April 15 2008, No.340
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2008年4月15日>
 ▽寄稿:「Footballの旅」
 ▼ゴールドフィッシュだより <No.125>
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

先週のチャンピオンズ・リーグ準々決勝、観ました?
もうほんと、すごいというか、とんでもない試合になりましたね。フット
ボールの醍醐味というか、ワクワク、ドキドキが満載の、すんばらしい
ゲームでした。
終了6分前に天国から地獄に真っ逆さまに落とされたと思ったら、わず
か1分後にまた天国に呼び戻されて…実に心臓に負担のかかる、でも
最高に気持ちのいい体験となりました。アーセナルのファンのかたは、
その真反対だったでしょうが…すみませんね。

この試合、スターティング・ラインナップを見て驚かれた方もいることと
思います。
この大一番にラファは、トーレスとクラウチを2トップでぶつけて来たの
です。
慣れ親しんだいつもの「4-2-3-1」をあっさり捨て、いきなり「4-4-2」の
フォーメーションにチェンジです。
びっくりしたけど、やっぱりラファらしいなあと思いました。

ラファはこの試合の2日前、ファンに「辛抱してほしい」と言いました。
「ホームだからガンガン攻めろとみんな言うだろうが、アーセナルは強
い。ミランとの対戦でも分かるように、敵地でも勝つことのできるチー
ムだ。だから我々はいくらホームでも用心する必要がある。サポーター
のみんなには、スタジアムを素晴らしい雰囲気にして後押ししてもらい
たい。同時に、いくらかの辛抱もお願いしたい」

つまりラファは、「安全第一で守備的に戦うかもしれないけど我慢して
ね」と言っていたのです。2日前に。
しかし蓋を開けてみると…安全第一どころか、「今日は攻めまっせー」
と言わんばかりの布陣です。
そうです、その「辛抱」がいちばんできなかったのがラファ本人なんです
よね。
「アウェイで2つも守り重視の試合をしたんやからもうじゅうぶんや、ア
ウェイゴールを取られてもかまへんかまへん、それ以上に取ったったら
ええんじゃ、気合い入れて行くでえ」
…とまあ、そんなふうなメッセージを、僕はこの布陣から感じました。

案の定というか、スタートは最悪で、いきなりアーセナルに攻め込まれ
て早々と1点を献上。しかし時間が経つにつれて全体のバランスが安
定し、前半の真ん中くらいからはすっかりリヴァプール・ペースになりま
した。もうほんと、観ていて楽しくなるフットボールでした。

この試合のために、スカウス・ハウスでは取材チームを急遽編成し、
アンフィールドに送り込みました。
マッチ・レポートを連載「Footballの旅」でおなじみの下村えりさんに、そ
して写真撮影をアーティストのスー・ミルバーンさん(こちらもおなじみで
すね)にお願いしたのです。
えりさんのレポートは今週号に掲載しています。スーさんの写真は、今
週の「NLW フォト・アルバム」ページに掲載しています(えりさんの写真
もいくつかあります)。どちらも、こちらの期待通り、いや、期待以上の
素晴らしい出来です。ぜひご覧ください!
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo340.html 

● ● ●

喜びに沸いたのもつかの間、来週からはチャンピオンズ・リーグの準
決勝が始まります。
スカウス・ハウスでは、4月22日にアンフィールドで行われる《リヴァ
プールvsチェルシー》、4月29日にオールド・トラフォードで行われる《マ
ンチェスター・ユナイテッドvsバルセロナ》の観戦チケットの予約を受け
付けています。
ご希望の方は、info@scousehouse.net までお問い合わせください(件
名は「CLチケット問い合わせ」でお願いします)。折り返し詳細をご案内
いたします。お早めに!

