September 23 2008, No.357
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▽フロム・エディター
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今週は、久しぶりに自分の原稿を書きました。
<インターナショナル・ビートル・ウィーク>の模様を伝えるレポート「利物
浦日記」です。
ただし、こないだ終わった今年の分ではなくて…実は去年、つまり2007
年のレポートなんですよね…。
どんなに遅くても今年のフェスティヴァルが始まる前に完成させたかっ
たのですが、なかなかゆっくり去年のことを振り返る余裕がなくて、気
がつけばまる1年を越えてのレポートとなってしまいました。すみませ
ん…。

その「利物浦日記2007」、今回は第<水割り>最後のライヴのお話です。
この後もいろいろとイヴェントはあったのですが、とりあえずこの第12
回をもって最終回とさせていただきます。

来週以降、できるだけ早く、「利物浦日記2008」の連載をスタートさせ
たいと思っています。
そしてもちろん、2009年のビートル・ウィークが始まるまでにはなんとか
終わらせたいです…できるかな??

● ● ●

今年のビートル・ウィークで大活躍した<アスプレイズ>が、先日、凱旋
ライヴを行いました。
なんと会場の横浜の<ブルージェイ>は超満員で、入場できずにあきら
めて帰った人もたくさんいたそうです。
もちろん、リヴァプールでの熱気をそのまま再現したような素晴らしい
ライヴになりました。
…なんてまるで観てきたように書いてますが、僕は行ってません…す
べてまた聞き情報なのでした。僕も観たかったなあ…。

おなじみのS.H.さんが、このアスプレイズ凱旋ライヴの感想を寄せてく
ださいました。「フロム・リーダー」で紹介しています。
写真も送っていただきましたので、ウェブサイトの「NLWフォト・アルバ
ム」ページに掲載しています。ぜひぜひご覧ください。
S.H.さん、いつもありがとうございます!

● ● ●

LFCマッチ・チケットのお知らせです。
10月1日にAnfieldで行われるUEFAチャンピオンズ・リーグ<LFC vs
PSV Eindhoven>のチケットがあります。座席はパドックとKOPスタンド。
詳細はウェブサイト「スタジアムへ行こう!」ページの「お知らせ」欄をご
覧ください。
http://scousehouse.net/football/stadium.htm 

                          ― Kaz(23/09/2008)


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▼「利物浦日記2007」
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「利物浦日記2007」 12 / Kaz
≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo357.html ≫

【8月27日(月)】

水割りの<ビートル・ウィーク>ラスト・ライヴが、キャヴァーンのDJ、ス
ティーヴのMCで始まった。

<キャヴァーン・バック>はほとんど満員。300人近く入っていたんじゃな
いだろうか。
多くは地元のスカウサーたちだが、これまでの水割りのライヴを観て
わざわざ足を運んでくれたリピーターも少なくない。もちろん、スカウス
ハウス・ツアーのみなさんも勢ぞろい。ミナコさん&イアンさんの顔も見
える。
恐ろしいことに、その全員が、最初からパワー全開モードになっている
のだ。誰もが「このライヴを楽しんでやるぞ!」という顔をしている。間
違いなく、これまでで最もワイルドなオーディエンスだ。

昨日までのギグで精も魂も尽きていたはずの水割りだったが、オー
ディエンスに負けない気迫とパワーで1曲1曲、力を振り絞って歌い、
演奏し、シャウトする。
300人対4人の、まさに真剣勝負。最高にエモーショナルではあるけれ
ども、ゾクゾクするような冷たいものも感じる。「1mmでも後ろに退いた
ら崩壊してしまうんじゃないか」という、緊張感と背中合わせのパフォー
マンスなのだ。

今日の水割りには、前もって決めたセット・リストがない。
1曲終わるごとに、ジョニーさんが次に演奏する曲を他のメンバーに伝
えている。
それはつまり、先のことは考えずこの1曲に集中しよう、全力投球しよ
う、ということなのだろう。
しかも、ヒートアップするオーディエンスを挑発するように、次から次へ
とアップテンポの演奏が続く。1曲終わると、息つく暇もなく次の曲がス
タートする。

後ろで見ていて、心配になってしまった。
明らかにオーヴァーペースだ。今のうちは気力でカヴァーしているが、
体力は、喉は、果たして最後まで持ってくれるだろうか…。

しかし演奏する彼らの表情は、実にイキイキとしている。
ただひたすら、今演奏しているこの1曲に集中し、ベストを尽くすことし
か考えていないのだ。
(途中で力尽きるかもしれない。でも、そうなったらそうなったでいい
か…)
そう自然に思うことができた。きっと水割りの4人も今、そういう気持ち
というか覚悟で演奏しているのだ。

