August 05 2008, No.353
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「中年男の、A DAY IN THE LIFE」
 ▽寄稿:「英国紀行2008春」
 ▼ゴールドフィッシュだより <No.136>
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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今週は、おなじみの連載「英国紀行2008春」のほかに、もうひとつ寄稿
があります。
同じく<Liverpool Soundツアー>に参加してくださった方からの旅行記な
のですが、ストレートなエモーションが、やや屈折した(?)文体で綴ら
れていて、あのコンサートの感動がリアルに伝わって来ます。

タイトルは「中年男の、A DAY IN THE LIFE」。本文にぴったりの、まさ
にこれしかない、という素晴らしいタイトルです。
ぜひ読んでみてください。

実はこの原稿、今から1か月以上前の6月末に、お手紙でいただいた
ものなんです。「いつ掲載しようかなぁ〜」とぐずぐずしているうちに、と
うとう8月になってしまいました…すみません。

偶然なのですが、宮本裕司さんの連載「英国紀行2008春」も、今回は
<Liverpool Sound>コンサートがあった6月1日の話です。
いつもながら、ディテールがきっちりと書き込まれていて、説得力があ
ります。
僕自身も、「へえ〜、そうだったんだぁ」と、びっくりさせられることがたく
さんありました。ほとんど同じ時間を共有したはずなんですけどね…さ
すが宮本さんです。

その宮本さんが講師を務める『Yujiの英国講座』は、いよいよ今度の
日曜日です。
会場は横浜・鶴見の「ライブハウス&ロックバー ラバーソウル」で、
19:00スタートです。

イギリスづくしのトーク・ライヴ。<Liverpool Sound>コンサートについて
も、詳し〜くお話されるそうですよ。
このNLWの連載では書けなかった、とっておきの情報もいろいろとある
そうです。お近くの方はぜひ!

<ラバーソウル>
http://www.beatle-japan.com/calender/

                          ― Kaz(05/08/2008)


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▼寄稿:「中年男の、A DAY IN THE LIFE」
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「中年男の、A DAY IN THE LIFE」 / 詠み人知らず(ペンネーム)

早いもので、アンフィールドでのコンサートからひと月近く経ってしまい
ました。
あの日のあの出来事は、『今まで生きて来たのは、今日「ここ」へ来る
ためだったのか!!』と確信する程の衝撃的体験だったことを、白状
致します。

遡ること、およそ30年前。中学生の時分に“A Day In The Life”に「教え
られて」からというもの、自身の体内時計が止まってしまい、他に重要
なことなど無くなってしまいました。
(勿論、レコード(CD)を買ったり、コンサートへ行くには働かない訳に
は行きませんが…)

ポールのツアーは、春先から始まることが多い様に思いますが、日本
では「G・ウィーク」があるが故に、逆にその前後に長期の休暇を願い
出ることは、「これだけ休みがあって、まだ足りないの?」という軽蔑の
視線を覚悟せねばならず、前回のリバプール公演も、あっさりと諦めて
しまったものです(公演日も同じ6/1だったのでは?)。

今回も、「リバプール市主催のスペシャル・コンサートにポールが出演
するらしい」との噂を耳にしても、公演日を聞いた時点では、リバプー
ル行きを決行する気持ちは固まっておりませんでした。

しかしながら!
会場がリバプールFCのホームグラウンド「アンフィールド」と知ってから
は、気持ちが一気に動き出してしまいました。

話が少々外れてしまいますが、自宅から電車で30分程の所に「Jリー
グ」のチームがあり、今季は成績が振るわないものの、ホームゲーム
はマメに足を運んでおります。
そんな事から、サッカー(正しくはフットボール?)発祥の地イングランド
の中でも「聖地」と言われるアンフィールド・スタジアムへは、ビートルズ
を抜きにしても「一度は行ってみたい」と思っても当然ではないでしょう
か?