● ● ●

通販のお知らせです。
CL準々決勝<LFC vs Arsenal>を記念して製作されたスカーフ(マフ
ラー)が新しく入荷しました。
両チームの名前とエンブレムが半分ずつデザインされ、試合の日付と
スタジアム名が入っています。
LFCグッズ通販のラインナップに追加しています。オーダーをいただけ
るとうれしいです!
http://scousehouse.net/shop/lfcgoods2008_02.html

                           ― Kaz(15/04/2008)


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▼リヴァプール・ニュース <2008年4月15日>
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*** 4月15日(火) *******************************

【ラファ、CL準々決勝について語る】
4月8日、UEFAチャンピオンズ・リーグ準々決勝<リヴァプールvsアー
セナル>の第2戦が、リヴァプールのホーム・アンフィールドで行われま
した。
結果は4−2でリヴァプールが勝ち、2年連続での準決勝進出となりま
した。
試合の3日後、監督のラファエル・ベニテスがクラブの公式サイトのイ
ンタヴューに答えています。抜粋して紹介します。

あの火曜日の夜から時間が経ちましたが、もう落ち着きました?
―― イエス。あの試合はみんなが楽しんだと思う。試合の後の時間も
ね。しかし我々はもう次の試合のことを考えなくてはならない。ブラック
バーン戦の準備をしているところだ。

再びセミファイナルに駒を進めました。どんな気分ですか?
―― とても嬉しいね。とてもハッピーだ。このチームをほんとうに誇り
に思う。選手たちの仕事ぶりも、スタジアムの雰囲気、実にもアメイジ
ングだった。

最初の20分は苦労しましたね。原因は何だったのでしょうか?
―― 相手がハイテンポでプレイして来たからだ。ウチは3度か4度ボ
ールを奪われたし、いくつかのミスもしてしまった。向こうはボールを素
早く動かして攻め続けて来た。しかしその時間帯をやり過ごした後の
前半の残り、そして後半の我々は上出来だったと思う。相手を上回っ
ていた。最初の20分は私にも予想外の展開だったが、その後はうまく
やれたと思うよ。

チームのパフォーマンスではどの点を最も評価しますか?
―― 我々は自信を持って臨んだ。必ず勝ち抜けると信じていた。それ
が重要なキーだったと思う。1点目が入ったところで選手たちはいつも
どおりのプレイを取り戻したが、自信の方はいつも以上だったよ。サミ
がゴールを決めてからのボールの運び方でわかってもらえたと思うけ
どね。

アデバヨールが同点弾を押し込んだ時、何を考えました? リヴァプー
ルの敗退が頭をよぎりませんでした?
―― 解決策を考えていたな。ヴォローニンを投入してよりオフェンシヴ
にしようというようなことをね。しかしその時間はあまりなかった。すぐに
ペナルティになったから。

スティーヴン・ジェラードが決めてくれると確信していましたか?
―― トレーニングで何人かの選手がペナルティの練習をしていたん
だ。とてもいい感じだった。だから私も自信を持っていた。ライアンは
持前のスピードと技術で、ゲームを決める能力を見せてくれたね。いろ
んな人が私に、あのゲームをエンジョイできたかって聞いてくるんだが、
そうだな、最後の2分間は私もエンジョイできたよ。

シャビ・アロンソは、あの夜のアンフィールドでの体験は自分にとっての
ベスト3に入ると言っています。あなたにとってはいかがでしょう?
―― 最高の部類に入ると私も思う。オリンピアコスとのゲームや、チェ
ルシーとの2度の準決勝を思い出したよ。しかし今回は何もかもがほ
んとうにアメイジングだった。

次はチェルシーですね。アーセナルとは違った形での戦いになるでしょ
うか?
―― 違うだろうね。チェルシーはバランスのいいチームだ。アタックは
いいし、ディフェンスは強い。フィジカルも強い。タフなゲームになるだろ
う。お互いを知り尽くしている者同士の対戦だから、どっちにとっても難
しい戦いになるはずだ。

今回はセカンド・レグをスタンフォード・ブリッジで戦うことになりますね。
不利だと感じますか?
―― 確かに、アンフィールドで2戦目を戦えれば、かなり違ってくるだ
ろう。それはそうだ。でも第1戦はアンフィールドでやるわけだから。

ドログバやランパード、テリーといった選手らは、2005年と2007年のリ
ヴェンジに燃えて立ち向かって来るでしょうね。ゲームの行方にインパ
クトを与えると思いますか?
―― そうならないといいね。彼らは確実にそういう気持ちで臨んで来る
だろうが、今回も我々は勝つつもりだし、またファイナルに行きたいと
思っている。