ペース配分をして無難に、安全にやっていたのでは、特に今日のよう
なオーディエンス相手には、自分たちの魂は伝わらない。そういうこと
なのだろう。
ジョニーさんが「今日は最後だから、やりたいようにやる」と言っていた
のは、こういう意味だったのだ。
これが本当の意味での「ライヴ」というものなのかもしれない。

水割りのメッセージは、しっかりとオーディエンスに伝わっていた。
一緒になって歌う人、踊る人、叫ぶ人、呆然と立ちすくんでいる人…。
何度か客席に行ってみたが、そこには自意識や理性を完璧に放棄し
た人の大集団があった。気持ちいいくらい盛り上がっていた。

しかしステージの終盤、困った状況になってしまった。
MCのスティーヴの姿がまるで見当たらないのだ。
今日のように熱狂的に盛り上がっているステージを、パフォーマーの
力だけで円満に終わらせることは至難の業だ。延々とアンコールを要
求されることになる。オーディエンスをなだめるためには司会進行役
(MC)は絶対に必要なのである。

途中でジョニーさんに「カズさん、あと何分?」と聞かれた。
ジョニーさんの読みはさすがで、本当はあと10分を切っていたのだが、
とりあえず「あと15分です」と答えて時間稼ぎをした。そしてスティーヴを
探しに走ったが、どこにもいない。

規定の45分を過ぎてもステーヴは現れず、水割りの演奏は延々と続
く。後ろから見るとさすがに疲労の色は隠せない。あれだけ最初から
飛ばせば、4人ともほとんど限界に達しているはずだ。
反対にオーディエンスは最高潮にヒートアップしている。ぎりぎりのとこ
ろで踏みとどまってはいるものの、このままでは崩壊は時間の問題だ。
それに、次のバンドはもうとっくに楽屋でスタンバイしている。
僕が出て行って終わらせようかとも考えたが…無理無理、絶対無理
だ!

ステージとは反対側、客席の奥にいるPAスタッフのところに行った。大
音量の中なので叫びながらの会話だ。

 僕:ねえ、スティーヴどこ?
 PA:さあ? いないのか?
 僕:いないんだ。でも次の曲で終わらせてもらうよ。
 PA:終わる? なんで? こぉ〜んなに盛り上がってるのに? 続け
   ろ続けろ!
 僕:いや、もう無理。これ以上やったら死んじゃうよ。次のバンドも待っ
   てるし。
 PA:そうか、OK。次が終わったらBGM流すよ。
 僕:うん、よろしく!

ステージの横に戻ると、<シー・ラヴズ・ユー>が終わり、すぐに<ツイス
ト・アンド・シャウト>が始まった。
「次で終わってください」とジョニーさんに伝えることはできなかった…。
でも、その必要はない。(あ、ジョニーさんはこの曲で終わらせるつもり
なんだな)と理解できたのだ。5回もステージを観てたら、そのくらいの
ことは分かる。

問題はオーディエンスがすんなり納得してくれるかどうかだったが、そ
の心配は杞憂に終わった。
ジョニーさんが最後の力を振り絞ってのシャウトを終え、水割りの4人
が礼をする。割れんばかりの大喝采。
そしてジョニーさんはあらためて礼を言って、ギターを肩からおろし、
バンド・メンバーを順番に紹介しだした。
なるほどなあ、うまいなあ、と感心してしまった。オーディエンスはショウ
の終わりをすんなり受け入れ、水割りの1人ひとりに賞賛のエールを
送っている。
スムーズでハッピーなエンディングだ。めでたしめでたし…。

…とはならなかった。次の瞬間、信じられないことが起こったのだ。
4人の紹介を終えたジョニーさんが、オーディエンスに向かって、こう言
いだした。
「水割りは4人じゃないんだ。5人なんだ。もう1人、俺たちのマネー
ジャーを紹介します…カズ!」

ステージの袖にいる僕を指さすジョニーさん。
水割りの4人と、キャヴァーンのオーディエンスから、大きな拍手と歓声
が送られる…この僕に!?
どうしていいかわからず、その場に立ち尽くしてしまった僕を、ジョニー
さんが迎えに来た。これ以上ないくらいのにこやかな笑顔で。
「いいですいいです」と抵抗するが、有無を言わせず手を引っ張られ
て、センターマイクまで連れて行かれてしまった。
照明がものすごく眩しくて、客席の顔はまったく見えない。それに、信じ
られないくらい熱い。オーディエンスの拍手は続いている。うわあ、何て
言おう…。

