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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ウエダミナコ
             〜 Goldfish Liverpool Update / minako ueda 〜

  ― 連載第19回 / 「 オープンエア・イベント特集 」 ―

NLW 読者の皆さん、こんにちは。
このところ天気のぐずついているリヴァプールですが、先週お伝えしき
れなかった分も含めて、今週はオープンエアイベント特集をお送りしま
す!

まずはクロスビー・ビーチの Antony Gormley の「 Another Place 」展。
といってもこれは、クロスビー・ビーチの海岸沿い1km にわたって、
アーチスト本人を模った100体のオブジェが設置されているというもの。
鋳鉄製で一体650kg のオブジェですが 、地下3m まで掘り下げて基礎
を施していて、ちょっとやそっとの風や潮では動かないガッチリとした
作りです。
これまでドイツ、ノルウェー、ベルギーを巡回してきたそうなのですが、
いったいどうやって運びこんだのか興味深々です。
基本的に同じ形のオブジェなのですが、訪れる人々が頭に海草を乗っ
けたり、バンダナを巻いたり、空のビール缶を持たせたりしているの
で、いいか悪いかは別にして、それぞれのオブジェが異なっても見えま
す。

たったひとつ残念なのは、各オブジェが離れすぎていて、100体という
数を圧倒させるインパクトに欠けること。
それでも、海を臨む不思議な物体は見ものです! 
特に、クロスビーのスポーツセンターを背景にした眺めは、UFO から
出てきた宇宙人みたいで、必見です。

この展示は来年の11月まで続きます。
リヴァプールにお越しの際は、半日、海辺を散歩がてら訪ねてみては
いかがでしょうか?
アクセス方法は、マージーレールの Northern Line の Hall Road
Station 、 Blundellsands & Crosby Station 、 Waterloo Station から、
それぞれ徒歩10分ほどです。
オブジェはかなり沖のほうまで点在していて、中には、見物している間
に潮が満ちて帰ってこられなくなってレスキュー隊に助けられた人もい
たそうです。どうぞ気をつけて。。。

次は、先週の土日にピア・ヘッドにて行われたストリートカルチャー・イ
ベント、 「HUB フェスティバル」。
スケートボード、 BMX 、ブレイク・ダンスのコンテストが行われたり、ラ
イヴァー・ビルディング前の会場一帯を覆う壁に、グラフィティ・アーティ
ストたちがスプレー缶をシャカシャカいわせながら作品づくりに取り組
んでいました。
特に土曜日は天気がよく、ライヴァー・ビルディングと青空を背景に気
持ちよさそうにジャンプする BMX がとっても絵になってました!

水曜日の朝には、クイーン・スクエアの近くで、 European Capital of
Culture の仕掛け人であるカルチャーカンパニー The Business
Improvement District Company による、ストリート・エンターテインメン
ト登録制導入のオープニング・イベントが行われました。
チャーチ・ストリート、マシュー・ストリート、パラダイス・ストリート、ク
イーン・スクエア、ウィリアムソン・スクエアなど、シティセンター内10ヶ所
を指定エリアとし、ホール・オブ・フェイムを思わせるような星のマーク
が目印となっています。

要はストリート・パフォーマーのライセンス制ということで、パフォーマー
は今後、まずツーリスト・インフォメーション・オフィスでの登録が必要に
なります。登録の際には、年間100ポンド相当の公共責任保険に加入
していることが条件です。
一年間有効のこのライセンスを取得したパフォーマーは、指定箇所に
て一回に限り最長2時間まで上演を許可され、そうすることにより観客
がより多くのパフォーマンスを楽しめるようにする、というもの。

市をあげてストリート・パフォーマーを支援しているようにも見えますが、
一部で、本来の流しの大道芸の良さが失われるのではないか、また
は、シティーカウンシルがストリート・パフォーマンスをモニターし、管理
するのはどうか、という懸念の声も上がっています。

この制度の導入によって、純粋にリヴァプールのストリート・カルチャー
が活性化され、これまで以上にあらゆるタイプのパフォーマーの人たち
にチャンスが与えられるものであると願いたいと思います。

余談になりますが、翌日、数名の友人からメールをもらい、「 BBC
North West のニュースに映ってたよ」と指摘され赤面。見たいような見
たくないような。。。

そして、今週末に行われた毎年恒例になっている Brouhaha
International 主催によるストリート・カーニバル。
アングリカン大聖堂からほど近い Caribean Centre からスタートし、プ
リンセス・パークまでのルートでパレードが繰り広げられました。
この日は雨は降らなかったもののグレーな空模様でしたが、それを彩
るかのように、カラフルなコスチュームをまとった各国のストリートパ
フォーマーと、リヴァプールのさまざまな人種のコミュニティグループが
参加。後のニュースによると、15000人が見物したとのことです。

今年は「海の年」ということで、海にちなんだコスチュームがほとんど
で、船のマストをイメージした飾りが多く目につきました。
私はその後マンチェスターにダッシュしなければならなかったので、プ
リンセスパークでの催し物は見られなかったのですが、フラメンコや、
中国の歌劇団からブレイクダンスまで、国際色豊かなダンス、歌など
が披露されたそうです。
その他 Brouhaha 関連イベントは、来週の金曜日までシティセンター
各地で展開されます( www.brouhaha.uk.com )。
 
まだまだ夏のイベントは続きます。8月の終わりにはマシューストリート
フェスティバルも控えてますしね。
日本の夏はいかがでしょうか? 
そろそろ花火大会の季節でしょうか???

それではまた来週!

ウエダミナコ


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