チェルシーとの準決勝は、第1戦はアンフィールドで4月22日に、第2
戦は30日にロンドンのスタンフォード・ブリッジで行われます。


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▽寄稿:「Footballの旅」
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「Footballの旅」 / 下村 えり(Eri Shimomura)

 〜 Vol.12 UEFA Champions League, Quarter Final, Second Leg
                 - Liverpool VS Arsenal, 08 April 2008 〜

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo340.html ≫

【Introduction:はじめに】
リバプールでは先週末(4月5日土曜日)、毎年恒例の《グランドナショ
ナル》がエイントリー競馬場で開催されました。
最高の小春日和の中、40頭中14頭が完走するという素晴らしいレース
でした。ちなみに、わたしの賭けたお馬ちゃんも見事に入賞。しっかし、
スペンディングが£5で、戻ってきたのは£5.50。ほとんど損得なし…。
ん〜、やはりギャンブルは楽しむためのオプションで、儲けることは考
えないほうがよさそうですね!(笑)

FA Cupも同じくこの週末に準決勝を無事終え、新ウェンブリーでの5月
17日決勝を待つのみとなりました。
勝ち残ったのは、プレミアリーグのポーツマスと、1リーグ下のチャンピ
オンシップのチーム、カーディフ。今年は準決勝に残った4チームうち、
プレミアリーグはたった1チームだけというビッグサプライズ! 
その唯一のプレミアチームであるハリー・レッドナップ率いるポーツマス
は、FA Cupの決勝に進むのは1939年以来のことで、なんとほとんど70
年ぶりの快挙。
決勝もまたまた熱戦が予想されます。

さて、そんな中で行われたリバプールとアーセナルのチャンピオンズ・
リーグ(CL)準々決勝戦。私自身、久しぶりのアンフィールドそしてチャ
ンピオンズ・リーグのレポートに心躍っています。どうぞしばらくの間、
スーさんの素晴らしい写真
( http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo340.html )と共にお付き
合いください。

【Anfield:アンフィールド】
スカウスハウスで最初にレビューを担当したのが、3年前のこのアン
フィールドでしかもチャンピオンズ・リーグだった。あの時は大雨で最高
に寒かったのを覚えている。
今日も朝はあいにくの雨だったが、早いうちに上がり、夕刻にはすがす
がしい晴天となった。この時期にしては多少寒さは気になるものの、
フットボール観戦には最高の日和になった。

試合は19時45分始まりで、わたしが到着してから1時間の余裕があっ
た。いつものようにアンフィールの周囲を探索してみよう。
先々週末に夏時間になったイギリスは、7時近くというのにまだまだ明
るい。何時もに増しての人ごみ、パブの出入りも忙しく、チップス屋さん
も商売繁盛。そしてスチュワート(警備員)、ポリース(警察官)の姿も多
く目立つ。
人々は陽気で、スペインの国旗を体に巻きつけた人たちや、北ロンド
ンからやってきたと見えるArsenalのサポーター達もビル・シャンクリー
の銅像前で記念撮影。…とみると、いかにもイギリス人、シャッター押
しを警察官にお願いしている。思わず「おいおい」とツッコミたくなった
が、当の警察官は快く応じていた。やはりこちらもイギリス人…。

新スタジアムは来年中には着工になるだろう。すぐ近くの引っ越しとは
いえ、100年以上の歴史を持ち、長年の汗と涙がしみ込んだ舞台アン
フィールドを去ることは、やはりスカウサー達にとっては複雑な心境に
違いない。

スタジアムの中に入る。わたしの席はなんとパドックの前方2列目。今
までとは又違った感覚を味わえるのではないかと、胸もはずむ。
前の通路には、ちびっ子や若者達が、選手達のウォーミングアップを
カメラに収めようと集まっている。スチュワートの警備員の注意などこ
吹く風。わたしも負けじとカメラを向けるが、シャッターチャンスのタイミ
ングがなかなか難しい。まあ今回はスーさんが素晴らしい写真を撮っ
て下さるので、私としてはリラックスして観戦出来そうである。

