February 7 2006, No.237
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ウエダミナコ
             〜 Goldfish Liverpool Update / minako ueda 〜

  ― 連載第39回  「リヴァプール・パフォーマンス開始!」 ― 

こんにちは! 今週のリヴァプールは、間違いなくパフォーマンスを始
めていましたよ。

月曜日、"LIPA 10th Anniversary Gala" に行ってきま
した。
ポール・マッカートニーが設立した、LIPA ( Liverpool
Institute for Performing Arts )という大学のバース
デーパーティー、10周年記念式典です。

このイヴェントは、今年のリヴァプールのテーマである "Liverpool
Performs 2006" 最初の公式イヴェントということで注目を浴びていまし
た。でも招待客オンリー、これは難関だ、と思っていたところ、ラッキー
なことにゲストリストに載せてもらうことができました。

ショーが始まる前に、ポールと共同設立者であり、CEOであるマーク・
フェザーストーン・ウィッティがちょろっと観客の前に現れ、ポール氏は
ガッツポーズを連発し、 "Ten! Ten!" と口パクしながら両手を広げてノ
リノリのご様子。

LIPAの10年間の沿革を追ったビデオが流れました。ここはもともと、
ポールとジョージが通った男子校「リヴァプール・インスティテュート」で、
ポールがリヴァプールに帰郷した際に、閉校の後にボロボロになったこ
の建物を救おうと立ち上がったことから始まったことは20号でお話しま
したね。ユーモアにあふれたビデオで、時に観客からドッと笑いがこぼ
れたりしましたが、資金調達、建物の修復など、設立までの道のりは
決してたやすいものではなかったようです。
この10年間の歩みは、"LIPA IN PICTURES: THE FIRST TEN YEARS"
という本に収められ、この日に発売になりました。アマゾンなどで購入
可能です。

ショーの内容は、LIPAの250人以上もの学生によるパフォーマンスで、
ミュージカル仕立ての歌あり、バンドあり、ゴスペルあり、LIPA 4:19
(4歳から19歳までのユースのためのコース)からの歌、タップダンス、
もちろんビートルズの "If I fell" のカバーあり、ヒップホップあり、Batala
International(34号でご紹介しましたね)のドラムセッション、卒業生に
よる I Wish I Could Go Back To College など、LIPA のもつパフォーミ
ング・アートの多様性がスパークしたステージでした。

ショーも終わりに近づくころ、ポールとマーク・フェザーストーン・ウィッ
ティ氏がステージにあがると、学生の一人から 「アイラブユー!」 と叫
び声があがり、ポールはマイクをもって、「アイラブユー、ベイブ!」 と
ちゃめっけたっぷりに応えていました。

「こうして皆さんの前に立つ度に、本当にこの学校に誇りを感じます。こ
の学校が私に与えてくれたもの、そして自由な教育を与えたことを」
「いつか自分の育ったリヴァプールに何かしらの恩返しをしたいと思っ
ていました。それがこの建物を再生することとなり、空っぽだった建物
に、希望と情熱をもった学生たちで満たされました。本当に皆さん愛し
ています」

サー・ポールは、感極まってマーク・フェザーストーン・ウィッティ氏と
がしっと抱き合い、学生に向かって "Thank you for the electricity" と
親指を立てて、退場していきました。

写真撮影は固く禁止されていたので、その模様はこちらのホームペー
ジでご覧ください。
http://icliverpool.icnetwork.co.uk/0100news/gallery/lipa/

ショーが終わってフィルハーモニック・ホールを出ると、
ステージドアにやたら人だかりがあったので、どさくさ
に紛れて待っていると、ヘザーさんがまず出てきて車
に乗り込み、その後しばらくしてマークさんとポールさん
が揃ってでてきました。写真に収めましたのでご覧くだ
さい!


