October 11 2011, No.478
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第200号 / Hope Street Feast & Bold Street Festival ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish200_photo.html ≫

こんにちは。
比較的温暖だった9月でしたが、月末から10月初頭にかけてほぼ一週間、イギ
リス全域で本格的なインディアンサマー(秋口に入ってから夏のような暑さにな
ること)が到来し、この時期としては記録破りな暑さとなりました。
リヴァプールでも27度まで上昇し、近年着そびれていた夏服が大活躍しました。
8月が涼しかっただけに、思いがけないボーナスでした!

さて、ゴールドフィッシュだよりですが、おかげさまで200号を迎えました。
2005年の3月からスタートし、気がついたら2011年。リヴァプールで見聞きし
たことを好き勝手に書かせていただいていますが、リヴァプールの色鮮やかでエ
ネルギーに満ちた街の様子を少しでも感じ取っていただけていたら、なにより嬉
しいです。

201号ではこれまでのハイライトを思い返してみようかなとも考えていますが、
今号ではいつも通りに見聞きした出来事をお伝えしたいと思います。

9月18日(日)は毎年恒例になりつつあるフェスティバル《ホープストリート・
フィースト》が行われました。
今年は突然の雨が一度ざっと降っただけで天気も比較的良く、たくさんの人々が
詰めかけ、立ち並ぶ露店で食べ物やビールを買って食べたり飲んだりしながら、
ホープ・ストリートの至る所で繰り広げられるパフォーマンスやアウトドアス
テージで上演されるさまざまな音楽を楽しんでいました。

屋外だけではありません。フィルハーモニック・ホールのオープンデーやホー
プ・ストリート・ホテルの地下のレジデンス・ラウンジやカレドニアパブではラ
イブが行われたり、マソニック・ホールやウェリントン・ルームズ(旧アイリッ
シュセンター)といった歴史ある建築物が一般に開放されたり、ブラックバーン
ハウスではアート&クラフトマーケットも開催されました。

リヴァプール大聖堂でも《カセドラル・フェイト》という別のお祭りが同時開催
されており、アート&クラフトマーケットのほか、大聖堂内のレディー・チャペ
ルには、ホーンビー/メッカーノ(イギリスおよびヨーロッパで絶大な人気を博
した組み立て玩具で、20世紀初頭にリヴァプール人のフランク・ホーンビーに
よって発明されたもの)のコンヴェンションも開かれました。

今年のホープ・ストリート・フィーストのテーマは、リヴァプールの「シティ・
オブ・ラディカル」年にちなんだ「フリー・ラディカル・フォリーズ」。
今年のストリートパフォーマンスも地元の演劇集団ホープ・ストリート・リミ
テッドによるもので、ストリートにサプライズや笑いや躍動感をもたらすホー
プ・ストリート・フィーストの名物ともなっています。
さまざまなアクトが練り歩くだけでなく、ファーマーズマーケットと地元のレス
トランの出店と隣り合わせに設置されたパフォーマンスストールも並んでいて、
見ていて飽きません。

今年の《フィルハーモニック・オープン・デー》は、残念ながらレジデントのロ
イヤル・リヴァプール・フィルハーモニック・オーケストラは海外公演のため不
在でしたが、映画の上映、ユースオーケストラや合唱団のほか、中国の伝統を汲
んだダンスカンパニーであるチャイナ・パールのパフォーマンスなどが上演され、
ほぼ満席でした。

マートル・ストリートのステージとフィルハーモニック・ホールでは10月に行
われる《アイリッシュ・フェスティバル》に先駆けて、アイルランド系またはア
イルランド音楽に傾倒するリヴァプールのミュージシャンとアイルランド人
ミュージシャンが集まる<アイリッシュ・シー・セッションズ>によるライブが行
われました。

我が家のすぐ前に設営されたマートルストリートのステージでは、アムステルダ
ムのイアン・プラウズによるボーカルとギターを担当し、アコーディオン、フィ
ドル、フルート、ドラムのメンバーで構成されたセットで、踊りだしたくなるよ
うなアイリッシュ音楽を披露しました。
フィルハーモニック・ホールのほうでは異なるミュージシャンが変わる変わる登
場し、さまざまなフレーバーの音色を奏でました。

Irish Sea Sessions: http://irishseasessions.com/

ホープ・ストリート・ホテルのレジデンス・ラウンジでは、<ザ・ビッグ・ハウ
ス>(キャンディ・ペインとズートンズのギタリスト、ポール・ウモリー)がア
メリカーナな香りのする音楽を、息のぴったり合ったコーラスワークで爽やかに
紡ぎあげていてラヴリーなひと時でした。

