June 05 2007, No.300
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World 
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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第92号 / 「 Victorian house & Our house 」 ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish92_photo.html ≫

こんにちは。
It was 40 years ago today〜♪
1967年は音楽、マルチメディア、アートなどあらゆる文化面で本当に革
新的な年だったようです。

6月1日は、世界を震撼させたビートルズの "Sgt. Pepper's Lonely
Hearts Club Band" のリリースから40周年記念の日とのことで、翌日
の地元紙を見たら、アルバート・ドックやマシュー・ストリートでお祝いイ
ベントがあったようです。
週末はラジオでもビートルズが沢山かかっていましたし、土曜日の晩
には "Sergeant Pepper's 40th Anniversary" というドキュメンタリー番
組がテレビで放映されました。
これは、BBC Radio 2の40周年記念企画の一環で、平たく言えば現代
のバンドやミュージシャンが、Sgt. Pepper's のアルバムの一曲をカ
バーするというものなのですが、エンジニアにはオリジナルのアルバム
を手掛けたGeoff Emmerickを迎え、当時実際に使われたアナログの4
トラック機材を用いて同じ手法でレコーディング、しかも一日で仕上げ
なければいけないという決まりつき。
テレビで出てきたラインアップは、以下の通りです。

Bryan Adams - Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
Kaiser Chiefs - Getting Better
Razorlight - With A Little Help From My Friends
The Fray - Fixing A Hole
Magic Numbers - She's Leaving Home
Travis - Lovely Rita
Stereophonics - Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)

以下のページから、それぞれのビデオが見られます。
http://www.bbc.co.uk/radio2/events/60sseason/documentaries/sgtpeppers_video.shtml

デジタル録音に慣れている若いバンドは、昔ながらのレコーディング体
験を新鮮に感じながらもかなり苦闘しているようでした。
エンジニアのEmmerick氏の容赦ない駄目出しにもめげず、Kaiser
Chiefsは27回ものテイクの後にようやくOKが出て、まさに 'Getting
Better' でした。 Razorlightはオリジナルに忠実に、ドラマーがボーカル
をとったのですが、Emmerick氏の指導のもとで、歌詞を何度も磨き直
してから、録音。
アメリカはデンバー出身のバンドThe Frayのドラマーは相当なビートル
ズファンらしく、「こうやってレコーディング中、ビートルズのメンバーは
こうやってヘッドホンを通してこの声(Geoff Emmerick氏の声)を聞いて
いたのかあ〜」と感激していました。
Travis は、櫛を新聞紙の紙切れにはさんで吹く音のエフェクトまで再
現。思わず私も家で真似してしまいました!
Stereophonics は、アルバムの冒頭の 'Sgt. Pepper' を担当すると思っ
てスタジオ入りしたら、当日現場で「ラストの 'Reprise' ですよ」と伝えら
れ、その場でコードやハーモニーを耳コピ開始。さすがプロですね、見
事にやってのけました。
ビデオで聞ける音源はキレイな完成品ですが、どの曲もそれまでのプ
ロセスが見られて面白かったです。

1週間だけですが、前述のホームページの右上の 'Listen Again' から、
ラジオのドキュメンタリー番組が聞けます。来週もPart 2があるみたい
なので、こちらもチェック必須です。

Sgt. Pepper'sといえば、アルバム・ジャケットを手掛けたSir Peter
Blakeの回顧展が、6月29日からスタートします。9月23日までなので、
ビートル・ウィークの時期に来られる方も見れますね。
http://www.tate.org.uk/liverpool/exhibitions/peterblake/default.shtm

ついでに、旦那が見つけた可笑しなビデオクリップもオマケでつけま
す。
スター・トレックのCaptain KirkことWilliam Shatnerによる大袈裟バー
ジョンの 'Lucy In The Sky With Diamonds' です。。。
http://video.google.com/videoplay?docid=-7258896287489458266

♪ ♪ ♪ 

ヴィクトリア朝時代の軍曹の衣装で身をまとったSgt. Pepperに続いて
は、先週の告知でお伝えしたSudley House。(苦しいつながりでした
ね。。。)
5月26日に再オープンしました。アートオークショネアでおなじみのDr.
Paul O'Keeffeが、この邸宅の2代目の家主であったGeorge Holtに扮
してツアー
をしてくれました。
ライブラリーの暖炉の上にある肖像画は、George Holtですが、Dr.
O'Keeffeと本当にそっくり。一人称で語るガイドというのもテーマパーク
のようで面白かったです。

