November 21 2006, No.274 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■ *** http://scousehouse.net/ *** ―――――――――――――――――――――――――――――― ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 ―――――――――――――――――――――――――─ NLW □ 「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン 〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜 ― 第70号 / 「ウィンター・ワンダーランド♪」 ― こんにちは! 今年も、St. Georges Hall 前の広場で、クリスマス・イルミネーションの スイッチオンが行われました。 去年同様、この日は身体の芯まで冷えるような寒さで、いよいよ冬の 到来が感じられました。 今年は遠巻きに観ていたので、人だらけで音も回っていて、いったい 誰がパフォーマンスしてるのかさっぱり分からない状態でしたが、とに かく観客のカウントダウンと花火とともに肝心なイルミネーションがライ トアップされたのが見れたので、私としてはそれでハッピーでした。 ここ以外にも、Church Street 、Bold Street、ウォーカー美術館、中央 図書館の並びにも灯りがともり、クリスマスまで本当にもうすぐです。 さて今週はまず月曜日から。 ウォーカー美術館に行ってきました。 目的1:"John Moores 24" 展で、"Visitors' Choice" の発表。 Tracy Emin や Sir Peter Blake などが審査員となって選ばれた大賞と は別に、来場者の投票で選ばれたトップ賞3名が発表され ました。 トップ賞は、Nicholas Middleton の 'Scene From a Contemporary Novel' 。 どっから見ても写真でしょ?! と思うほどフォトグラフィックな作品。 見れば見るほどそのテクニックの高さに驚きます。素材の質感、遠近 法、光と影と、油絵とは思えません。 ウォーカーのホームページからズームアップして見ることができます! http://www.liverpoolmuseums.org.uk/walker/johnmoores/24/jmzoomdisplay.aspx?name=middleton 次点は、Graham Crowley の 'Red Reflection' 。審査員による入賞作 品でもあります。 http://www.liverpoolmuseums.org.uk/walker/johnmoores/24/graham_crowley.asp そして3位は、我らが地元のアーティスト、Gary "Dollman" Sollars の 'When I Grow Up I Want To Go In There' 。 http://www.liverpoolmuseums.org.uk/walker/johnmoores/24/gary_sollars.asp 「写実主義」「ランドスケープ」への注目の高さが分かる今回の John Moores 展でしたが、次回はどういうトレンドになるかが楽しみです。 目的2。その輝かしいJohn Moores 展の入り口近くの E-Kiosk が、な んと "Digital Show ( http://www.digitalshow.co.uk )" のコーナーになっ た! …と、以前告知をしましたよね。遅ればせながら見に行きまし た。 オンライン展覧会としてスタートさせた Digital Show ですが、ウォー カー美術館のような由緒ある美術館で、コンピューターに縁のない人た ちにも観てもらえるのは願ってもないことで、世界25カ国から参加してく れたアーティストにも喜んでもらえると思うと、すごくウレシイです。 デジタルアートの作品200点がショーケースされていて、一作品6秒ず つ、トータル20分ですべての作品を見ることができます。 この展示は、バイエニアル終了の11月26日まで。 ナショナル・ミュージアムズ・リヴァプール(NML)のブログ(11月13日) にも載りました! NMLブログ: http://blog.liverpoolmuseums.org.uk/DigitalShowAvailableOffline.aspx < Walker Art Gallery (ウォーカー美術館)> 住所: William Brown Street, Liverpool L3 8EL 電話: 0151 478 4199 オープン:毎日 10:00〜17:00 ホームページ: http://www.liverpoolmuseums.org.uk/walker/ 木曜日。 新しい音楽サイト "Cult Cargo (カルトカーゴ)" のオープン 記念のライブが、Barfly で行われました。 Cult Cargo は、だいぶ前にもご紹介した Defcon Radio のメンバーが 中心に立ち上げた新しいプロジェクトで、リヴァプールの音楽だけでな く、場所を問わずアンダーグラウンドで活躍するいいバンドを紹介する ホームページ。これから音源もどんどんダウンロード可能にしていくそ うです。 Cult Cargo ホームページ: http://www.cultcargo.net 今回のライブイベントのメインアクトは、なんとニッポンのトリップ・ロッ クバンド、Acid Mothers Temple 。 インタビューで通訳を頼まれたので行ってきました。一回のライブでドラ ムセット2台、シンセ、ギターをぶっ壊したという話をきいていたので、 少々びびりながら行ったのですが、インタビューを受けたギタリストの 河端一(かわばたはじめ)さんは、とても穏やかで丁寧な方で安心した どころか、今までにないものの考え方、音楽に対する向き合い方に刺 激を受けました。 アーティストやミュージシャンは、作品やパフォーマンスを通じて自己表 現することが多いと思いますが、河端さんの場合はそうではなく、音が 聞こえてくるんだそうです。 その音に集中して耳を傾けて、できるだけ近い形で再生するように演 奏する、霊媒師ならぬ音媒師(?!)。時空を超えたミュージシャンって こういう人なのかなあ、と改めて実感。作り手、聴き手の国籍とか音楽 の新旧とかジャンルなんか関係なし、ひたすら研ぎ澄まされた音を追 求しつつ、見に来たオーディエンスをとことん楽しませて帰ってもらうと いうポリシ ーを貫いているロックバンドです。 ヘッドバンギングして長い髪の毛をかき乱しながらギターのノイズやス ペーシーなシンセの音がビュンビュンうなっているのですが、不思議な ことに「静」を感じられるんですね。一体何なのかは分かりませんが、こ れが“トリップ”した状態のことなのでしょうか? ライブの最後に、何かしでかしてくれるかな、と期待しながら観ていた ら、最後に河端さんがギターを天井に吊るして、音がギュインギュイン いったまんまステージを去っていってしまいました。 やっぱりギター壊しちゃったのかな、と思ってライブの後にきいてみた ら、「壊れてるわけじゃないから」とのこと。どうやって吊るしたかはヒミ ツだそうです。 Acid Mothers Temple ホームページ: http://www.acidmothers.com < Barfly Liverpool (バーフライ・リヴァプール)> 住所: 90 Seel Street, Liverpool, L1 4BH 電話:0870907999 (チケット予約) ホームページ: http://www.barflyclub.com 日曜日。 ホープ・ストリートに、ファーマーズ・マーケットが帰ってきました。 生野菜はなるべくここで買えるように数日前からスタンバイ(=冷蔵庫 が空っぽ!)していた甲斐がありました。新鮮なにんじんやじゃがいも、 カリフラワーそして芽キャベツ(枝についてるのは初めて見ました!)な どの野菜のほかに、スカウスソープとチャツネなどを購入しました。 9月のホープ・ストリート・フェスティヴァルほどではありませんが、多く の人々が訪れていました。レストラン 60 Hope Street では、ミニ・アー ト・フェアも行われていて、こちらもにぎわってました。 明るい気持ちにさせてくれるこのマーケットは、毎月第3日曜日に定期 的に行われます。 【今週の告知】 次回のホープ・ストリートのファーマーズ・マーケットは、12月17日(日)。 Blackburne House でのアート&クラフト・フェアもこのとき復活するそう です。午前11時〜午後5時まで。 マーケットの帰りに Ye Cracke に寄るのもあり?! 冬の Ye Cracke もこじんまりと温かくていいですよ。 それではまた来週! ミナコ・ジャクソン♪ (この連載に関連する写真は、ウェブサイトの「 NLW ゴールドフィッシュ だより」ページに掲載しています。 http://scousehouse.net/goldfish/goldfish70_photo.htm ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無断での転載を禁じます。 Copyright(C) 2001-2006 Scouse House |