March 07 2006, No.241 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■ *** http://scousehouse.net/ *** ―――――――――――――――――――――――――――――― ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 ―――――――――――――――――――――――――─ NLW □ 「ゴールドフィッシュだより」 / ウエダミナコ 〜 Goldfish Liverpool Update / minako ueda 〜 ― 連載第43回 「晴れ、ときどき雪、または雹」 ― 今週は、昼間は目が覚めるほど素晴らしい晴天! と思いきや、突然 雪やあられや雹(ひょう)に変わり、そして何もなかったかのような青空 に戻るという、読めない天気が続いています。 そんな天候のなか、マージーフェリーの船着場が沈没!? という ニュースが3月2日に流れ、まさかなあ、、、と思って後日ピア・ヘッドま で行ってみたら、本当に沈んでいました。かなりショッキングでした。 幸い、沈んだのが夜中だったということもあり、負傷者などは出なかっ たのと、チケット売り場やショップは陸にある建物に入っているので被 害はなかったようですが、レスキュー隊の本部がマージー川の中に埋 もれてしまったようです。 現在復旧のめどはついていないようですが、いち早く “フェリー・クロ ス・ザ・マージー” が再び往来することを祈っています。 今週は、木曜日に、"100 T-Shirts Competition" の授賞式が、ボール ド・ストリートのマイクロジン( Microzine )にて行われました。 これは、P-Ornithology ( http://www.p-ornithology.com )というリヴァ プールを拠点として運営しているTシャツ・メーカーによる、Tシャツ・デ ザイン・コンテスト。 お題は "Birds in the city" でしたが、作品を見ると、本当にいろんな 解釈があって興味深かったです。 全国のアーティストを対象にしたコンテストでしたが、やはり初回という こともあり、地元のアーティストの参加が多く、リヴァプールネタが多く 見られました。 現在の建設ラッシュにちなんで、「クレーン」だったり、ウェイン・ルー ニーのガールフレンドが、chav (日本でいうギャル?!)らしいのです が、「 bird =ガールフレンド」を引っ掛けた笑える作品があったり。 200作品のエントリーがあり、そこから100作品が選ばれました。作品 は、http://www.p-ornithology.com/100/main.htm でご覧になれます。 入賞者の賞金は、1位が1500ポンド! そして2位が500ポンド、3位 が300ポンド。 P-Ornithology 主催者の Robbieが司会を務め、カルチャーカンパニー の Sarah Vasey 、マイクロジンのディレクターの Chris Lee 、アーティ ストの Andrew Small により表彰が行われました。 1位は、David Morely 作 'Arboretum' 、そして2位が2名、一人は Doug Kerr の 'Pigeon Shot 01' 、そしてもう一人は、受賞者の中で 唯一出席していた、Peter Fletcher の 'Early Bird' でした。 この3名の賞とは別に、カルチャー・カンパニーが独自に4作品をセレ クト、現在 '08プレイス' で各デザイン50枚限定で販売されています。 このTシャツ・デザイン・コンテスト、立ち上げの時期から追っていたの ですが、当初は、第一回ということで、ほそぼそと試験的に開催し、今 後につなげていけたら、というスタンスでスタートしました。しかし最終 的には多くの協賛団体が関心を寄せて参加、大成功に終わりました。 来年も楽しみです。 このイベントのあとに、Arena Gallery でこの日にスタートした、フリーマ ガジン 'Mercy' 主催の、" )Bracket THIS( - Going Native " 展にハシ ゴしました。 実は、この雑誌を運営している中心メンバーの一人の ダグ (写真左) は、"100 T-shirts" 展で2位に入賞したまさにその人。授賞式の結果 を伝えると、「まじ〜!? 信じられない〜!」と喜びを隠し切れない様 子でした。 ちなみにもう一人の中心メンバー、ジョー (写真右)の作品は、カル チャーカンパニーの選んだ4作品に選ばれました。 Mercy 、好成績です。すばらしい! このミニ雑誌 Mercy は、2002年に Liverpool Art College のグラフィッ ク・アート科を卒業したダグとジョーが始めたファンジン。アート、グラ フィック、詩など、一般からのの寄稿によって成り立ち、創刊から現在 まで300人もの人々が参加しています。 2004年のリヴァプール・バイエニアルではインディペンデント部門とし て、" )Bracket THIS( " 展を開催、Arena Gallery でのアートの展示の ほか、連日バンドやDJやポエトリーのイベントが行われて大盛況でし た。 今回の展覧会では、土着のリヴァプールのアーティスト、そしてインド、 中国、パレスチナ、チベット、ルーマニア、ジャマイカからの移民で現 在リヴァプール在住のアーティストをフィーチャーしています。 リヴァプールは、『ワールド・イン・ワン・シティ』というスローガンを掲げ ていますが、この展覧会では人種の多様性が表現されています。 " )Bracket THIS( - Going Native " は、3月24日まで続き、前回同様、 音楽や映画の上映などが行われるようですので、また来週改めてお 伝えしたいと思います。 'Mercy' website - http://www.showmercy.co.uk/ ')Bracket THIS(' Blog - http://www.artinliverpool.com/bracketthis/ 土曜の朝は、雪が残っていましたが、青空がきれいだったので、アン グリカン大聖堂の周りを囲う、セント・ジェームス・ガーデンを散歩して きました。 大聖堂へのメインの入り口のすぐ脇にある入り口を下ると、静かな墓 地公園が広がっています。大聖堂の裏手に上ると、バラやチューリッ プ、ヒヤシンス、ラッパ水仙など、季節の花が植えられています。一瞬 桜の花かと思えるような薄いピンクの花をつけた木があったので、大 聖堂を背景に一枚写真を撮りました。 The Friends of St. James' Gardens というボランティア団体のメン バーが、毎週土曜日の朝に庭園の世話をしています。数年前には荒 地だったそうですが、地元の住民、環境保護団体のはたらきかけに よって、再生が図られるようになりました。 ここからの大聖堂、そしてマージー川も見渡せる、シティーセンターか ら一番近い、緑のオアシスです。大聖堂にお越しの際は是非散歩がて ら立ち寄ってみてください。土曜日の朝だったらガーデニングに参加す るのもいいですね。 それではまた来週! ウエダミナコ 追記:先週号でお伝えした、Tommy McHughさんの番組ですが、2月に 既に放映されていたようです。 http://wwwz.fujitv.co.jp/dna/chap_dna4_3.html (この連載に関連する写真は、ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュ だより」ページに掲載しています。 http://scousehouse.net/goldfish/goldfish43_photo.htm ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無断での転載を禁じます。 Copyright(C) 2001-2006 Scouse House |