January 16 2007, No.281
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第74号 / 「賀正リヴァプール 2007!」 ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish74_photo.htm ≫

こちらの元旦はこれといって正月の風情はなく、ただ単に静かな休日
といった雰囲気で、それではあまりにもメリハリがないので、帰国した
ときに友達にもらった福笑を引っぱりだして、旦那を巻き込んで遊んで
みました。
これが結構面白くて、しまいにはバナナやリンゴやにんにくまで登場さ
せたらイイ顔になったので、写真など撮ってみました。
また、クリスマス頃から食べっぱなしの1週間が続いていたので、近く
の公園で凧揚げ。これがまたいい運動になって楽しかったです。そん
な新年のスタートでした。
みなさんは楽しい年越しを迎えられましたでしょうか?

 ♪ ♪ ♪

前回のゴールドフィッシュだよりで告知をした大晦日の花火大会は、
台風のような暴風のため延期になりました。大晦日の悪天候はほぼ
イギリス全土だったようで、エジンバラ、グラスゴー、ニューカッスル、
ベルファストも同様に年越しイベントがキャンセルされたようです。
ロンドンだけはロンドン・アイを中心に豪華な花火が決行されて、テレ
ビで見ました。
日本でもニュースで世界の年越しの映像が映し出されたと思いますけ
ど、イギリスだけ何も見せるものがなかったら寂しいですからね。さす
が、首都の意地?!

リヴァプールの花火大会は、1月5日に行われました。
観客はライムストリート、セント・ジョージズ・ホール前の広場に詰めか
け、ウォーカー美術館の上に打ち上げられる花火を待ちました。
2007年リヴァプール800歳のバースイヤーを祝って、「ハッピーバース
デー・リヴァプール♪」と大合唱の後、ビートルズの "Birthday" ととも
にファイヤーワークスがスタート。お約束な選曲とも思えるかもしれま
せんが、あのシチュエーションで大音量で聞くとこれがまた効果的だっ
たりします。
今回の見ものは、花火よりも音響と照明のエフェクト。レーザーとパイ
ロテクニクスなるものによる演出で、ウォーカー美術館がカラフルに彩
られました。
音楽は、ビートルズのほか、ビヨークの "It's Oh So Quiet" や スウィ
ンギングなジャズナンバーや007のテーマ、そして戦時中の爆撃の
シーンでリアルなサイレンが鳴り響いたりと、20分とは思えない、盛り
だくさんなショーでした。
締めくくりは再びビートルズで、"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club
Band (Reprise)" でした!

写真のほかに、ショートビデオも見てみてください。まずは私の撮った
ダメ・ホームビデオ風のものから。。。
http://video.google.co.uk/videoplay?docid=2866811241749173406
それと旦那の撮ったちょっとまともなショートビデオ Part 1 & 2
http://www.artinliverpool.com/culturearch/2007/01/liverpool_fireworks_january_20.html
http://www.artinliverpool.com/culturearch/2007/01/liverpool_fireworks_january_20_1.html

また、地元のフォトグラファー、Pete Carr のサイトにいい写真が載っ
てますので、こちらもご覧下さい。花火以外の写真にも、リヴァプール
の風景や、ミュージック・ウィークなどのバンドの写真などもいろいろあ
るので、必見です!
http://petemc.net/gallery/2007/01/liverpool-new-year-fireworks-2007/

リヴァプールの800歳の誕生日となる 'Liverpool 800 Day' は、8月28日
です。
この日はストリート・パーティーが開催されたり、ロケーションはまだ発
表されていませんが、どうやらヨーロッパで最大の花火大会となるとい
う噂も。
今年の「マシュー・ストリート・フェスティヴァル」が8月24日〜27日、「イ
ンターナショナル・ビートル・ウィーク」が8月22日〜28日ですから、その
ままこのバースデー・パーティーに突入といった感じになるんですね。
天候に恵まれることを今から願ってます!

2007年の主なイベント・リストはこちらから。
http://artinliverpool.com/list/2007jan.htm

 ♪ ♪ ♪

先週の日曜日は、フィルハーモニック・ホールで "The Wizard of OZ
with Live Music" を観にいきました。ただの 「オズの魔法使い」映画で
はありません。1939年版のジュディ・ガーランド主演のこのミュージカル
映画は、オーケストラ部分が別トラックで録音されたので、
その部分だけ取り払って、映像、台詞、歌をそのまま活かしながらロイ
ヤル・リヴァプール・フィルハーモニック・オーケストラによる生演奏も楽
しめるという贅沢な企画で、UKプレミアでした。

家族連れも多く、会場はほぼ満席。私も子供のときに、赤と青の色眼
鏡をかけてテレビ版で観た遠い記憶がある程度でそれっきりでしたの
で(年齢がバレる?!)、ストーリーやキャラクター、舞台セットのデザ
インや当時のテクニカラーの色合いがとても新鮮でした。
新年ということもあり、「今年、かなえたいもの」ってなんだろうとふと考
えてみたりして。心から求めるものを探すならウチの近くにあるってい
うから、今年もやっぱりステイ・ローカル?!
ドロシー役のジュディ・ガーランドのかわいらしいけど結構気丈なキャラ
クターもいいですけど、意外に光っていたのが、犬のトトちゃん。天才と
しかいいようがありません!トトちゃんにも魔法使いからのご褒美をあ
げてほしかったなあ。。。