「アンフィールドでポールを観ずに、他に行く機会など有るはずが無
い!!」

この時点で気持は固まりました。
後は昨年「ビートルズ・フィルム・ツアー」で内容の濃さにド肝を抜かれ
たスカウス・ハウスさんにツアーの申込みメールを入れて、いざ、「決行
あるのみ!」。
…のはずでしたが、ここからが正に“Long And Winding Road”の始まり
とは…(長くなるので以下は割愛致します)。

とにも、かくにも、出発数日前にスカウス・ハウスさんからのツアーの
「最終案内」を実際に手にするまでの時間は、「一日千秋」とはこう言う
時のことかと実感した次第です。

とは言え、「捨てる神あれば、拾う神あり」なのもまた真なり!
そこから先は、ウソのように快調に回り始め、日本〜ロンドン〜リバ
プール間の移動も、全て定刻、異常なし。
加えて、ツアー参加者との合流後は、楽しいこと、このうえなし。

そして、いよいよポールのコンサート!
オープニングの“ヒッピー・ヒッピー・シェイク”にも、“サムシング”の「追
悼コンサート・バージョン」にも、それはもう充分過ぎるほど驚かされま
くり……。
普段はアンコールで演奏される“ヘイ・ジュード”で終演間近が予想さ
れても、既に気分は「桃源郷」。

ところが、ところが!

お約束の“イエスタデイ”に続いて演奏された曲は……。
(しばらくは、ポールが歌い出しても目の前で起っていることが信じられ
ず、「自分の耳がおかしくなってしまったのかも」と本気で心配してしま
いました)

上手い表現が出来ませんが…。
自分の「価値観」、「考え方」を決めてしまった「あの曲」が目の前で演
奏されているのです!
しかも、世に出てから40年の歳月を超えて「初めて再現される」その場
に自分が居合わせることになろうとは……。

今後予定されるワールド・ツアーで何回演奏されることになろうとも、こ
の事実は、一生涯消えることは断じてありません。
そして、それを可能にしてくれた「ポール」と「アンフィールド」と「スカウ
ス・ハウス」様には、感謝の言葉以外、見付かりません。
ツアー中に親切にしていただいた参加者の皆様にも厚くお礼申し上げ
ます。

(2008年6月27日)


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▽寄稿:「英国紀行2008春」
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「英国紀行2008春」(第6回) / 宮本 裕司

 ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo353.html ≫

【2008年6月1日(日)】

ホテルで朝食をとった後、10:00からNational Trustのツアーに参加しま
した。
ジョンが育った家とポールの育った家の中を見学できるツアーで、私
は昨年の春と夏に参加しました。

ジョンの家の管理人、Silviaさんは私のことを覚えていました。
さすが元先生だけあって、素晴らしい記憶力です。
話している英語も洗練されているし、説明も非常に上手で、品のある方
でした。

昨日、オノ・ヨーコ、オリビア・ハリスンがこの家を訪ねてきたとSilviaさ
んが言っていました。

また、私は行きませんでしたが、ステラのファッション・ショーがポール
の母校LIPAで行われており、ポールやオノ・ヨーコ、オリビア・ハリスン、
ジョージ・マーティン、ジャイルズ・マーティンも来ていたそうです。

2008年、リバプールは欧州文化首都なので、こういうイベントがたくさ
んあり、とてもよいことだと私は思います。

お昼は、ジョンとスチュが通ったパブYe Crackeでリバプール郷土料理
のスカウスをいただきました。
昨年の夏も食べましたが、肉じゃがのようなシチューです。
山本さんと初めてお会いしたのも、ここYe Crackeでした。

夜はポールの出演するライブ「Liverpool Sound」の会場Anfield  
Stadiumへ行くため、17:00過ぎにQueen Squareのバス乗り場に向かい
ました。
しかしそこにはバス待ちの長蛇の列ができており、Queen Squareから
駅の近くまで恐ろしいほどの人が並んでいました。
バスに乗るまで30分ほどかかり、ようやくそこからAnfield Stadiumへ。

会場の周辺も夥しい数の警官が動員され、セキュリティ・チェックがさ
れていました。
ペットボトルや傘は取り上げられてしまうのですが、いつものことながら
イギリスのライブではカメラはノーチェックです。
(私はなぜか自分から差し出したのに、ペットボトルも返してもらいまし
た。傘は問答無用で捨てられましたが)

18:40頃に会場に入ると、既にズートンズのライブが始まっていました。
19:00頃にズートンズの出番が終わり、19:40から20:40頃までカイザー・
チーフスが演奏。
どちらも良いバンドでした。

ポール・マッカートニー目当てだとわかる観客が多く、ズートンズもカイ
ザー・チーフスもちょっとかわいそうです。
二つともイギリスでは大変な人気バンドなのだそうで、機会があれば、
また聞いてみたいと思います。

