July 05 2011, No.466
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第197号 / Everyman The Finale & Tickle the Ivories ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish197_photo.html ≫

こんにちは。
7月に入り、20度を超す夏らしい日々が続いています。
今月は、リヴァプールの街でも夏本番といわんばかりに新アトラクションのオー
プニングやイベントが待ち受けています。
今回号では、いきなりですが7月の告知からスタートしたいと思います。

♪ ♪ ♪

7月のイベントです。

7月8日から10日まで、リヴァプールの対岸・ウィラルのホイレイクでは、
第一回《ウィラル・フェスティヴァル・オブ・ファースツ(Wirral Festival of
Firsts)》が行われます。
元スキャフォルドのジョン・ゴーマンが発起人となって、ホイレイクのプロム
(海辺のプロムナード)に、アート、音楽、舞台、ポエトリーを盛り込んだイベ
ントです。
初めての試みで、どんな展開になるのか分かりませんが、楽しみです。
Wirral Festival of Firsts: http://www.festivaloffirsts.co.uk

7月10日はビートルズ・デー。
モップトップのかつらをかぶってチャリティ活動を、というこのイベントも
2008年以降毎年恒例となっています。
第4回目を迎える今年は、アルバートドックにて展開。ビートルズのトリビュー
トバンドのライブや、アルバートドックの各所を巡るビートルズ版宝探し、60's
をテーマにした仮装コンテストなどが開
催される予定です。詳細はこちらから。
Beatles Day 2011: http://www.beatlesday.tv/
Albert Dock: http://www.albertdock.com/

7月15日〜17日は、《ブラジリカ・フェスティバル(Brazilica Festival)》。
近年登場した<リヴァプール・カーニヴァル・カンパニー>主催のこのイベントも、
すっかりこの街に定着し、今年は3日間に渡ってカラフルで躍動感のあるカーニ
ヴァルや屋内外でのイベントが用意されています。

メインとなる16日の<カーニヴァル・デー>では、日中は午後12時からウィリア
ムソン・スクエアでライブやファミリーフレンドリーなアクティビティが行われ
ます。
音楽やダンスが鑑賞できるだけでなく、参加型のワークショップ各種が実施され
るほか、サッカーゾーン、ブラジル料理やラテン系料理のストールが並ぶマー
ケットプレイスが設置されます。

午後8時半からは、本イベントの目玉であるサンバカーニヴァルが行われます。
リヴァプール大学の敷地内からスタートし、ホープ・ストリート、ハードマン・
ストリート、ボールド・ストリートを下り、チャーチ・ストリートからウィリア
ムソン・スクエアのメインステー
ジまでのルートをサンバのビートとダンスのパレードが繰り広げられます。それ
でも物足りない大人向けには、夜10時からNationにてアフターパーティーが深
夜3時まで続きます。
Brazilica Festival: http://www.brazilicafestival.com

翌週の週末もまだまだカーニヴァルが続きます。
長年恒例行事となっている《ブルーハーハ(Brouhaha International Festival)》
のメインイベントが7月23日に開催。こちらもリヴァプール大学近くのマルベ
リー・ストリートから午後12時にスタートし、最終地点のプリンセス・パークま
で国際色豊かな様々なパフォーマー達が街を彩ります。
プリンセス・パークでは、ステージやストールが設置され、音楽、ダンス、パ
フォーマンスやクラフト、ゲームなどのアクティビティが夜7時まで行われます。
Brouhaha International: http://www.brouhaha.uk.com

7月22日から24日までの週末は、《リヴァプール・オン・ザ・ウォーターフロ
ント》の第二弾が開催されます。
ピアヘッドのロイヤル・ライヴァー・ビルディングの100周年を記念したこのイ
ベントのメインのアトラクションは、期間中毎晩10時15分から行われる《ザ・
マキュラ・スペクタキュラー(The Macula Spectacular)》と題した音と光のデ
ジタル・プロジェクションです。
マキュラが手掛けた過去の作品をネットで見てみましたが、凄いです。ライ
ヴァー・ビルディングをキャンヴァスにどんなショーが繰り広げられるのかが、
楽しみです。

期間中は、ライヴァー・ビルディング内で100周年を記念する展覧会も開催され
ます。
毎晩コンサートも行われ、初日の22日(金)はリヴァプールの女性ブルースシ
ンガー<コニー・ラッシュ>、23日(土)は<ロイヤル・フィルハーモニック・
オーケストラ>、24日(日)は、<シックス・トーイズ(6ix Toys)>というライ
ンアップになっています。

22日には、7月19日にオープンする<ミュージアム・オブ・リヴァプール>が夜
10時まで開放されます。
Museum of Liverpool: http://www.liverpoolmuseums.org.uk/mol/

オン・ザ・ウォーターフロントのプログラムはこちらから。
Liverpool on the Waterfront:
http://www.liverpoolonthewaterfront.co.uk/22-24-july/

7月30日と31日は夜10時から、《アズ・ザ・ワールド・ティップト(As the
World Tipped)》という気候変動をテーマにしたドラマティックな空中パフォー
マンスとビデオプロジェクションが、リヴァプール大聖堂の外壁を舞台に行われ
ます。
これはリヴァプールを拠点に活動する<ワイヤー・エアリアル・シアター>による
ものです。
屋外パフォーマンスが開始する前にも、大聖堂内でパフォーマンスが行われるほ
か、大聖堂の展望台のツアーが特別に夜9時まで実施されます。
詳細はこちらのホームページから。
http://www.astheworldtipped.com/
http://www.liverpoolonthewaterfront.co.uk/tipped/

