―――――――――――――――――――――――――――――― ▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 ―――――――――――――――――――――――――─ NLW □ 「ゴールドフィッシュだより」 / ウエダミナコ 〜 Goldfish Liverpool Update / minako ueda 〜 ― 連載第33回 / 「師走のリヴァプールより」 ― みなさんこんにちは! ザ・ラトルズのビデオを見ながらレポートを書いております。年の瀬も 近づいていますが、いかがお過ごしでしょうか? こちらもクリスマス・ムードいっぱいで、特に土曜日のシティ・センターは クリスマス・ショッピングをする人々でごったがえしています。 木曜日は Late Night Shopping の日で、お店がなんと8時半まで開い ている! 日本ではこれくらいの時間まで開いているのがフツウです が、こちらは通常5時半で閉まってしまうのでとってもスペシャルなこと なのです。 私もこの週末は喧噪から離れて、クリスマス・カード作りでもしようかと 思います。 クリスマスにちなんだイベントをひとつ。 先週末の日曜日にタウンホール近くで、Santa Dash というイベントが 行われました。 サンタクロースの格好をした人達が4000人以上集まってシティセンター 内5km のコースを走るというチャリティ・マラソン。ランナーがそれぞれ 思い思いのサンタクロースの格好で走っていて、トナカイ姿の子供の 乗った、ソリ型の乳母車を引いて走るサンタ姿のお母さんや、Everton ファンらしい青いサンタクロースまでいていろいろ。 ゴール付近では、人工雪まで舞い散って、すっかりクリスマスといった 雰囲気でした。 しかもこれ、ギネスブック更新を狙ったものでもあるらしいんです。現在 の世界記録保持者が昨年ウェールズのニュータウンで行われたマラソ ンで、その数が3445人ですので、ほぼ確実に記録を破ったと思います が、正式な結果が出るまでは4〜6週間かかるとのことですので、少々 お待ちを。 今週忘れてはならないのが、12月8日のジョン・レノンの命日。私は、 昼間に催された追悼セレモニーを見に行きました。 11時のマシューストリートのジョン・レノンの像の前には、キャンドル、 絵画、花が添えられ、The Beatles Appreciation Society による写真の パネルが設置され、多くの取材陣、海外からのレノン・ファンが集まり ました。 リヴァプール大聖堂の Anthony Hawley 司祭が祈りを捧げ、リヴァ プール市長のアラン・ディーン氏のあいさつがあり、群集の中には 『マージー・ビート』創始者のビル・ハリー氏の姿も見られました。 その後、場所を移してアルバート・ドックのビートルズ・ストーリーにて、 ジョン・レノンへのメッセージを書いたカードを白い風船につけて天国 のジョンに届くように青空へ放たれました。誰からともなく人々は 『 Imagine 』を口ずさみはじめ、なごやかな雰囲気の中でした。 残念ながらその他のイベントには行けませんでしたが、クレイトン・スク エアではジョン・レノンの母校の生徒たちによる合唱、そして盲学校の 生徒たちが手話でビートルズナンバーの披露があったそうです。 夕方には、ピア・ヘッド向かいの St. Nicholas Church にてジョン・レノ ンと深いかかわりの深いゲスト・スピーカーたちが思い出を語ったとき いています。 また、12月14日まで毎日午後4時半から11時まで、George's Dock Building に、ジョン・レノンの映像が写し出されるそうなので、これも必 見ですね。 25回忌ということもあり、ジョン・レノンの命日については新聞、テレビ などでも多く取り上げられていました。日本ではどんなだったのでしょう か。 今週行なわれたギャラリーのオープニングは、私の大好きなサウス ポート出身のア−ティスト、Craig Atkinson の『 Please Hold the Line 』 展。去年の Liverpool Biennial の時に、プリンセス・ドックにあった Loop Gallery で『 Ten 』という10人の抽象画家のグループ展が行なわ れたときに、White Painting というシリーズが展示されていて、何層に も分厚く白く塗りたくられた作品に惹かれるものがありました。 アーティスト・トークで、「無心に塗りたくって完成したキャンバスを見る と、ひと塗りひと塗り過去の痕跡が今をつくっているんだ思うと、下の 層からにじみ出た油のシミや、表面にできたひび割れもいとおしく感じ る、そうした過去の痕跡が今をつくっているんだなあと思う」と言ってい たのが印象的でした。 今回の個展では、Whilte Painting シリーズの他、思わずクスッと微笑 ませるような、Craig のユーモアと愛情の溢れる最新のペインティング、 ライン・ドローイング、コラージュの数々が展示されています。作品を見 ていると、本当にこのヒトは絵を描くことが好きで好きでやめられない ヒトなんだなあと感じます。 展示中の作品のほどんどが、ホームページでも見ることができます。 ホームページ:http://www.craigatkinson.co.uk また、『 Book 1 』という本が出版されました。100冊限定で、それぞれ に異なる Craig のいたずら書きつき。私が購入したのは、縁起のいい 88番でした。 サインをお願いしたら、「ミナコへ。僕の本にムダ金を費やしてくれてあ りがとう! Best wishes Craig 」とメッセージを書いてくれて笑えました。 写真は、Craig とガールフレンドの Joanne 。彼女のポートレートもホー ムページ、そして『 Book 1 』に載っています。探してみてください! この展覧会は、Liverpool Hope University の The Cornerstone Gallery にて、1月13日まで開催されます。 < The Cornerstone Gallery > Hope at Everton, 1 Haigh Street, Liverpool L3 8QB 電話番号:0151 291 3997 ホームページ:http://www.hope.ac.uk/cornerstonegallery それではまた来週! ウエダミナコ (この連載に関連する写真は、ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュ だより」ページに掲載しています。 http://scousehouse.net/magazine/goldfish33_photo.htm ) ―――――――――――――――――――――――――――――― |