さて、試合に入る前に第1戦の模様を簡単に振り返り、両監督の今回
の試合に臨む意気込みをレポートしよう。

【Preview:第1戦を終えて&今回の見所】
リーグ戦を含めて、この1週間で3度もArsenalと対戦することになった
Liverpoolだが、2戦を終えて共に引き分けに終わっている。
Liverpoolとしてはどちらのドローゲームもまずまずの結果で、決して悪
くはない。特にリーグ戦の引き分けは、辛うじて優勝争いに可能性を
残していたArsenalの望みを打ち砕く結果となった。
ロンドンでのCL準々決勝第1戦においては、攻め続けるArsenalに対し
て、ほとんどチャンスを作れなかったにも拘わらず、結局アウェイでの
Kuytの1ゴールを奪い、やや優位に立つことになった。

ラファエル・ベニテス監督も勝負はまだ未だ判らないとは話すものの、
第1戦の後、
「プレミアリーグの試合結果は全く別もので、その結果が次の試合に
影響するとは思わない。アーセナルは優れたインターナショナルな選
手を揃えているし、スピードとカウンターアタックを得意とする素晴らし
いチームなので、次回の試合もとても厳しいものになるだろう。だが、
次はホームAnfieldでの試合。サポーターを見方につけることができる。
そういう意味では、好位置につけたと言えるだろう」
と、やや満足そうなインタビューを残している。

またLiverpoolとしては、UEFAチャンピオンズリーグにおいて、これまで
準々決勝に11度進出し、8勝をマークするという素晴らしい記録を保持
している。
今回もイタリアン・チャンピオン、FCインテル・ミラノを下してベスト8に
残ったリバプール は、イングランド勢を特別意識する必要もないよう
だ。

方や、対戦相手のArsenalだが、2日の試合前は、
「何の大会であろうと、自分達に倒せないチームなどないと信じている」
と強気で語ってたアーセン・ベンゲル監督だったが、試合後のインタ
ビューでは、
「今日の試合は内容に見合う結果ではなかった」
と、ドローの結果に失望したコメントを残していた。

確かに、終始押し気味でチャンスも多く作ったArsenalだったが、点に
結びついたのは試合開始23分のエマニュエル・アデバヨルによる先制
ゴールのみ。
Liverpoolにチャンスを殆ど与えなかったが、たった1回のチャンスを得
点につなげられてしまったのだから、悔しさはつのるはずだ。

4年前のCL準々決勝では、同じくイングランド勢対決となったチェル
シーFC戦に敗れ、苦い経験を味わったArsenal。
第1戦での屈辱を挽回する為、どの様な戦術でCLの強者でもある
Liverpoolに向かうのだろうか。今日こそは想像も付かない結果が待ち
受けてる気がしてならない。

【Kick Off:試合開始】
両選手達が入場しいよいよ試合という時、何時もの儀式がLiverpoolサ
ポーターによって始まった。応援歌<You'll Never Walk Alone>だ。ス
カーフを両手で掲げて、国歌でも賛唱するかの如くスタジアム中に響き
渡る。いつ聞いても、心に響くものがあり、ここはAnfieldなんだと改めて
思う。

<前半>
試合は1分間の黙祷のあと、定時にArsenalのキックに始まった。
第1戦を1−1とし、多少有利に立つリバプールだが、最初から硬さが
みられる。序盤はArsenalが好調なスタートを切った。
Arsenalならではの美しく早いテンポのパスワークが披露され、
Liverpoolファンに見せ付けてるかの様。Adebayor(FW)を中心に前に
出ようとするが、オフサイドで上手く繋がらない。
Liverpoolはミッドフィールドでのミスパスが目立ち、自分たちのボール
にすることさえままならない。

そして試合開始13分、マイペースで常に押しぎみだったArsenalにチャ
ンスがやってきた。Hleb(MF)からのパスを受けたAbou Diaby(FW)が
ゴール前を横切り、右サイドでいきなりシュート。
Pepe Reina(GK)によって止められたかの様に見えたが、Reinaの足元
に当り、跳ねたボールはネットに収まった。0−1。
あれだけ湧いていた歓声が一瞬静まり、反対にアンフィールド・ロード
(アウェイ)側は興奮の渦となった。

