April 17 2007, No.294
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■ *** http://scousehouse.net/ *** ―――――――――――――――――――――――――――――― ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 ―――――――――――――――――――――――――─ NLW □ 「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン 〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜 ― 第87号 / 「Fabulous, Crazy & Beautiful Weekend with 'fockea crispa' 」 ― ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish87_photo.htm ≫ こんにちは。 今週は、東京は高円寺を主な拠点として活動する、のびやかなおんが く楽団 fockea crispa (フォッケア・クリスパ)がリヴァプールにやってき ました。 バンドの名前の由来は、南アフリカ原産、ガガイモ科の植物の名前。 大型になる塊根からツルを出し、その塊根は3mにもなるそうです。和 名は、京舞妓、宇宙船。 のびのび、ゆったりとして、でも生命力のあるそんな音です。一年前に NLW にも寄稿してくれた preface さんのバンドです。 fockea crispa 公式ホームページ: http://preface.daa.jp/fockeacrispa 音源はMySpace から聞けます: http://www.myspace.com/fockeacrispa 人と人との出会いやつながりは本当に奇妙なもので、知り合ってから の年月とか会う頻度とか住んでいる場所などはそれほど重要じゃなく て、たとえ異国の土地で初めて出会っても、コトバの壁があっても、あ る場所で、ある人たちが、ある絶妙なタイミングで集まることで、自然 発生的に生まれる不思議なエネルギーが周囲をも巻き込んで、魔法 のような瞬間を創りだすというような、まさにそんな感覚を実感させら れた4日間でした。 一年前に preface さんが初めてリヴァプールを訪れたときに一緒に ボールド・ストリートを歩いていると、今回のライブイベントのオーガナ イザーである Defcon と Cultcargo ( www.cultcargo.net ) の Paul Tarpey と Chris Lee にばったり会いました。 Korova に場所を移して話をしているうちに彼らはすっかり意気投合し、 その後もメールなどでやりとりを続け、今回バンドメンバーのギョロさん とサルビアさん、そしてカメラ(&生け花!)担当のチハルさんを連れて リヴァプールでライブをする運びとなりました。 木曜日の晩にリヴァプール・ライム・ストリート駅に到着し、ライブ会場 となるホープ・ストリートの Everyman Bistro で Paul と Chris と待ち合 わせ。そのときもちょうど地元のバンドが演奏していたので、初日から ライブ鑑賞を堪能していました。 13日の金曜日の7時からは、ベリー・ストリートの Dragon Bar にてラ イブ。 日も長くなったリヴァプールでは辺りはまだ明るく、まるで昼下がりのよ う。バーは演奏を聴きに来た観客で満たされました。サルビアさんとチ ハルさんは着物姿で登場。お店の壁の色やエキゾチックなデコレー ションとなにげにマッチしていて素敵でした。 お店のオーナーも喜んでて、記念写真をパシャリ。ライブは6曲。 さま ざま楽器が出てくる、出てくる。preface さんがギタレレ・ピアニカ・リ コーダー・バンジョー、サルビアさんが大正琴・ミニアコーディオン・タン バリン・鉄琴・ドリームボール・鈴・お水、ギョロさんがアコースティックギ ター・メロディカを担当。観客の人たちもビールを飲みながら陽だまり のようなゆったりと流れる音楽に耳を傾けていました。 その後、道を渡って向こう側にある Tokyou というヌードルバーに行き ました。そこは、日本食を期待すると(ハテナ?)ですが、チャイニーズ の炒麺としてはOKでなにより安くてボリュームがあって、しかも早い! 6人でぞろぞろとお店に入って着席すると、お持ち帰りメニューをオー ダーして待機していた Tony というオジサンが近づいてきて、着物姿の サルビアさんとチハルさんに向かって、「I've lived in Liverpool all me life but you look fabulous!」と十回以上も連発。私たちは腹を抱えて笑 いました。 Tony さんはビールを片手にすっかり酔っ払っていて言っていることの 脈略ありませんでしたが、でも基本的にハッピーで歓迎してくれている 様子でしたのでよかったです。 もうその晩はメンバーもクタクタで半寝状態でしたので宿に戻りました。 土曜日は夕方に夏のような空気の匂いがする Ye Cracke のビアガー デンへ。この日は室内はガラガラ、外は大混雑でした。キンキンに冷 えたビールを飲みながら、メンバーは初めてのフィッシュ&チップスに 舌鼓。そこでも別のテーブルにいたクレイジーな日本人の女の子が途 中で乱入してきてこれも面白かったです! 何か引きつける磁力を発 していたのでしょうか??? 午後7時に Everyman Bistro Third Room に楽器搬入。fockea crispa は9時半から一番最初に演奏する予定でしたが、2番目のグループ Mayming のサウンドチェックが予想以上に時間がかかり、予定より遅 めにスタート。会場はここも満員御礼でした。 ランニングオーダーは、『波のまにまに〜Strange Plum〜農協前〜ラ ジオスターの悲劇〜Fall Back To Sleep〜早朝の川原で花が咲くまで の過程』。 