Czarnecki, David Jacques, James Quin, Paul Rooney and Emily Speedの5名の候補者が選ばれ、作品が展示されます。 Edge Hill駅はLime Street駅から電車でワンストップ。ギャラリーは第1プラッ トホーム上にあります。 Liverpool Art Prize 2010: http://www.liverpoolartprize.com それではまた次回! ミナコ・ジャクソン♪ ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish177_photo.html ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無断での転載を禁じます。 Copyright(C) 2001-2010 Scouse House |