――――――――――――――――――――――――――――――
▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

「ゴールドフィッシュだより」 / ウエダミナコ
             〜 Goldfish Liverpool Update / minako ueda 〜

  ― 連載第36回 / 「 バック・トゥ・ライフ 」 ― 

みなさんこんにちは。
まったりとしたクリスマス、正月ムードはどこへやら、徐々に活気のあ
るリヴァプールが戻ってきています。
2008年に向けて再開発が進んでいるリヴァプールで、BigDig(道路の
舗装工事)や新築ビルの建設、古い建物の改装などがあちこちで行
われていることは何度か触れてきました。

シティセンターのホワイトチャペル(チャーチ・ストリートと交差し、
'Cavern Quarter' の入り口がある通りです)では、今年の春に新しく
オープンするショッピングセンター 'Met Quarter' の建設が進んでいま
す。この周囲150m に、Liverpool John Moores University の学生によ
る作品が飾られ、そのお披露目会が木曜の朝にありました。
無機質な工事現場がパブリックアートというかたちで明るくラッピングさ
れて、 通りかかる人々の目を和ませるとともに、若いアーティストに
とってもより多くの人々に作品に触れてもらう機会ができたことは、と
てもいいことですね。

ホワイトチャペルといえば、大事なお知らせがあります!
Queens Square のバスターミナルに隣接した、おなじみの Tourist
Information Centre ですが、1月いっぱいでクローズし、これまでのイ
ンフォメーション・センターとしての機能、各種ツアー、ホテルの予約
は、2月1日から、ホワイトチャペルの '08 Place'(オー・エイト・プレイ
ス)に移ります。リヴァプールにちなんだ、ビートルズ、 サッカー、
08グッズなども引き続きここで購入可能です。


 < 08 Place (オー・エイト・プレイス)>
  36-38 Whitechapel, Liverpool, L1 6DZ
  電話番号: 0151 233 3000 (リヴァプール・ダイレクト)
  営業時間: 月曜〜土曜 …午前9時〜午後6時
         日曜日…午前11時〜午後4時

同じく木曜日の夕方に、ホープ・ストリートにある The Casa Bistro に
て、Tabitha Jussa による写真展、'Turning Tides - A Study of Life on
the River Mersey' が行われました。これは、Capital of Culture の仕
掛人であるカルチャー・カンパニー主催の 'Around the City in 80
days' というプロジェクトの一環です。
Tabitha はウェールズ生まれでリヴァプール在住のアーティスト。今回
の展覧会は、マージー川に深くかかわった人々とその生活、ドックの
風景をテーマにした写真が展示されています。

会場となった The Casa ですが、ここもマージー川との密接なつながりが
あります。95年のストライキで、ドッカー(港湾労働者)の組合員500名が
不本意にも全員職を失いました。その後850日にわたる闘争のあと、職
場復帰はかないませんでしたが、ドッカー達は、このときに受け取った解
雇金でバー&ビストロ、The Casa をオープンし、現在もドッカー達の集い
の場であるだけでなく、コミュニティー向けにバンドなどのパフォーマン
ス、ミーティング、ギャラリースペースとして開放しています。

以前からTabithaの作品を見てきましたが、いつも色使いのセンスが
良くて、モチーフの形状や柄を切り取った、アブストラクトにも近い写真
のスタイルが好きでした。
今回の作品では、その良さはそのままに、人々、風景のとってもいい
表情をキャッチしています。かつての作風がどちらかというと客観的
だったのに対して、このテーマと出会った人々に対して感じたエキサイ
トメントやセンチメントが Tabitha の心を動かして、より深く被写体の中
に入りこんでいるような気がします。

スカウスハウスのサイトに、この展覧会で写した写真を3枚紹介してい
ます。
まず、作品 'the water front by night' 。
そして写真家 Tabitha と、モデルとなった Gabriel Muies さん(コミュニ
ティ活動家、元キャプテンズ・タイガー 注: Captain's Tiger は船のキャ
プテンに給仕する人)。
もう1枚は、作品 'Irish Immigrant' と Tabitha の旦那さん Jah 。作品の
モデルは Jah のお母さんです。Jah は、展覧会で上映しているビデオ
撮影を担当しています。

'Turning Tides' 展は、2月16日まで続きます。

 < The Casa >
  29 Hope Street,
  電話番号: 0151 709 2148
  http://initfactory.gn.apc.org/casa/home.htm


その後、'Barfly' (バーフライ)というライブハウスに立ち寄りました。
Liverpool Music Week のオーガナイザーでもある、リヴァプール在住ノ
ルウェー人の Kaya が主催する、'Northern Nights
( http://www.northern-nights.info )' というライブイベント。毎週木曜
日に行なわれています。この日はちょうど2周年記念ということで、ハッ
ピーバースデーのバナーが貼られてました。
個人的に当たりだったのが、Eugene McGuiness 。アコギ一本で歌う、
若い街の吟遊詩人のようです。ライブのあとにCDをもらいました。ホー
ムページがあるかどうか聞いてみたら、あっさり「ないよ〜」と言われた
のですが、Ragtime Unsigned Music というホームページ
( http://www.ragtime.com/music/artists.php?mode=artist&artist=285 )
にプロフィールとダウンロード可能な音源がありましたので是非チェッ
クしてみてください。でももらったCDにはもっといい曲がたくさん入って
いるので気になる方はお知らせください!

Barfly ですが、話題のインディーバンドやブレイク前のバンドなど多く
のライブがラインナップされているライブハウスです。要チェック!
 
 < Barfly Liverpool >
  90 Seel Street, Liverpool L1 4BH
  電話番号: 0970 907 0999
  ホームページ:
         http://www.barflyclub.com/whatson/default.asp?vn=5


週末は、天気予報が見事にはずれて天気がすこぶる良かったので、
電車に乗ってクロスビーまで行ってきました。
スカウスハウスでも何度か紹介されているブランデルサンズB&Bや、
以前のゴールドフィッシュだよりでもお伝えした、アントニー・ゴーム
リーの100体のオブジェのビーチのある、クロスビーです。

Mersey View という通りに10月にオープンした 'Almiro Gallery' に立ち
寄りました。Alan & Michelle さんというとっても感じのいいご夫婦が経
営するギャラリーで、ローカルアーティストの絵画を中心に展示されて
います。2階には 'Mersey Sound' というレコーディングスタジオもあり
ます。
写真は、左から Michelle 、Roy(アーティスト)、Alan そして Shay 君
です。クロスビービーチに向かう途中に立ち寄ってみて下さい!

 < Almiro Gallery >
  45 Mersey View, Waterloo, Liverpool L22 6QA
  電話番号: 0845 230 0043
  ホームページ: http://www.almirogallery.com
  オープン: 木&金曜日…午前11時〜午後7時
         土&日曜日…正午〜午後6時

それではまた来週!

ウエダミナコ


(この連載に関連する写真は、ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュ
だより」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/magazine/goldfish36_photo.htm )


――――――――――――――――――――――――――――――