その後、LIPAで行われる記者会見にも出席する予定だったのですが、
勘違いをして、直接ポールマッカートニー講堂でのレセプションに直接
向かってしまいました。
シャンペンを飲みながら待っていると、記者会見は別室で行われてい
たことに気づき、やってしまったー! と思いましたが、まあその内容
はどうせ新聞やホームページに詳しく掲載されるだろうからまあいっか、
と思い直してぶらぶらしていると、ポールとマーク・フェザーストーン、遠
くにマイク・マッカートニーの姿も見られました。
そして Capital of Culture の仕掛け人である Culture Company のアー
ティスティック・ディレクター、ロビン・アーチャーさんと初めてお話する
チャンスがありました。彼女は大の親日家で(日本の名刺交換の仕方
をちゃんと心得ていて感心!)、2007年に日本から大掛かりなパフォー
マンスグループを招聘する話が進んでいるので楽しみにしててね、と
言っていました。

そしてふらーっと階段のほうに歩いていくと、ポールさんがいたので、
思わず手を伸ばしたら、"Hiya, are you alright?" と握手をしてくれまし
た。"Good good thanks!" と応えたと思ったら、ポールさんは他の人と
話を始めてしまいました。手を離すタイミングを失い、その間1分半ほ
ど、手を離すににも離せず、仕方なく話が終わるまで手を握ったまま
突っ立っていました。まわりにいた知り合いらには、マヌケな光景だっ
たと笑われてしまいましたが、とにかくこれが私のポールさんとの初遭
遇でした。チャンチャン!

この日に、2006年の Liverpool Performs の公式パンフレットが配布さ
れました。
今年のイベントが盛りだくさんのこのプログラムは、ツーリスト・インフォ
メーション・オフィスで入手可能です。この年はきっと2008年のビッグイ
ヤーに向けての大きなステッピングストーンとなることでしょう。楽しみ
ですね。


翌日の31日には、ビジネスもパフォーマンスを始めました。ビジネスと
カルチャーセクターのネットワーク作りを促進する
"08 businessconnect( http://www.08businessconnect.com )" のロー
ンチ・イベントが St. Georges Hall で行なわれました。

パフォーマンスがふんだんに取り入れられていて、最近リヴァプールで
じわじわと人気が上がってきているシンガー、John Smith のアコース
ティックライブからはじまり、一輪車のパントマイムなどが披露された
後、「おおっ!」と目を引いたのが、Beatles Mash DJ 、Robin Walls 。
こんなにもビートルズのナンバーを刻んでかき混
ぜてカッコ良くダンサブルに盛りつけてしまうか!
というような、皿の魔術師(みてくれもDJの格好を
した魔術師みたいだし?)。これはもう聞いてもら
わないとわからないですね。今、CDを制作中との
ことですので、出来上がったらみなさんにも聞いて
頂きたいです!

今回は、肝心の異業種交流のための 歓談の場みたいなものにいま
一つ欠けていたのが残念ですが、まあオープニングの式典ということ
で許しましょう。。。


金曜日、ジュエリーデザイナー Alice Hughes の新しいワークショップの
オープニングパーティーが行なわれました。
Alice は、ニュージーランドで映画『ロード・オブ・ザ・リング』の指輪の主
要デザイナー、Ray Mitchell の指導を受けた後、
リヴァプールで "Alice in Wonderland Jewellery"
を設立。流木や貝など、自然から多大なインスピ
レーションを受けたジュエリーを作っています。
写真は、右がAlice Hughes 、左がアーティストの
Eleanor Hawkridge です。

ホームページ:http://www.aliceinwonderlandjewellery.com が今ダウン
しているので、
http://www.creativeadvantage.co.uk/news.asp?newskey=19 をご覧くだ
さい。
Alice のジュエリーは、以下のお店で購入可能です。
The Bluecoat Display Centre (College Lane)
Paloma Designer Footware in Cavern Walks (Mathew Street)

それではまた来週!

ウエダミナコ


(この連載に関連する写真は、ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュ
だより」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish39_photo.htm )


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