January 11 2011, No.444
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■ *** http://scousehouse.net/ *** ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 ――――――――――――――――――――――――――――――――― NLW □ 「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン 〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜 ― 第189号 / Happy 2011 from Liverpool! ― ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish189_photo.html ≫ 新年明けましておめでとうございます。楽しいお正月を迎えられましたでしょう か? 1月に入ってからのリヴァプールは、12月の大寒波から比べると寒さが和らぎ (それでも摂氏5度くらいですが)、春が来たのかと思い込んでしまうほどです。 さて、2011年のリヴァプールですが、テーマは《Social Justice and City of Radicals》(社会公正と過激派の街)で、リヴァプール市とブルーコートが中心 となり、この街で繰り広げられてきたラディカリズムを文化的、社会的、政治的 に焦点を当てた展覧会やイベントが展開されます。 なぜ今年かというと、リヴァプールの街で様々なラディカルな出来事が起こった 1911年から今年で百年を迎えるためです。 1911年のリヴァプールは中央政府に対して権力と影響力を振るっており、これら のテーマを象徴する3つの出来事が起こりました。 一つ目は、リヴァプール交通ストライキで、危機感を感じた政府がマージー川に 軍艦を送り込むほどだったとのことです。 二つ目は、ライヴァー・ビルディングがオープン。 今やすっかりリヴァプールのシンボルとなっていますが、世界初の鉄筋コンク リート建築のひとつに数えられるこの建物の建設に関しては、当時かなり物議を 醸したようです。 最後に三つ目は、ギャラリーのブルーコートで行われたポスト印象派の展覧会。 今や教科書にも載るほどの巨匠であるピカソやマティス、ゴーギャン、ゴッホで すが、当時としてはまだまだ馴染みの薄いアバンギャルドな画期的な展覧会で話 題を呼んだようです。 2011年の「シティ・オブ・ラディカルズ」に先駆けて、地元のフリーマガジン Nerve Magazineは12月に、1911年の交通ストライキにまつわる出来事を記した 2011年度カレンダーを発表しました。 このカレンダーには当時の貴重な写真や、現在のアーティストによる絵画などが 添えられています。 Nerve Magazine 1911 Transport Strike Calendar (PDF版) http://www.catalystmedia.org.uk/issues/nerve17/calendar_2011.pdf 今年は、ライヴァービルディングの百周年記念の式典が行われ、ウォーカー美術 館では、昨年のリヴァプール・アート・プライズの大賞を受賞したデヴィッド・ ジェイクスが交通ストを記念した新作<The Irlam House Bequest>を発表し、ま た同じくウォーカー美術館では、《Art in Revolution》と題した1911年にブ ルーコートで行われた展覧会を再現する展示が予定されています。 4月後半には、ワーキング・クラス・ライフ・アンド・ミュージック・フェス ティヴァル( http://www.workingclassmusic.org.uk/whats-on/ )が開催され ます。 また2011年は、ワーキングクラス文学のクラッシックといえる<The Ragged Trousered Philanthropists>の著者、社会主義者ロバート・トレッセルがカナダ へ渡る途中に、リヴァプールで亡くなってから100回忌を記念する年で、この2 月からは、トレッセルを讃える式典や、アート、文学のイベントが彼のお墓があ るリヴァプールのウォルトン地区や市内各地で行われる予定です。 City of Radicals以外の2011年のハイライトとしては、まずは、毎年恒例の チャイニーズ・ニュー・イヤーのお祭りが、今年は2月6日(日)に行われます。 イベントの詳細はこちらから。 http://lcba.net/index.php?option=com_content&view=article&id=181:2011-year-of-the-rabbit&catid=46:chinese-new-year&Itemid=67 セント・ジョージズ・ホールがナルニア国に変身する「ナルニア・エクスペリエ ンス」は、2月7日から19日まで開催です。 http://www.stgeorgesliverpool.co.uk/whatson/details.asp?id=183409 そして、2月から3月にかけて実施される「リヴァプール・ディスカヴァーズ ( http://liverpooldiscovers.co.uk )」。 これはパブリックアートをめぐりながらリヴァプールの豆知識が得られるという ウィンター・トレイルです。 今年の目玉イベントとなるのが、4月29日から5月8日まで大々的に行われる 「リヴァプール・ボート・ショー」で、その規模はヨーロッパ最大になるとも言 われています。 http://www.liverpoolboatshow.com 5月には、《Look11》というリヴァプール各地を会場とするフォトグラフィー・ フェスティヴァルが初開催となります。 http://www.look2011.co.uk/ この秋にはピア・ヘッドのお隣に、待ちに待った「ミュージアム・オブ・リヴァ プール」がオープンする予定です。 http://www.liverpoolmuseums.org.uk//mol/ そしてその並びには高級マンション、店舗、ギャラリーが入居するマン・アイラ ンド(Mann Island)のディベロップメントが完成します。 この建物の片側には、運河に面した憩いのスペースもできるとのことで、楽しみ です。 店舗スペースには、イギリスでミシュラン2つ星レストランを持つセレブ・シェ フ、レイモンド・ブランのレストランもオープンし、5月には、この建物内に写 真専門ギャラリー<オープン・アイ・ギャラリー>が大きく拡大して再オープンし ます。 マンションのほうは、どうやらスティーヴン・ジェラードもお買い上げを表明し たという話もあって、いろんな意味で話題たっぷりの新スポットになりそうです。 Mann Island: http://www.mannislanddevelopments.com 場所を移してロンドンのリヴァプール・ストリートには、なんと「リヴァプール 大使館」が出来る模様です! 今年の上海万博でのリヴァプール・パヴィリオンで味をしめたのか、今度はロン ドンのビジネス街にターゲットを向けて、1月21日にオープン予定です。 この大使館は、当初は3ヶ月の期間を設けていますが、その後の延長もあり得る そうです。 主にビジネスや投資の誘致を目的としていますが、楽しめる要素も用意されると のことで、興味津々です。 Liverpool City Council: http://www.liverpool.gov.uk/news/newsdetail_2632.asp また、フットボールファンの方に耳寄りなのが、プレストンからお隣のマンチェ スターに引っ越してくる「フットボール博物館」。 この秋にオープン予定です。 http://www.nationalfootballmuseum.com/ また他にもイベントや新スポットなどの発表があれば、随時お知らせしていきた いと思います。 それでは、本年もどうぞよろしくお願いいたします。 ミナコ・ジャクソン♪ ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish189_photo.html ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無断での転載を禁じます。 Copyright(C) 2001-2011 Scouse House |