この先制点はArsenalに更にエネルギーを与え、Liverpool陣営は疲れ
てきたかのようにみえたが、Kop Standを中心にAnfieldの歓声はボル
テージを上げ、自分たちのチームを後押しした。
そして前半30分を終えたところで、Liverpoolに同点のチャンスが訪れ
る。
LiverpoolのHyypia(DF)がArsenalのSenderos(DF)のマークを外した
瞬間、Gerrard(MF)がコーナーキック。Hyypiaが上手く頭で合わせた
シュートは、GKの後ろに控えていたArsenalのFabregas(MF)のジャン
プも及ばず、ゴールポストを叩いてネットに突き刺さった。1−1。
Anfieldはさらなる歓声に沸く。Liverpoolは水を得た魚のように自信を
取り戻し、1−1で前半を終了。希望を持って後半へ望む。

<後半>
勢いづいたLiverpoolは、Rafa Benitez監督の起用に応えるように、珍
しく併用されたフォワードの2人CrouchとTorresが良いコンビネーション
を見せ、前へ前へと展開されていく。
40〜50分台にはCrouchの弾丸ショットが何度かArsenalゴールを襲う
が、キーパーやディフェンダーにより上手くセーブされる。
62分にはArsenalがコーナーからEmmanuel Eboue(MF)がシュートを打
つがサイドネットに嵌ってゴールにはならなかった。

試合開始69分、Liverpoolにチャンスが巡って来た。
Pepe ReinaからのロングボールをCrouchが頭で上手く受けて、Torres
にパス。パスを受けたTorresは美しく身を翻し、シュート。Redsの2点目
が入る。2−1。
Torresならではの素晴らしいフィニッシュ! 彼のゴールは、何時見て
も気持ちがいい。

Liverpoolにリードを奪われ、冷静だったArsenalにも焦りが見えてきた。
Eboueのクロスを受けて、Adebayorがゴールを目指すが、わずかにオ
フサイドの旗が揚がる。
73分にはWenger監督が動いた。Eboueをイングランド若手代表Theo
Walcott(MF)に、DiabyをRobin van Persie(MF)に交代。切り札を投入
して、何としても1点をもぎ取る執念を見せる。

そしてLiverpoolが2−1で逃げ切れるかと思った終盤残り6分、イング
ランドのホープWalcottが、風を切るかのような俊足ドリブルでピッチの
端から端へと駆け上がった。Liverpoolのディフェンス陣は、次から次へ
と振り切られる。4人を抜いてあっという間にペナルティエリアに達した
Walcottから、ゴール前で待ち受けるAdebayorにパスへと渡ると、素晴
らしいゴールが決まった。2−2。
一瞬一体何が起きたのか…。とにかく、鮮やか過ぎるカウンターアタッ
クでのゴールに、私も、Liverpoolのファンも空いた口が塞がらない状
態。

これで合計スコアは3−3。しかしアウェイゴール・ルールにより、準決
勝に進むのはArsenalとなる。
Anfieldの観衆もさすがにショックは隠せない様子だったが、直ぐに気を
取り直して、更なる応援に身を投じた。素晴らしい…。これが、Benitez
監督の賞賛する「Liverpool FCの最大の武器」なんだと、あらためて実
感した。
これは、Anfieldでこのバックグラウンドの凄さを体験したものにだけし
か判らない、凄さなのだ。普通の応援団とはスケールが違う。まさに驚
異的な、ソウルフルなものを感じるのは私だけだろうか。

そして、それに答えるかの様に、Anfieldにまたしても奇跡が起きる。し
かも、Arsenalのファンタスティックなゴールのわずか1分後(85分)のこ
とだった。
Liverpoolのペナルティーエリアで、LiverpoolのBabel(FW)にArsenalの
Toure(DF)が不器用な形で重なり合ったと思うと、Babelがバランスを
崩し、ピッチに倒れた。
「ペナルティー!」
Anfieldは狂喜に沸きあがり、ゴール前に立つLiverpool主将Steven
Gerrard(MF)に全観衆が注目する。
Kopを前に、ゴール左隅を目掛けて思いきり蹴ったボールは、キー
パーAlmuniaの伸ばす手をすり抜けてネットに収まった。3−2。お見
事! 
これでGerrardは、Liverpoolの選手としてチャンピオンズリーグにおい
てPKで4度もゴールを決めた選手となる。