大正琴で聞く Buggles の "ラジオスターの悲劇 (Video Kills The Radio Star) " のカバーでは観客も大喜び。80年代当時最先端のエレポップ だっただけに、アコースティックで和なアレンジがとっても新鮮でした。 次のアクトは、マンチェスターで活動している、Mayming 。クラッシック のバックグラウンドをもつ Semay と Seaming の2人組。広い音域で声 を楽器のように操る Seaming のパワフルでミステリアスな歌声と、時 に激しく掻き鳴らされる Semay のチェロ。コンピューターを使ったエ フェクトなども効果的で、すっかり前でかぶりついて観てしまいました。 Mayming MySpace: http://www.myspace.com/mayming (お断り: この音源よりライブのほうが500倍くらいいいです。) 私は昼間の強い日差しとビールにやられたのか頭が痛くて Mayming を見たあと退散しましたが、メンバーはラストまで残って楽しんでいった ようです。 最終日はトドメの、BBC Radio Merseyside の日曜日の午後の番組、 Claire Hamilton のショーで生ライブ出演! 局内に入って始めは写真撮影などをしてはしゃいでいましたが、内心 かなり緊張していた様子で、真剣な事前ミーティングとリハーサル。 傍らでその音を聞いていたプロデューサーの Angela Heslop が、 "Absolutely Beautiful!" と感嘆していました。 スタジオ内に入り、番組パーソナリティーの Claire からひとことふたこ と紹介とインタビューがあった後、ライブがスタート。4分ほどの短いス ロットで、選んだ曲は 『農協前』。この曲はアートの島で知られる瀬戸 内海に浮かぶ直島で作った曲で、バス停の名前だそうです。 ラストの部分でヘッドバンギングしながら演奏するメンバーの姿が忘れ られません。編集なしで時間もドンぴしゃり。 Claire も曲を聴いて "Beautiful!" とコメントしていました。音源は、以下のリンクから今週の 日曜日まで聞けます。 BBC Radio Merseyside Claire Hamilton http://www.bbc.co.uk/liverpool/content/articles/2006/11/09/radiomerseyside_clairehamiltononsunday_feature.shtml ラジオ収録のあと、Defcon の Paul と Chris に別れを告げて、メン バーはその足でライムストリート駅からロンドンへ発っていきました。。。 Defcon の Chris は、fockea crispa を 「グレイト・バンド&ビューティフ ル・ピープル」と形容していましたが、その通り、のびやかでやさしくて きれいな音はメンバーの人柄にも表れいます。 今回メンバーのために自宅を宿として提供してくれた Paul も、言語の 違いを越えて音楽を通じて心を通わせ、そしてとても楽しい時間を共 有したので、見送った後に会ったら「また来るよね」と少し淋しそうでし た。 でも次のステップとして、日本のバンドとリヴァプールのバンドを繋げる ようなプロジェクトの計画をさっそく練りはじめているみたいなので、今 後がまた楽しみです。 4月のリヴァプールは、エイプリルシャワーといって通常春の雨がよく 降ると言われますが、この週末は4月としては記録的な暑さと晴天に 恵まれ、彼らの滞在中は一滴も雨が降りませんでした。お腹と顔が筋 肉痛になって頭痛も併発するくらい沢山笑い、同時にやさしい気持ちと 至福感、高揚感包まれた、Fabulous で Crazy で Beautiful な週末でし た。 今回はほとんど観光しないでアルバート・ドックも見ずじまいでしたの で、fockea crispa の皆さん、また来てください! ♪ ♪ ♪ 【今週の告知】 その1; 先週もお伝えしましたが、もう一度告知します。 4月23日の St George's Day に St George's Hall のグランドオープニ ングを記念した、 "Son et Lumiere"(音と光のショー)が行われます。 St John's Garden からホールの裏側に800年のリヴァプールの歴史が 映し出されます。初日の初回は既に売り切れだそうですので、お早め に! 期間: 4月23日(月)〜29日(日) 時間: 午後8:30からの回と午後9:30の回があります。 入場料: 大人£3 12歳以下と65歳以上£1.50 ( チケットは、 08プレ イス 又は 電話(0151 233 2008)にて購入可能) http://www.liverpool08.com/events/event_details.asp?dms_id=107421 その2; 4月20日(金)〜22日(日)、Wavertree Playground にて "The Folks Fest" が開催されます。 子供から大人まで楽しめる、ドイツ風のアウトドア・イベント。ライブ ミュージックのライブが行われるほか、アート&クラフト・マーケットや地 元の産物からドイツのソーセージ、プレッェル、ケーキ、ビール、サイ ダー、ワインなどのマーケットストールも並んでいるそうです! 場所: Wavertree Playground 開催時間: 金曜日 午後3:00〜8:30、土・日曜 午前11:00〜午後8.30 ホームページ: http://www.folksfest.com 又は http://www.artinliverpool.com/blog/blogarch/2007/04/the_folks_fest_at_wavertree_pl.php それではまた来週! ミナコ・ジャクソン♪ ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish87_photo.htm ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無断での転載を禁じます。 Copyright(C) 2001-2007 Scouse House |