私の席はステージに向かって左側、スタンドのちょうど真ん中だったた
め、アリーナや他のスタンドの様子もよくわかりました。
ポール登場前はアリーナ前方が異常に盛り上がっていました。

ポールのリミックスである「Twin Freaks」の曲がBGMとして演奏され、
ウィングスの「Venus And Mars」が流れたあたりからアリーナの興奮が
高まってきました。
「Waiting for the show to begin」の歌詞がリフレインして何度も流れた
頃に興奮はピークに達しました。

みんな、ショウが始まる瞬間を待っているのです。
ここ数日、リバプールの街では、「ポールのライブ見に行く?」と道行く
色々な人が尋ねてきました。
それだけ全員の関心が集中したイベントでした。

21:07頃、ポールのライブが始まりました。
ズートンズやカイザー・チーフスが気の毒になるくらい、会場の雰囲気
が変わってポール一色です。

昨今のライブの映像ではかなりポールの喉が衰えていたので、心配し
ていたのですが、今日のポールは外見も喉も若々しく、かなり良いコン
ディションでした。

現地のメディアでもかなりポールが気合の入っていることが報道されて
いたため、観客の期待値は高かったのですが、ポールは今日のため
に相当コンディションを整えてきたのでしょう。
私の満足度は結構高かったです。

「The Hippy Hippy Shake」で始まり、「Calico Skies」、「Eleanor Rigby」と
いったおなじみの曲を歌ってくれました。
一曲目の「The Hippy Hippy Shake」では、キーをEからGに上げて歌っ
ているあたり、ポールの気合を感じました。

また、日本からたくさんファンが来ていることについてコメントし、日本
語で話しかける場面もありました。

以下、セットリストです。

The Hippy, Hippy Shake 
Jet 
Drive My Car 
Flaming Pie 
Got To Get You Into My Life 
Let Me Roll It 
My Love 
C' Moon
The Long And Winding Road 
Dance Tonight 
Blackbird 
Calico Skies 
In Liverpool 
I'll Follow The Sun 
Eleanor Rigby 
Something
Penny Lane 
Band On The Run (with Dave Grohl on guitar) 
Back In The USSR (with Dave Grohl on drums) 
Live And Let Die 
Let It Be 
Hey Jude 
Yesterday 
A Day In The Life 
Give Peace A Chance 
Lady Madonna 
I Saw Her Standing There (with Dave Grohl on drums) 


「Jet」「Let Me Roll It」では、2002年の東京ドームのライブの時のよう
な観客全員が総立ちで手を突き上げるパフォーマンスを私は期待して
いたのですが、意外にもそんなことをしている人はほとんどいませんで
した。
(コンサートの後、テレビでは盛り上がっている様子だけが報道されて
いましたが、実際には必ずしもそういうわけでもありませんでした)

9曲目は「The Long And Winding Road」でした。
実際には今日のライブはまだまだ続いたのですが、この曲はたいてい
ライブ終盤で歌う曲。
「これはひょっとして、もうおしまいなのかも」という思いで私は見守りま
した。
「ポールは何曲くらい歌ってくれるのか?」は明らかにされていない状
態でライブに臨んでおり、かなりスリリングでした。
これは会場にいた全員が共有したスリルであり、演奏時間やセットリス
トを知ってから後追いで映像を見ても、絶対に味わえない感覚だと私
は思いました。

14曲目は「I'll Follow The Sun」。
今日のリバプールは雨が降っており、ポールのライブの前には見事に
雨がやみました。
ポールが太陽を連れてきてくれた。そんな気がしました。

「Penny Lane」など数曲は演奏や歌が苦しそうで、「だ、だいじょうぶ
か?!」という感じでしたが、これらはオフィシャルDVDが発売されたあ
かつきにはきっとうまく編集されることでしょう。

しかしなんだかんだ言っても、ポールは大物として期待されて今日とい
う日を迎えたわけですし、任されたら徹底して「やる」というポールの意
気込みが感じられるライブでした。
後半は上り調子でポールの歌がよくなってきて、観客も盛り上がってい
ました。

地味な未発表曲「In Liverpool」や、アンコールでは初披露「A Day In   
The Life」から「Give Peace A Chance」をメドレーなど、この日だけの特
別な試みもありました。

