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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ウエダミナコ
             〜 Minapop Goldfish * Liverpool Updates 〜

  ― 連載第16回 / 「 音楽三昧! 」 ―

NLW読者のみなさん、こんにちは!
Hotfoot のコンサートが終わってからすっかりまったりしています。あ
れから何かあったかなあ、と思い出しながら、先週書ききれなかった
イベントについてお伝えします。

週の後半は音楽三昧でした!
まず水曜日は Slater Street のジャカランダの並びのパブ The
Marlborough にて、The Downtown Dixielanders のライブ。
ミュージシャンも常連客も、18年間ず〜っと変わらず毎週ここに集まっ
ているそうです。入場料なども特にないので、ふらっと立ち寄るのもあ
り。なんだかモノクロの世界にタイムスリップしたような雰囲気の中で、
ビールを飲みながら聞くディキシージャズというのもいいものですね。

木曜日は、まずアルバートドックに最近オープンした Ha! Ha! Bar &
Canteen というバーでの、オープニングパーティ。
野外のオープンスペースからドラムセッションが聞こえてくるので外に
出てみると、ちょっとしたカーニバルが繰り広げられていました。

その後場所を移して、Fleet Street のライブハウス Heaven N Hell に
て Defcon 主催のライブイベント。
オーガナイザーの Paul Tarpey 氏 率いる Defcon は、定期的なフリー
ミュージックマガジンを発行、インディバンドのライブイベントの企画、
そしてネット上で Defcon Radio
( http://www.merseyradioactive.com/defcon/defcon.htm )の運営を
しています。
詳細を Tarpey さんに聞こうと思ったら、今 Glastonbury Festival に
行ってて来週まで帰って来ないということでした。また後日改めて取材
します!

Defcon は今、リヴァプールのローカルバンドを本格的に紹介するホー
ムページを立ち上げようとしています。
3バンドが出演した今回のイベントは、その資金集めの目的も兼ねて
の Benefit Gig For Defcon Radio でした。
ということで募金を兼ねたラッフル(福引き)が行われ、私は、シンプソ
ンのコミックブックと、1982年発行のSFコミックブック(コンディッション
良!)が当たり、大満足。
それ以上に、Bexy Sitch & The Creepy Crawlies というギター/ボーカ
ル、ベース、ギターの3人構成の女の子バンドがよくて、昔よく聴いて
たネオアコを彷彿させる、爽やかでハーモニーのきいたギターポップ
が新鮮でした。今後がとっても楽しみです。
久々に良質な新しいバンドに出会えた喜びに、上機嫌で帰宅しました。

金曜日は、Leece Street の Bar Hannah's で、Anti-G8 Fundraiser
Gig 。
このところ、7月初旬にスコットランドで行われるG8サミットを阻止しよ
う! という動きがあちこちで展開されていますが、このライブイベント
は、リヴァプールからのスコットランド行き貸切バス資金調達を目的と
したもの。
ここでもラッフルが行われ、前日に引き続きまた当たりました! 今度
は、“Sack the G8!”(編注:『くたばれG8!』という感じでしょうか…) と
書かれた赤のTシャツ。私は政治的なことはよく分かりませんが、とり
あえずその頃着ておこうかなと思ってます。

アンチG8ギグでの私のお目当てのバンドは、ボールドストリートのエコ
ーマン、Paulがベース・キーボードで参加している20000 BC 。
「プリ・フューチャリステッィク・ギターノイズ・フロム・ケンジントン・ショッ
ピング・アーケード」と形容されていて全く見当がつきませんでしたが、
事前情報として聞いていたことは、「耳栓持ってきたほうがいいよ」との
こと。始まったばかりのときは最前列で普通に観てて、それほど感じま
せんでしたが、曲目が進むにつれてボリュームを上げ続けていたよう
で、3曲目くらいからはさすがにキツくて最後列まで後退しました。
技術的にレベルが高く、プログレ、ジャズ、ノイズなどいろんなジャンル
の要素が入っていて、しかも意外にメロディックだったので、今度ボ
リュームを落とした状態でじっくり聞いてみたいと思います。

土曜日は、Sefton Park で行われた Oye Festival。アフリカン・コミュ
ニティーが中心になってオーガナイズされたイベントで、天気もよく、ご
ざを広げてピクニックしながら、遠くのステージから聞こえる太陽の似
合うアフリカン・ミュージックを聞き、のんびりとした午後を過ごしまし
た。

日曜日はウィガン出身の友達が久しぶりに地元に戻っているというこ
とと、ちょうど Wigan Music Collective 主催の、Haigh 2005 というウィ
ガンのインディバンドによるミュージックイベントがあったので、行って
きました。
どうやらこのバンドブームはリヴァプールだけでなく、北西イングランド
全域(ひょっとしたらイギリス全土?)のようで、とてもいい動きです。

ひとつここで気がついたのですが、リヴァプールにはウィガンとは比較
にならないほどの数のバンドが活動していますが、それぞれ異なる
オーガナイザーのもとでほそぼそとライブ活動を行っていて、そういえ
ば、こうしたローカルバンドが一気に集結したようなフェスティバルって
ないなあ、ということ。90年代中盤には Sefton Park にて似たような
フェスティバルがあったらしいのですけど。
日本でも浸透している最近のリヴァプールのバンド Zutons 、 Coral 、
Ladytron 、そして La's の再結成などの話題に加え、質・数ともに向上
している現在のリヴァプールのバンドシーンをうまくパッケージするよう
なイベントなりホームページなどができたらいいんだろうなと思います。

リヴァプールは、個々人が新しいものを創りだすことに関してはずば
抜けているのですが、それを効果的にオーガナイズしたりプロモーショ
ンするのがいまひとつで、とってもいいイベントなのに誰も知らなかっ
た、なんてことがよくあり、本当にもったいないことです。
そうした意味でも、今後の Defcon の動きに期待したいです。

そういえば、シティセンターの Church Street でここ数ヶ月にわたって
週末に街頭ライブをしている 747's ( http://www.747s.co.uk ) という
バンドがいて、とっても気になるのですが、情報薄。引き続きサーチし
ていずれお伝えします! 
そして、リヴァプールのバンドときたら忘れちゃいけない、私の元フラッ
トメートのバンド、ETO (「イトー」と読みます。
http://www.etomusic.com )。
以前エルヴィス・コステロのコンサートのサポートもしたこともあるんで
すよ。最近ロンドンに拠点を移しちゃったんですけど、いいバンドなん
です、ホントに。来年あたり日本でのライブも企画中ですので、みなさ
ん今から予習しておいてください!

音楽ネタでもうひとつ。
シネマ・マルチメディアコンプレックス、FACTセンターで、今週の木曜
日にFACT FMという期間限定のインターネット・ラジオのオープニング
がありました。この日はレコーディングブースが設置されて、誰でも
歌って演奏して録音できたのですが、恐るべし3歳半の女の子 Lily
Kehoe による 『Jumping Jack Flash 』 が最高なので要チェック! 
http://www.fact.fm/factfm/indexArchive_www.html?index=348

それではまた来週! 

ウエダミナコ


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