その後のロスタイムにも、今日のLucky Boyとも言えるBabelがArsenal
ディフェンダーのクリアボールを上手く拾って爽快にドリブルシュート。
4−2。決定的なダメ押しが加算された。

【End:試合終了】
ブレスレスとも言える速い展開。実にドラマティックな準々決勝2戦目と
なった。
序盤あまり良い動きの無かったLiverpoolが、30分のHyypiaの同点
ゴールから自信をとり戻し、勢いに乗った。更にAnfieldの不思議な
オーラも加担して、気が付くと4−2で勝利を掴んでいたという感じがす
る。

帰りの電車の中では、Liverpoolサポーター達が自慢話に花を咲かせ
ていた。皆最後には決まって、
「決勝はマンチェスターUtdとやってコテンパンに叩きたい」
と言う。でも、そんな話はまだ早いのではなかろうか? 
Liverpoolの準決勝の相手は好調なChelsea。
今度はAnfieldでの試合が先で、2試合目を敵地Stanford Bridgeで戦う
ことになる。いったい、どんな試合が展開されるのか。厳しい戦いであ
ることは間違いないだろう。

しかし今日のような試合を見せられると、熱狂的サポーターならずとも、
決勝の地・モスクワのスタジアムは、もうそんなに遠くないような気がし
てくる。

(Fin)

≪マッチ・データ≫

 LIVERPOOL 4 - 2 ARSENAL
  Anfield, Tuesday 08 April 2008 19:45,
  UEFA Champions League, Quarter Final, Second Leg

            リバプール     アーセナル
 ゴール         4          2(Diaby、Adebayor)
       (Hyypia30、Torres69)
       (Gerrard85(Pen)、Babel90+2)
 ターゲットショット   4          4
 コーナーキック    5          2
 ファール        11           9
 オフサイド       4           4
 イエローカード   0           2(Senderos、Toure)
 レッドカード      0          0
 ポゼッション     51%        49%

 Team Line-ups
 Liverpool: Reina, Carragher, Skrtel, Hyypia, Aurelio, Gerrard, Alonso,
  Mascherano, Kuyt (Arbeloa 90), Torres (Riise 87),
  Crouch (Babel 78).
 Subs Not Used: Itandje, Voronin, Benayoun, Lucas.

 Arsenal: Almunia, Toure, Gallas, Senderos, Clichy,
  Eboue (Walcott 72), Flamini (Silva 42), Fabregas,
  Diaby (Van Persie 72), Hleb, Adebayor.
 Subs Not Used: Lehmann, Song Billong, Bendtner, Justin Hoyte.

 Attendance(観客数): 41,985.

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo340.html ≫


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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第125号 / 高いところが好き&アート? 図書館? ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish125_photo.html ≫

こんにちは。
煙となんとかは高いところが好きと言われても構いません、私は高い
所からの眺めが大好きです。イギリスにいるとなかなかチャンスがな
いのですが、今週はリヴァプールの眺めのいい高いところ2ヵ所に行っ
てきました。

まずは、Beecham West Towerの34階に今年2月1日にオープンした
<Panoramic>。
地上300フィート(=91.44メートル)の高度にあるこのレストラン&バー
は、イギリスで最も高いところに位置するレストランとのこと。でも、た
だ意味もなく高いだけではありません。
リヴァプールのウォーターフロントや大聖堂などが一望できる絶好の
立地条件で、しかも、晴れていればマンチェスターまで見え、曇ってい
てもウェールズの山々が見られます。夜景も素敵そうです。

バー・ラウンジに着席すると、メニューと一緒に肉厚なオリーブと日本
風のあられが差し出されます。
コーヒー又は紅茶が£3.90、リヴァプールの相場よりも跳ね上がります
が、クリーミーなチョコレートトリュフとマカロンのスウィーツ付きです。
他のドリンクは、普通のバーと変わらない値段設定でした。お茶又は
飲みに行くだけでも歓迎のようです。

バーフードは、£8.50のフムス、ピタパン、ボッコチーニ&スロー・ロー
ストトマトのプレートから、£65のキャヴィアとブリニのプレートまでいろ
いろ。
レストランのランチは3コース・セットで£17.50、ディナーはアラカルトメ
ニューになっています。

ライヴァー・ビルディングを見下ろす風景やイギリスならではの目まぐ
るしく変わる空模様を楽しめる新スポットです!
 