7月にはもう一つ新名所の完成が予定されています。<フェスティヴァル・ガー
デンズ>です。
1984年にリヴァプール国際園芸博覧会が盛大に開催された後、長年放置されてい
たこの場所が修復および再開発され、7月下旬にオープン予定とのことです。
日本庭園をはじめとした<オリエンタル・ガーデン>も復活します。
Festival Gardens: http://www.festivalgardens.com/

<エコー>のホームページで、写真がご覧になれます。
http://www.liverpoolecho.co.uk/liverpool-news/local-news/2011/06/09/revealed-liverpool-s-newset-park-on-the-former-garden-festival-site-gallery-video-100252-28852119/

♪ ♪ ♪

エキサイティングなイベントが毎週末のように行われる7月ですが、第一週目の
7月2日には、地元の人々に惜しまれながらホープ・ストリートの<エヴリマン・
シアター>と<エヴリマン・ビストロ>が幕を閉じました。
既存の建物は改築され、2013年に新しく生まれ変わります。

チャペル、映画館だったこの建物は、1964年に劇場としてオープンし、デヴィッ
ド・モリッシー、ジョナサン・プライス、故ピート・ポスルスウェイトをはじめ
とした俳優を輩出し、アラン・ブリーズデールやウィリー・ラッセルといった脚
本家が腕を磨いた場所でもあります。
また<Ev>という愛称で40年間親しまれたビストロも、単なるお店という枠を超え
て、ミュージシャン、詩人、アーティスト達が集まって飲みながら語らったり、
ギグや展覧会を行ったりと文化的ハブであり続けました。リヴァプール・ポエッ
ツ(ロジャー・マッゴフ、エイドリアン・ヘンリー、ブライアン・パッテン)も
お馴染みの顔だったことで有名です。

フィナーレに向けて、6月中旬からグッド・バイ・イベントが立て続けに行われ
ていました。
そのなかで、私は6月18日の<デフ・スクール>のライブを観にいきました。
キャバレー仕立てで、ドラマティックな彼らのパフォーマンスを満喫しました。
<What A Way To End It All>は大合唱でした。

7月2日(土)のフィナーレでは、日中は劇場の舞台スペースや楽屋などが開放
され、天井からは人々のエヴリマンへの思い出が綴られた荷札が至るところに吊
るされていました。
来客者はヘッドフォンから流れるエヴリマンにまつわるストーリーや思い出を聞
きながら各部屋を回りました。

ビストロへは、夜はきっと満員で入れないだろうと察し、日中に行ってきました。
たくさんの人達がひっきりなしに出入りしていて、奥のサード・ルームでは
<シックスティーン・トンズ>が演奏していました。

会場でばったり会った友人知人は、エヴリマンのフィナーレ時期に入ってから、
ここで本当にたくさんの旧友達との再会を果たした、とか、エヴリマンは無く
なるわけではないと分かっていても、思い出の詰まった場所がなくなるのは、
やっぱり寂しくなる、とエモーショナルに語っていました。
40年間劇場やビストロに通い続けた人達と話しながら、新入りの自分との、感
情的価値の違いを実感しました。

夜はホープ・ストリートの一部を通行止めにして、午後10時から建物の前で
フィナーレのセレモニーがありました。
大勢の人達が詰めかけ、背の低い私には、ほとんど見えないほどでした(カメラ
でなんとか捉えて後で見ることができましたが)。
葬列マーチのバンドとゴシックな風貌の役者達が登場し、<センス・オブ・サウ
ンド>というコーラス・グループが観客に混ざってアカペラで『さよなら、ごき
げんよう』をしめやかに歌いました。

建物の上には 'everyman' という文字を模った花火が点火され、赤と黒の風船が
放たれました。
シザーリフトが上昇し、なにやら外壁にスプレーで何かを書いています。
シザーリフトが降下すると、'be back soon' という文字が見え、拍手が鳴り響
きました。

セレモニーの後、案の定ビストロには長蛇の列が出来ていました。
ホープ・ストリートは人がまばらになりながらも、長々と立ち話をしている人達
もあちこちで見受けられました。
エヴリマンと私の関係はたかだか10年ほどですが、そんな私でもこの晩に、し
ばらく会わなかった友達にばったり会えたりして、懐かしい話などをして過ごす
ことができました。
それぞれの人にそれぞれの思い出をくれた場所なんだなあ、と感慨深くなりまし
た。

2013年にまた人々が集う場所となる日を楽しみにしています。
Everyman and Playhouse:
http://www.everymanplayhouse.com/Content/Home/AboutUs/NewEveryman.aspx

♪ ♪ ♪

最後に、ショッピングセンターの<Liverpool ONE>で始まった、《ティクル・ジ・
アイヴォリーズ(Tickle the Ivories)》という、ピアノ・フェスティヴァルを
ちょこっと紹介して締めくくります。
これは、<オープン・カルチャー>主催のイベントで、Liverpool ONEの敷地内に
5台のピアノが設置され、ピアニストがバスキングをする、というものです。
7月1日のオープニングの晩には、サンバドラムとピアニストが演奏をしながら
各ピアノを周り、盛り上がりました。
このフェスティヴァルは9月4日まで続きます。
http://tickletheivories.org/

それではまた!

ミナコ・ジャクソン♪

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish197_photo.html ≫


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