最後の曲「I Saw Her Standing There」が終わると、欧州文化首都の祝
砲のごとく、スタジアム上空に花火が上がりました。
二回目のアンコールがないかと期待したのですが、花火が上がるとみ
んなすぐに帰ってしまい、閉幕となってしまったのが少し残念でした。
しかし今年最大のイベントに立ち会えたわけですし、今日見た花火は、
2007年12月31日にロンドンで見たカウントダウンの花火よりも、ずっと
胸に響きました。

ちなみに、翌朝の新聞The Independentのレポートでは、今日のライブ
は5段階評価の4でした。

ライブの後は夥しい群集がバス乗り場に集まっていました。
Anfield Stadiumからはバスか、1時間くらいかけて歩くしか帰る手段が
ありません。
次から次へとバスが来るのですが、バス乗り場などはなく、バスが適当
な場所に停車して、そこをめがけて群集が道路に押し寄せるという、と
ても収集がつかない状態でした。
しかし、ここで奇跡的に山本さんと合流することができ、無事に帰ること
ができました。

町に戻ってからも、ポールのライブの後なので、そこかしこで異常な混
雑になっていました。
ホテルも路上もレストランも混沌とした状態。

ポールのライブのために何万人もの人が一斉にリバプールに集まった
ので、かつてないくらいのお祭り騒ぎになっていました。
夏のビートル・ウィークで人が集まるのは当たり前ですが、これだけ報
道陣や著名人が集まるのは私もあまり見たことがありません。

24:30頃から中華料理を食べに行きました。
ホテルのロビー偶然、昨夜とほぼ同じメンバーが揃い、みんなで行くこ
とに。

Adelphi Hotelに戻ったのが深夜2:00頃。
エレベーターに乗ったら、同乗の女性が話しかけてきました。

女性 「ハロー。私のこと覚えてる?」
私  「すみません、覚えてません・・・」

いたずらっぽい笑顔をうかべる彼女。

女性 「あら、私はあなたのことよく覚えてるわよ。
昨日、私のために歌ってくれたでしょ?
あなたはニュースで流れて世界中の有名人よ」
私  「・・・」

昨日、Strawberry Fieldで取材したCNNのキャスターでした。
CNNのユニフォームを着ていないのでわかりませんでした。
彼女たちも同じホテルに泊まっているようです。

やはり私の映像がCNNで流れてしまうようです。
できることなら、撮り直したい。


<注釈>
「In Liverpool」について、未発表曲と日記に記載しましたが、実際には
2004年に発売された、DVD版『リヴァプール・オラトリオ』の特典ディス
クに収録されていました。
しかしながら、ライブで演奏するのは初の試みであり、CD化もされてい
ない曲ですので、ポールがこの日リバプールに集まった観客のために
特別に計らってくれたものであることがわかります。
リバプールは特別な場所であり、特別に集まって来た人と、特別な時
間を共有しているということは、このライブの随所にメッセージが隠され
ていました。


(つづく)

 ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo353.html ≫


【お知らせ】
宮本裕司さんが講師を務める『Yujiの英国講座』が、横浜・鶴見の「ラ
イブハウス&ロックバー ラバーソウル」で開催されます!
8月10日(日)19:00スタートです。お時間のある方はぜひ!

<ラバーソウルのURLはこちら>
http://www.beatle-japan.com/calender/

<ラバーソウルの連絡先>
ラバーソウル
横浜市鶴見区鶴見中央1−14−2−2F
TEL:045-505-9617 または、090-4220-1080
FAX:050-3710-9255

〜 宮本さんのコメントです 〜
イギリスについての基礎知識から始まり、1996年から2008年まで私が
観察したイギリス新旧比較、ビートルズゆかりの地めぐりの楽しさなど
をお話しします。
もちろん、今回は写真、映像を交えてポールのライブのレポートも行い
ますし、前回まで講義に出席されなかった方でも楽しめる内容にしま
す。
12回のイギリス旅行で、見たこと、聞いたこと、感じたことなど、私の大
好きな国イギリスについて、愛情を込めて語ります。


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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第136号 / Brouhaha! Brouhaha! ウィズ・カプリオール ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish136_photo.html ≫

こんにちは。
先週は、またまたお休みをいただき、失礼いたしました。
9月のバイエニアルに向けて様々なプロジェクトが平行中で、その準備
が本格的に忙しくなってきました。そしてこの夏も恒例のブルーハーハ
(Brouhaha International Festival)が2週間半に渡って開催され、私も
合間を縫って追いかけました。

