April 24 2007, No.295
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第88号 / 「エイプリル・シャワー」 ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish88_photo.htm ≫

先週までの青空が幻かのように、グレーの空とエイプリル・シャワーが
戻ってきました。
1週間前の異常なハイテンションからの反作用か、気圧の低下と比例
したのか、気分も少々ローキーで過ごしました。たまにはこれくらいお
となしくしてないとパワー持たないですからちょうどいいかもしれませ
ん。
風邪もはやってるみたいなので、お体には十分お気をつけ下さい。。。

今週の前半はパスポートを取りにロンドンの日本大使館まで行く用事
があったので旦那側の親戚宅に1泊し、久しぶりにロンドンに住んでい
る友達に会ったり、ぷらぷら街を観光したりして、ちょっとだけホリデー
気分を楽しみました。
ロンドンはやっぱり食の幅が広いですね。Islington のベトナム料理屋
さん Huong Viet が美味しかったです。建物や内装もベトナムにあるコ
ロニアル風ビルみたいでいい感じでしたし。サービスは少し遅いですけ
ど、逆にゆっくりできてよかったです。

大使館がピカデリーだったので、用事を済ませた後は、あえて近場の
観光名所に行こう! と決めて、バッキンガム宮殿に寄ってみたり(衛
兵交代はありませんでしたが)、途中しっかり ICA を見てから、チャイ
ナタウンでご飯を食べたり(道の名前が「ジェラード・ストリート」。ここま
できてリヴァプールから逃げられない?!)、カーナビー・ストリート近
辺で買い物したり(ここで知り合いのリヴァプールのアーティストとばっ
たり!)、コヴェント・ガーデンでストリングス・カルテットや大道芸人を
眺めたり。うわー、イギリスにいるなあ、と実感。リヴァプールにいると
自分がイギリスにいることをよく忘れるんですよ、ホントに。

♪ ♪ ♪

リヴァプールに戻して、木曜日は複数のギャラリー・オープニングがあ
りました。
まずは FACT にて、カナダ人アーティスト David Rokeby の "Silicon
Remembers Carbon" 展を駆け足で見ました。BAFTA(英国映画テレ
ビ芸術アカデミー賞)やオーストリアのリンツで行われるマルチメディ
ア・フェスティバル『アルス・エレクトロニカ』でも数度の受賞をしている
ツワモノで、観客の動作や音に呼応するインタラクティブな作品の数々
で面白そうです。この展覧会は6月10日までですので、ゆっくり遊んで
みようと思います。
FACTホームページ: http://www.fact.co.uk/

その後、アルバート・ドックの Site ギャラリーへ。
Liverpool John Moores University School of Art and Design とリヴァ
プール・バイエニアルがタイアップしたアートスペースです。今回は、
ボールド・ストリートにあるファッション&ライフスタイルショップ
Microzine とのコラボレーション "Black on White" 展。

これは、世界的にもアイコン的な存在である24つのブランド商品を、
LJMU の学生がデザインし、カスタマイズするというもの。
Converse, Adidas, Puma, Nike, New Balance, K-Swiss のスニーカー、
Dr Martin のブーツ、Grenson Brogue 、Victorinox Swiss Army Knife 、
Toy2R Qee Bear 、コカコーラ・ボトル、Fred Perry のポロシャツ、
Levis ジーンズ、Barracutta Harrington ジャケット、Fatboy ビッグクッ
ション、Calvin Klein ボクサーショーツ、Umbro のサッカーボール、
ロモ・カメラ、iPod 、Panton チェア、リヴァプールものでは Super
Lamb Banana 、The Beatles ホワイトアルバム、そして大型なもので
Mini Cooper など。

白地のアイテムに黒一色でデザインするというルールなので "Black
on White"。Mini Cooper や Panton チェアなど特別に貸与されたアイ
テムについては直接塗装できないという制約があったので、Mini
Cooper はステッカーで対応し、Panton チェアについては、映像のプロ
ジェクションでドレスアップされています。