The Big House myspace: http://www.myspace.com/thebighouse19

来年のホープストリートフィーストは、2012年9月16日に開催予定です。

Hope Street Feast: http://www.hopestreetfeast.com/

♪ ♪ ♪

翌週の週末は、場所を移して《ボールド・ストリート・フェスティバル》。日曜
日に行ってみました。
ホープ・ストリート・フィーストほどの華やかさはありませんが、今年もお掃除
隊とサンバドラムのパレードでスタートし、出だしはゆっくりでしたが午後には
賑わいをみせていました。

ボールドストリートのレストランやカフェの出店でストリートフードを食べなが
ら屋外ステージでライブを楽しんだり、すっかり恒例となっている<ジェームズ・
カーリング・ぺイヴメント・アート大会>も行われました。特にぺイヴメント・
アートの制作現場では本当に沢山の人たちがその様子をじっくり眺めていました。

またこの大会に先駆けてチャーチ・ストリートでは、オランダ出身ぺイヴメン
ト・アーティスト4人組<プラネット・ストリート・ペインティング>が、ビート
ルズのキャヴァーン・クラブでの初ステージ&ブライアン・エプスタインとの出
会いから50周年を記念して制作した3D路上アート作品「XXLリヴァプール」も
出現し、買い物客の目を楽しませました。

このコンペは、年々クオリティも着実にアップしていて、昨年は地元のアーティ
ストと並んでヨーロッパ各地からの参加もありました。
今年は一層グローバルに広がって、はるばるアメリカやメキシコからやってきた
アーティストを含む50のアーティストがバトルを繰り広げました。

主催者である<アーバン・キャンヴァス>のフィリップ・バトルと話をしたとき、
このぺイヴメント・アート大会の成長ぶりに大変満足している様子で、今後この
大会が「ぺイヴメントならリヴァプール」と定番の場所となるまで成長させたい
と言っていました。

ぺイヴメント・アート以外にも、都市をキャンヴァスにした数多くの参加型の
アートのプロジェクトを展開させてきたアーバン・キャンヴァスですが、この大
会の審査員を毎年務めているマイク・マッカートニーが長年に渡り彼らの活動に
大きな声援を送ってくれているそうです。
あるプロジェクトの実現に向けて資金集めに奔走していたときに、ある日ポー
ル・マッカートニーから小切手が届いたこともあり、マイクがポールに話をして
くれたんだなと、感謝の気持ちでいっぱいになったと語っていました。いいお話
です。

The James Carling International Pavement Art Competition:
       http://www.urbancanvas.org.uk/james-carling-competition/

Urban Canvas: http://www.urbancanvas.org.uk/

♪ ♪ ♪ 

さらにその翌週の9月29日には、マルチメディア系アート&シネマの祭典《AND
フェスティバル》が開かれ、その一環で<ア・スモール・シネマ>がチャイナタウ
ンの門にスクリーンを設置、映画『蜀山奇傅 天空の剣』や短編映画の数々が上
映されました。

屋外上映のため、当初は温かい服装でブランケットなどをご持参くださいと書か
れていましたが、インディアン・サマーの始まりの暖かな晩に、チャイナタウン
のストリートに座って観るアクション映画は格別でした!
http://asmallcinema.co.uk/wordpress/2011/09/29/tonight-a-small-cinema-chinatown/#more-347

♪ ♪ ♪

【今号の告知】

ブルーコートに5月にオープンしたリヴァプールFCのギャラリー<レッズ・ギャ
ラリー>では、企画展第2弾《We Never Walked Alone》が開催中です。
LFCファンに焦点を当てたこの展覧会は、来年の1月16日まで続きます。入場無
料。
The Reds Gallery at the Bluecoat: http://www.redsgallery.tv/

マージーフェリーターミナル内にあるビートルズ・ストーリー別館では、《エル
ヴィス・アンド・アス( Elvis and Us)》という新しい展示が10月5日にス
タートしました。
Us(私たち)とはビートルズのことで、1965年にビートルズがカリフォルニアは
ベルエアのエルヴィスの自宅を訪れた晩の出来事にスポットライトを当てたもの
です。
ビートルズ・ストーリーとエルヴィスの聖地グレイスランドのコラボレーショ
ンとなったこの大型展は、向こう2年間続きます。
Elvis and Us: http://www.elvisandus.com/

ワールド・ミュージアム・リヴァプールに恐竜が戻ってきます。「エイジ・オブ・
ダイナソー」は10月22日から2012年4月15日まで。
Age of Dinosaur: http://www.liverpoolmuseums.org.uk/wml/exhibitions/dinosaurs/

10月30日は、今年も《ハロウィン・ランタン・カーニバル2011》がセフトン・
パークにて行われます。パレードは午後5時半からスタートします。
http://www.liverpoollanterncompany.co.uk/

それではまた!

ミナコ・ジャクソン♪

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish200_photo.html ≫


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