George Holtは、有能なビジネスマンであり、美術品のコレクターでもあ
りました。
ただでさえ数少ないヴィクトリア朝時代の商人のお屋敷の中で、当時
のままの家具、暖炉、壁紙、絵画、彫刻がそのまま保管されている邸
宅となると、ここが唯一とのことです。

窓からの外の眺めは、まるでターナーが水彩で描きそうな緑とマー
ジー川がとっても素敵です。
お屋敷をぐるっとまわり、カフェでアフタヌーン・ティーを楽しみ、庭を
ゆっくりあるいて半日ゆったり過ごすというのもいいかもしれません。

 < Sudley House(サドリー・ハウス)>
  住所: Mossley Hill Road, Liverpool, L18 8BX
  アクセス:市内からバス80番又は80AでRose Lane下車、徒歩10分
  オープン:毎日 10:00〜17:00 入場無料
  ホームページ: www.liverpoolmuseums.org.uk/sudley

♪ ♪ ♪

場所を現在の庶民の住宅に移して、Gt George Street(チャイナタウン
のゲート近く)の取り壊し間近な公営住宅Four Corner Houseにて、
"Our House" という催し物がありました。
これは、Liverpool Culture Companyが主催したもので、テーマは
'Neighbourhoods'(地域)。外壁は175もの真っ赤なドアで四方埋め尽く
され、アパートの数室を使って、ポエム、アート、ビデオなどを通じてリ
ヴァプールの多様化したコミュニティー、そして変化し続ける街や人々
の流れの中で失われつつコミュニティ精神を表現した展示が行われて
いました。
5つのアート団体と5つのコミュニティーが参加しているのですが、中で
も印象的だったのは、Bluecoat Arts Centreのチームと、北リヴァプー
ルAlt Valley地域の人々が作った小さなドア。扉をという開くと、飾りつ
けられたカギと地域の人々の思いが覗けます。

裏側のポーチには、物干しロープに架かったハンカチに、それぞれの
人々にとっての「コミュニティー」とは何かが書かれています。
パーソナルな気持ちを表現したものもあれば、理想像を語ったものも
ありました。
コミュニティというものにあまり縁がないまま育った自分としては、「コ
ミュニティーとは何か?」と問われると即答できませんが、自分の取り
巻く環境との関係、人々、アイデンティティーとは何か、考えさせられる
ものがありました。

残念ながらこのFour Corner Houseは、3日間のみの開放ということで
終わってしまったのですが、おそらくしばらくは赤い建物は残されるの
ではないかと思います。

♪ ♪ ♪

今年もディグリー・ショー(卒業発表会)が各大学で行われています。
Liverpool Hope Universityのディグリー・ショーでは、
"Artinliverpool.com Purchase Prize" を設けて、優秀な作品を一つ選
んで表彰し、購入することにしました。
ショー開始の前日に作品を見て回り、迷わず選んだのはコレ(写真参
照)。Hayley Smithに決定。本人もご家族もとっても喜んでいました!
卒業後も是非いい作品を描き続けてほしいと思います。

♪ ♪ ♪

Kings Dockに建設中で、まもなく完成予定の 'Liverpool Arena and
Convention Centre'。
今後、ビッグなバンドのコンサートやスポーツイベントなども誘致できる
と期待されるこのアリーナですが、ネーミングが決定したようです。
その名は、'The Liverpool Echo Arena''。。。
個人的にはもっと格好いい名前はなかったのかなあ? とちょっぴり
複雑です。。。

♪ ♪ ♪

今週の告知
6月9日(土曜日)に、旅客用の鉄道駅としては世界最古のEdge Hill
Train Stationにて、"Truck Stop" というインターナショナル・フェスティ
バルがあります。
インターナショナル・フードのストール、ライブバンド、コミュニティーアー
トなど盛りだくさん。アクセス方法は、ライムストリート駅から
Preston/Warrington Lineで一駅、Edge Hill駅下車。もしくは、バス86,
26, 27番系統。
午前10時〜午後6時まで。入場無料です。詳細はこちらから。
http://www.open-here.eu/calendar/index_liverpool.htm

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン♪

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