幕間に、ドロシーやブリキの木こり、ライオンや魔女などの思い思いの
「オズの魔法使い」キャラの格好をした人たちがぞろぞろとステージ近
くに集まってきました。これは、同時開催の「オズの魔法使い仮装大
賞(?)」で、優勝者にはクラッシックFMやリヴァプール・フィルから賞
品が渡されました。子供から大人まで相当気合が入ってました。特に
優勝したブリキの木こりの男の子(ちょっとブレ気味ですみません、写
真右の三角頭の子です)、胴体が大きすぎてのけぞりながら歩いてい
てこれがまた可愛くてポイント高い。

後半のショーが終了した後、上の階のバーエリアでは、ミニ・ドロシー
ちゃんが大きなカメラを持って他のおネエさんたちの写真を撮っていた
ので、私も一枚撮らせてもらって家に帰りました。

フィルハーモニック・ホールは、もちろんコンサートホールとして有名で
すが、クラッシック映画も上映しています。雰囲気よさそうですよね。し
かも、スクリーンそのものも見もので、世界で唯一現役で使用されてい
る Walturdaw 社の上昇式のアールデコ調シネマスクリーンなんだそう
です。

映画のスケジュールはこちらから。
「リヴァプール・フィルハーモニック・ホール」ホームページ:http://www.liverpoolphil.com/

 ♪ ♪ ♪

ここ数週間、ギャラリーのパトロールも再開してますよ。既に今年に
入っていろいろ行きましたが、こちらはかいつまんで駆け足で。

Tate Liverpool の特別展、Mike & Dinos Chapman の、"Bad Art for
Bad People"。
世の中に存在するタブーをとことん表現しちゃったみたいな賛否両論
のグロテスクで過激なコレクションです。2003年のターナー賞にもノミ
ネートされ、日本でも知られているアーティストだと思います。相当ワル
なので、覚悟が必要です。こんな兄弟を育てた親の顔が見てみた
い。。。
入場料は5ポンド、期間は3月4日まで。

同じく Tate Liverpool のグランドフロアには、スイス人画家/彫刻家/
パフォーミング・アーティストである John Armleder によるインスタレー
ション。60年代、70年代には前衛芸術運動、フラクサスにも深く関わっ
ていたらしい。ちょっとフェスティヴで、特にチャップマン兄弟の展覧会
を観たあとではホッとして癒されます。
こちらは入場無料、2月25日まで。

 < Tate Liverpool >
  住所:Albert Dock, Liverpool L3 4BB
  電話:0151 702 7400
  Tate Liverpool ホームページ: http://www.tate.org.uk/liverpool/


リヴァプール大学にギャラリーがあるのはご存知ですか?
Abercromby Square という公園の真向かいにあるのですが、室内は
アンティークな調度品とクラッシックな絵画や彫刻で埋め尽くされ、時
間が止まってしまったかのような空間です。さりげなーく JMW Turner
の油絵なんかが壁にかかっていてギョッとします。

現在、最上階で行われている展覧会が、Joash Woodrow という去年
亡くなったリーズのアーティストの "Works on Paper" 展。これは面白
かったです。
この作家は、名門の Royal College of Art を卒業後、ノイローゼになり
リーズの実家に引きこもりながらひっそりと創作活動を続けていたよう
です。しかも自ら作品を発表することもしなかったので全くの無名だっ
たのですが、1999年に自宅で火事が起きたときに初めて、ソーシャル
ワーカーが家の中を立ち入り検査した際に、3000枚もの絵画やコラー
ジュなどが発見され、運よくアート・ディーラーの目にとまり、日の目を
見ることになったようです。
ギャラリー担当者いわく、「普通だったらそのままゴミ溜め行きですよ」
とのことですから、本当に人生なにが起こるか分かりませんね。素材
は、画用紙から壁紙、はては美術の百科事典のページの上に大胆に
描かれていたりして、静かなエゴが見え隠れていて興味深かったです。
この展覧会は、4月20日まで。

 < The University of Liverpool Art Gallery >
  住所:3 Abercromby Square, Liverpool L69 7WY
  電話:0151 794 2348
  オープン:月〜金 00pm〜04pm 入場無料
  ホームページ: http://www.liv.ac.uk/artgall/exhibitions/exhibit_current.htm


あとは、Walker Art Gallery で、デヴィッド・ベッカムの寝顔が見れます。
Sam Taylor-Wood が1時間にわたってベッカムの寝顔をビデオに収
めたものです。TVモニターの前に椅子も置いてあるので、ファンの方
はごゆっくりどうぞ。
http://www.artinliverpool.com/blogarch/2007/01/artwork_of_the_6.html

本当はまだまだ載せたいことがあったのですが、ちょっと来週にまわし
ます。
今週はこんなところで。

それでは、本年もよろしくお願いいたします!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish74_photo.htm ≫


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