今週は、そのブルーハーハについてお伝えします。

7月18日、Novas CUCにて幕開けを飾るオープニング・イベントが開催
されました。
昨年のフィルハーモニック・ホールでは4時間座りっぱなしで観客は完
全に受身でしたが、今回は複数のスペースで異なるアクトが同時進行
し、観る人も自由に歩き回りながら様々なステージをサンプルできると
いう舞台設定で楽しめました。
それにしても、ヒップホップ、コンテンポラリーダンス、ドラミング、バンド
から道化師、フラメンコ、ギリシャの伝統的な舞踊まで、とにかくバラエ
ティーに富んでいます。

日本からは今年もダブル・ダッチ・チーム<カプリオール>が出演し、リ
ヴァプールにでっかく日の丸を掲げました。
今回は、昨年来られなかったメンバーのヤビッチもリヴァプール入りを
果たし、フルメンバーでのパフォーマンスを観ることができました。
やはり5人だと迫力が違います。オープニングでは、観客からスタン
ディングオーベーションを受けました。

昨年は、全くの未知数でやってきて、じわじわと話題を呼んだ彼らでし
たが(昨年の模様はゴールドフィッシュ99号をご参照下さい)、今年は
オーガナイザーも彼らを一押しの目玉アトラクションと位置づけている
のがよく分かりました。
地元紙エコーに掲載された6月の告知の中で、エグゼクティブ・ディレ
クターのジャイルズ・エイジスは「再び彼らを迎えることを非常に喜んで
いる」とコメントしています(新聞記事はこちらをご覧下さい)。
http://www.liverpoolecho.co.uk/liverpool-entertainment/echo-entertainment/2008/06/07/double-dutch-skippers-for-city-100252-21037025/

そして、それを裏づけするように、彼らのスケジュールは滞在中休みな
く、過酷なほどにびっちりでした。
ブルーハーハとしても、どこに出しても誇らしい彼らを、できるだけ多く
の人々に見せてあげたかったのでしょう。

カプリオールは、リヴァプール及び近郊で展開されたブルーハーハ・
フェスティバルのイベントのショーに加え、コラボレーション・プロジェクト
"Flipped" にも参加。
6カ国のパフォーマーが共同で数日間に及ぶリハーサルを経て、45分
のショー作りあげ、披露しました。

8月1日にニューシャム・パークで行われたウォーク・ザ・プランク主催
で、欧州文化首都の公式プログラムの屋外シアター "Emperor and  
the Tiger" にも出演しています。

さらに、リヴァプール市内各地でダブルダッチ・ワークショップを開催し
ました。
トクステス、エヴァートン、ケンジントン地域で開催したピドギン・プロダ
クション主催のダブルダッチ・ワークショップでは地元の子供達と接しま
した。
アーツ・カウンシル主催の青少年主導の参加型シアター・フォーラム
"Get In" にてワーク・ショップを行った際は、いつの間にかフォーラム
参加者に混じってオーガナイザーまでもがロープを飛び出す始末。次
第にワークショップ参加者の間にチーム・スピリットが生まれていく過程
を垣間見たのも興味深かったです。
翌日、アーツ・カウンシルの担当者は、「ブリリアント! センセーショナ
ルなワークショップだったわ!」と満面の笑みでした。
Get in: http://www.artscouncil.org.uk/aboutus/project_detail.php?sid=15&id=938

多忙なスケジュールをこなしながら、時間を見つけてはシティー・セン
ターに繰り出してストリート・パフォーマンスを敢行。ウォーミングアップ
をしているだけでザッと取り巻きができ、拍手が沸きます。ストリートだ
けでおそらく1000人は観たのではないか、とメンバーは語っていました。

この他にも先週の土曜日、現在ナイキが彼らのスポンサーとなってる
こともあり、リヴァプールでオープンしたての<NikeiD Studio>リヴァプー
ル店のプロモーションを兼ねて、Liverpool Oneの広場でパフォーマン
スを行いました。
途中、観客の中から、年配の女性、若い女の子、小さな男の子、親子
も飛び入りで参加。 カーッと晴れた昼下がりも手伝って、素晴らしいス
テージとなりました。

先週の土曜日、ブルーハーハのハイライトである "Liverpool  
International Carnival" と、プリンセス・パークでの "World in Princes   
Park" フェスティバルが開催されました。
カーニバルでは、1500人もの人々が衣装を纏い、公園までの道のりを
2時間かけて練り歩きました。新聞の発表によると45000人もの人々が
詰め掛けたとのこと。晴れときどき雨の変わりやすい天候でしたが、雨
雲も吹き飛ばすようなドラムのビートと色鮮やかなカーニバルでした。