制作期間が実質2週間足らずだったそうですが、素晴らしい出来です。
このようなビッグネームのブランドをモチーフにしてデザインすることは
誰にとってもチャレンジングなことでしょうが、学生たちのデザインに
アートの専門チームであるバイエニアルや、Microzine のようなリテー
ルの現場のプロの目を通じてお墨付きがつくということは、彼らにとっ
て多大な自信につながることと思います。

Microzine のマネージングダイレクターの Chris も 「とってもエキサイ
ティングだ。 Site での展覧会が終わったら、ロンドンのショップに巡回
させようと思ってる」と意気込んでいました。その時にはまたロンドンに
是非行きたいです。

このオープニングの日に限っては、ドレスコードがあり、招待客は白黒
の服を着用。作品すべてが白黒なので、観客も作品の色合いの一部
と化していて興味深かったです。
アフターパーティー会場もこれにちなんでか、Radisson SAS ホテルの
The White Bar でした。

 < Site (サイト)>
  住所: Britania Pavilion, Albert Dock(Pan American Bar 隣り)
  電話: 0151 478 4499
  オープン: 水曜日〜日曜日 10:00〜16:00

アルバート・ドックの夕焼けがきれいだったので写真をおまけでつけま
す。

♪ ♪ ♪

先週に見に行ったもので書き落としていたものをお伝えします。
FACT の並びにある、主に建築に関する展覧会が開かれるギャラリー
スペースThe RENEW Rooms で行われている "Nek Chand's Rock
Garden" 展。

Nek Chand Saini はインドのアウトサイダー・アーティスト。このロック・
ガーデンのあるチャンディガールは、50年代にパンジャブ州の新州都
となり、かの有名な建築家ル・コルビジェが都市計画を手がけたことで
も知られています。
Nek Chand は1951年にこの再開発の工事の現場監督として働いてい
ました。その傍らで、密かにこのロック・ガーデンを建設。
最初は川原から面白い形の石や岩を集め、次第に工事現場から壊れ
たガラスや陶器、電子部品などの人工の素材を拾ってオブジェ制作に
勤しんだそうです。

ロケーションは政府が緑地帯として指定し保護していたエリアでしたの
でもちろん違法でしたが、1976年までの14年間、秘密で人形や動物の
オブジェを作り続けて、そのとき12エーカー(現在は18エーカー)もの土
地を埋め尽くしていたというから、発見した政府当局もきっとビックリ
だったことでしょう。
本来は即取り壊しになるところでしたが、市民のサポートを得てロック・
ガーデンは存続し、Nek Chand はロックガーデン・プロジェクトを合法
でしかも給料をもらってスタッフを雇って続けていくことができるように
なったそうです。
また、市の各地にぼろ布や陶器の欠片のリサイクルセンターを設けて
素材を集めながら拡大しています。

この展覧会は、リヴァプール大学の Iain Jackson (旦那とよく間違えら
れますが別人です)が3年がかりでロック・ガーデンがどのように発展
していったかをリサーチし、まとめたものです。
ガーデンの写真や、設計図、未公開のオブジェもいくつか展示されて
います。それぞれの人形は表情が豊かで、Nek Chand が愛情を持っ
て息を吹き入れているのが分かります。
Nek Chand 氏はすでに82歳になりますが、今でも毎日ガーデンに通
い、彼のもつユートピアを作り続けているそうです。

この展覧会は、5月11日まで。
Nek Chand ホームページ: http://www.nekchand.info

 < The RENEW Rooms >
  住所: 82 Wood St, Liverpool, L1 4DQ, UK
  オープン: 毎日 10:00〜16:00 入場無料
  ホームページ: http://www.renew.co.uk

♪ ♪ ♪


【今週の告知】
Liverpooljazz presents Jazz at the Palm House
日時: 4月29日(日)午後7.30〜
場所: Sefton Park Palm House, Liverpool L17
入場料: £12.50
      チケットは Unity Theatre にて発売中 (0151 709 4988)
ホームページ: http://www.liverpooljazz.org

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish88_photo.htm ≫


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