僕が言えたのは、たったのひと言だけだった。
「Cheers, mates!」
もちろんそれは、このキャヴァーンの素晴らしいオーディエンスへの言
葉でもあり、水割りの4人への言葉でもあった。

あとでマサさんに聞いたのだが、僕を引っ張り出すことは、前の晩に4
人で打ち合わせをしていたのだそうだ。
「カズさんに何かお礼みたいなのできないかなってみんなで考えてさ。
へへ、どう? びっくりした?」

やれやれ、まったく、びっくりなんてもんじゃなかった。ほんっと心臓が
止まるかと思った。
でももちろん、水割りのみなさんの気持ちは、すっごくうれしかった。

とにかくこれで、4日間・合計5回の水割りのギグが無事に終了した。
最初から最後までハラハラしっぱなしだったけれど、終わってみれば
大成功、これ以上ないくらいのハッピーエンドになった。

水割りの演奏には、ある種独特のテイストがあったと思う。
そもそもこのバンドは元からあったわけではなくて、このフェスティヴァ
ルへの出場だけを目的に結成されたのだ。
いや、正確に言うなら、急逝したバンド仲間の追悼のために結成した
バンドだったのだ。
リヴァプールで演奏することが、世界中から集まって来るビートルズ・
ファンの前で最高の演奏をすることが、亡き友への彼らなりの追悼
だったのだ。

しかし、だからと言って彼らの演奏には、悲壮感とかジメジメしたもの
は少しも感じられなかった。思わず噴き出してしまうシーンはちょこちょ
こあったけれど。

過去いろんなバンドのブッキングを担当したが、今回の水割りほど親
しみを持って受け入れられたバンドは存在しなかった。
ファニーなキャラクターだけでなく、彼らの「思い」や「こころざし」という
ものも、しっかりとビートル・ウィークのオーディエンスに伝わったと思う。

そして僕自身にとっても、これまででいちばん濃密で、達成感が得られ
たビートル・ウィークになった。
水割りや参加者のみなさんのおかげで、自分の仕事の価値や面白さ
を、あらためて実感することができたのだ。
もちろんどんな仕事でもそうだけど、自分が本当に好きでやっているこ
とが、他の誰かの楽しみや幸せにつながるなんて、最高にハッピーな
ことだ。
ほんとうにありがとう。Cheers, mates!

(おわり)

 ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo357.html ≫

〜前回(第11回)分はこちら〜
 ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo330.html ≫


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▽フロム・リーダー
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9月20日に行われましたThe Aspreysの横浜BlueJayでの
凱旋ライブに行って来ましたのでその御報告をします。

まずライブ開始前の19時頃からはアスプレイズの
リバプールでのステージ内外の映像がスクリーンに
映し出されていました。
街中ではいろいろな人に話しかけられ写真を求められて
いる様子が見られました。
ステージ映像の中でアンコールの場面では、主催者か
誰かから言われたことをアスプレイズのメンバーに
伝えに行っていますKAZさんの働く姿が見られました。

パソコンのモニターでYouTubeの映像を見ているのと
違いまして大画面で演奏を見られましたので、その場に
行って見ている気持ちで見ることが出来ました。

そして19時半となりThe Aspreys本人による英語の
MCでライブが始まりました。
この時点で既に満員で立ち見も出るほどになっていました。
さすが凱旋ライブだけあるなと思いました。
ライブはいつも通り素晴らしかったです。
それよりも、むしろ本場リバプールで高い評価を受けた
自信のためか今まで以上に堂々と演奏しているように
思いました。
また、リバプールで世界中からのバンドに接して
研究したりした影響のためか、演奏などが更にビ-トルズ
本人達に近づいている様に思われました。

アスプレイズはリバプールから戻ってきたばかりでしたので
まだリバプールの空気(におい!?)が残っており、私も
リバプールの雰囲気を味わうことが出来ました。

MCの中で、ところどころで一緒にツアーを行ってくれた方や
手伝ってくれた方々への感謝の言葉があり、決して驕る
ことが無く、アスプレイズの人柄の良さを改めて感じました。

S.H.

≪ S.H.さんのブログ:
  「ビートルズ好きはお断り!!」 http://thebeatles.blog.so-net.ne.jp/ ≫


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