プリンセス・パークでは、各国料理や衣服などのストールが並び、5つ
の仮設ステージが組まれ、音楽やダンスのパフォーマンスが夕方まで
続きました。
帰国前日で、カプリオール今年最後のステージとなったこの日は、スゴ
イという噂を聞きつけた観客が集まりました。始まってすぐに大粒の雨
が降り出しましたが、殆どの観客が残りました。
そんな期待に応えるように、ラストのパフォーマンスは、リーダーのノブ
による日本語と英語を交えたMCつきで、観客を煽り、これまで以上の
ハイテンションな盛り上がりを見せました。
パフォーマンスの合間には雨もやんで眩しい太陽の光まで覗くほどで、
魔法がかかったような雰囲気でした。

道を歩いていても、銀行で並んでいても、テイクアウェイでご飯を買い
に行っても、パブにいても、どこからともなく「君達、スキッピンング・
ロープやってる人だよね!」と話かけられていた彼ら。他の国のパ
フォーマーや国内外のイベントのオーガナイザーからも、将来的にコラ
ボレーションできないかとか、うちのフェスティバルに出てくれないか、
などと話を持ちかけられていました。
国際的なブルーハーハ・フェスティバルを通じて、カプリオールとダブ
ル・ダッチの魅力が、リヴァプールから世界へと広がっていくことを願っ
ています。

Brouhaha International Festival: http://www.brouhaha.uk.com
カプリオール: http://www.capliore.com

そして、カーニバル&フェスティバルの記事(ノブ君のコメント付き)が
地元紙のデイリーポストに載っています。
http://www.liverpooldailypost.co.uk/liverpool-life-features/capital-of-culture/2008/08/04/thousands-at-carnival-in-the-park-64375-21459395/

来年も楽しみです!

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
セントラル・ライブラリー(中央図書館)のPicton Roomにて、ゴールド
フィッシュ121号でお伝えした、写真家タビサ・ジュッサによる The 12th   
Man 展が8月いっぱいの予定で開催されています。リヴァプールFCと
エヴァトンFCそれぞれのファンの表情を捉えた新旧の写真に加えて、
両チームのメモラビリアも展示されていますので必見です。入場無料。
Tabitha Jussa: http://www.tabithajussa.com
The 12th Man: http://www.liverpool.gov.uk/News/newsdetail_2661.asp

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish136_photo.html ≫


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▽スカウスハウス・ニュース
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*** スタジアムへ行こう! ******

ウェブサイトの「スタジアムへ行こう!」ページを、新シーズン用にリ
ニューアルしました。
フットボール観戦やスタジアムツアーをご希望の方はぜひお任せくださ
い!
http://scousehouse.net/football/stadium.htm


*** Liverpool Soundグッズ:On Sale Now!! ******

6月1日にAnfield Stadiumで行われた<Liverpool Sound>コンサート記
念グッズの通販ページをウェブサイトにアップしました。
オーダーをいただけると嬉しいです!
http://scousehouse.net/shop/lpoolsound.html


*** リヴァプール語学留学:リニューアル ******

ウェブサイトの「リヴァプール語学留学」ページをリニューアルしました。
おなじみのコミュニティ・カレッジに加えて、私立の語学スクールLILAと
も新たに提携することになりました。長期でじっくり学べる学生の方に
はコミュニティ・カレッジが、まとまった期間を留学に充てられない社会
人の方にはLILAがおすすめです。
スカウス・ハウスには、リヴァプール留学に関する専門知識や経験を
持つスタッフが、日本とリヴァプールの両方に常駐しています。入学前
はもちろん、入学後のサポートについても安心してお任せください。
http://scousehouse.net/study/index.htm


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアー
をアレンジしています。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm


*** 原稿募集中 ******

「リヴァプール・ニュース」では、読者のみなさんからの投稿を募集して
います。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
いは英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▼今週のフォト
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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週も、特派員ミナコさんから素敵な写真が届いています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish136_photo.html


*** 今週のフォト・アルバム ******

今週の「NLW フォト・アルバム」ページには、連載「英国紀行2008春」
にちなんだ写真(宮本さん提供)を掲載しています。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo353.html 


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 ◇編集 山本和雄 & ミナコ・ジャクソン
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