 <Panoramic(パノラミック)>
  住所:34th Floor, West Tower, Brook Street, Liverpool
     (Daily Post & Echoの本社のあるOld Hall Streetのすぐ近く)
  電話:0151-236-5534
  営業時間:(バー)11.00am〜late ※バーフードは6pmまで。
        (ランチ)12.00pm〜2.30pm
        (ディナー)6.00pm〜10.00pm
         ※お食事は電話での事前予約をお勧めします。
  ドレスコード:スマートカジュアル(男性はジャケット着用が好ましい)
  ホームページ: http://www.panoramicliverpool.com

♪ ♪ ♪

同じ日の夕暮れ時に、リヴァプール大聖堂へ。
<European Capital of Culture>オフィシャル・イベントのひとつ、
dreamthinkspeak主催による《One Step Forward One Step Back》を見
に行きました。
このパフォーマンスは所要時間約1時間。着席して鑑賞するのではな
く、普段は一般公開されていない隠れた通路や階段を歩きながらス
トーリーを追って行きます。
コンセプトは、ダンテの『神曲/天国編』と詩人ウィリアム・ブレイクの
長編詩『ミルトン』の序詩である『エルサレム』からインスピレーションを
受け、「精神世界から消費社会にとって変わられた現代においてのパ
ラダイスとは何か」を問いかけるというものです。

道中、随所にパフォーマンスや、意外性に富んだ舞台セット、美しいラ
ンドスケープ、音楽、映像など、シュールな演出が散りばめられていま
す。
大聖堂の屋上もルートに含まれているのですが、通常は日中しか上
がれない地上101メートルの展望台からの夕暮れ又は夜景を楽しむだ
けでも価値ありです。
あまり細かく描写しすぎるとネタバレしてしまって、見に行く方のお楽し
みがなくなってしまうので控えておきますが、とにかくマジカルな異世界
に連れていってくれることは間違いありません。

このパフォーマンスは、5月10日までの月曜日から土曜日、7.00pm〜
9.00pmの間に、5分おきに開催されます。
1回のパフォーマンスにつき観客は最大6人まで。小グループ制でまわ
ります。年齢制限あり(12歳以上のみOK)。高所恐怖症の方は注意!
チケットは、£12(一般)、£8(08カード保持者、学生向け割引料金)。
予約は、リヴァプール大聖堂ボックスオフィスから。
 電話:0844 8000 400(毎日午前9〜午後9時まで予約受付)
 又は、観光インフォメーション・センター<08 Place>でも購入可能です。
 詳しくは、Liverpool08ウェブサイトから。
  http://www.liverpool08.com/events/event_details.asp?dms_id=181851 

♪ ♪ ♪

地上に舞い降りて、68 Hope Streetの話題。
アルバート・ドックに設立した<Site Gallery>が拠点を移して、Liverpool
John Moores大学の一部であるLiverpool School of Art & Designの校
舎の地上階スペースに再オープンしました。
そのスタートを飾る展覧会は、《Martha Rosler Library》展。ニューヨー
クからヨーロッパ各地を巡回してリヴァプールにやってきました。

Martha Roslerは、ニューヨーク出身。日常生活と社会に注目し、型に
はまらない様々な表現方法を駆使するリヴィングアーティストです。
今回のインスタレーションは、名前の通り「ライブラリー」で、Martha
Rosler 個人の所有する7700冊もの本のコレクションが展示されていま
す。
本の貸し出しはできませんが、閲覧は可能で、コピー機も設置されて
いるので、記念に印象に残ったページを複写するのもいいかもしれま
せん。
ジャンルも芸術、社会、経済、政治、戦争、フェミニズム、文学、SF、
児童書、辞書、地図、作家本人の著書などなど非常に幅広く、じっくり
眺めているうちに、きっとアーティストの人物像が見えてくるのではない
かと思います。

68 Hope Streetのこの校舎は、Liverpool School of Artとして1883年に
建てられました。
John LennonやStuart Sutcliffeが通ったことでも知られていますが、こ
の建物は今年いっぱいでアートスクールとしての歴史の幕を閉じ、キャ
ンパスはメトロポリタン大聖堂のとなりに建設中の<The Design
Academy>に拠点を移される予定です。

この「ライブラリー」はアートなのか? と考えてみるもよし、ひたすら書
籍をむさぼり読むもよし、ビートルズのメンバーの足跡を追ってみるも
よし。
せっかくギャラリーという形で一部一般に開放されていますので、この
建物がホテル又はマンションに姿を変えてしまう前に是非足を運んで
みて下さい! 
この展覧会は、6月14日まで続きます。

 <Site Gallery>
  住所:Liverpool School of Art & Design, 68 Hope Street, Liverpool
  オープン:月〜土 12.00pm〜5.00pm
  Site Gallery: http://ljmu.ac.uk/site/
  Martha Rosler Library: http://www.e-flux.com/app/webroot/projects/library/

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
さいたまにリトル・リヴァプールが!
4月2日から、埼玉県さいたま新都心にあるジョン・レノン・ミュージアム
にて、特別展「ジョン・レノンとリバプール 〜青春の記憶〜」が開催さ
れています。
展示の中には、忠実なメンディップスの模型や周辺のジオラマ地図が
再現されているほか、リヴァプールにあるジョンゆかりの地を収めた
映像や写真などが満載です。

 <ジョン・レノン・ミュージアム>
  住所:〒330-9109
      さいたま市中央区新都心8番地さいたまスーパーアリーナ内
  電話:048-601-0009 FAX:048-601-0010
  開館時間:午前11時から午後6時まで
  休館日:毎週火曜日(祝日の場合は翌水曜日を休館)、年末年始
  ホームページ:http://www.taisei.co.jp/museum/news/news/080305.html

それではまた来週。

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish125_photo.html ≫


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▼スカウスハウス・ニュース
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*** CL準決勝チケット:予約受付中です ******

スカウス・ハウスでは、以下のCL準決勝マッチ・チケットのお申し込み
を受け付け中です。
 【Liverpool vs Chelsea / Apr 22 / Anfield】
 【Manchester United vs Barcelona / Apr 29 / Old Trafford】
ご希望の方は、info@scousehouse.net まで、お早めにお問い合わせく
ださい。件名は「CLチケット問い合わせ」としてください。折り返し詳細
をご案内いたします。お早めにどうぞ!


*** 新入荷LFCグッズ:On Sale Now!! ******

CL準々決勝<LFC vs Arsenal>を記念して製作されたスカーフ(マフ
ラー)が新しく入荷しました。
両チームの名前とエンブレムが半分ずつデザインされ、試合の日付と
スタジアム名が入っています。
LFCグッズ通販のラインナップに追加しています。オーダーをいただけ
るとうれしいです!
http://scousehouse.net/shop/lfcgoods2008_02.html


*** 語学留学生募集中 ******

リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
詳細については、ウェブサイトの「語学留学案内」ページをご覧くださ
い。
http://scousehouse.net/study/index.htm


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアー
をアレンジしています。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm


*** 原稿募集中 ******

「リヴァプール・ニュース」では、読者のみなさんからの投稿を募集して
います。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
いは英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト
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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週も、特派員ミナコさんから素敵な写真が届いています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish125_photo.html


*** 今週のフォト・アルバム ******

今週の「NLW フォト・アルバム」ページには、CL準々決勝《リヴァプール
vsアーセナル》の写真を掲載しています。
スーさん&えりさん、ありがとうございました!
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo340.html 


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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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           *** 毎週火曜日発行 *** 


□■ 第340号 ■□

 ◆発行 SCOUSE HOUSE (スカウス・ハウス)
 ◇編集 山本和雄 & ミナコ・ジャクソン
 ◆ウェブサイト http://scousehouse.net/
 ◇Eメール info@scousehouse.net

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