February 14 2012, No.493
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼「予定は未定!? 〜 スカウスハウス・ツアー2011同行記」(最終回)
 ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 <No.204>
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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NLW No.439です。
今週はちかこさんの「予定は未定!? 〜 スカウスハウス・ツアー2011同行記」
とミナコさんの「ゴールドフィッシュだより」の2本をお届けします。

ちかこさんの連載は、ついに最終回となりました。もっともっと読みたいところ
ですが、今回がツアー最終日の夜と帰国のエピソードなので、残念ながらこの先
はありません。
ちかこさんの目を通して語られる《ビートル・ウィーク》や《スカウスハウス・
ツアー》は、僕にとっても新鮮で、あらためてフェスティヴァルの素晴らしさや
ツアーのユニークさを実感することになりました。原稿にもありますが、この
フェスティヴァルは、リヴァプールの街や人々、世界じゅうから集まるファンや
バンドが、ビートルズの音楽でひとつになることができるのです。ハッピーに、
ピースフルに。ぜひ多くの方に体験してほしいなあ、と思います。

ちかこさん、お疲れさまでした。どうもありがとう!
(来年もよろしく…と書いたら怒られるかな)

ミナコさんの特派員レポートは、今回はなんと、リヴァプールFCのレジェンド
(と呼んでもいいですよね?)のひとり、ディディ・ハマンの自伝出版のお話で
す。
スティーヴィーやキャラもゲストで登場した出版記念会のレポートも興味深いで
すが、もっと驚いたのは、ミナコさんが今回のレポートにあわせて大急ぎでこの
自伝を読み、見事な要約と感想を添えてくれたことです。
きっとこのレポートを読んで、ディディの本が欲しくなる人がたくさんいること
でしょう。もちろん僕もそうです。写真ページにアマゾンのリンクを入れておき
ますね。ぜひ買って読んでみてください。

ディディといえば、個人的にはやはり2005年のチャンピオンズ・リーグ決勝が
いちばん印象に残っています。そうです、あの「イスタンブールの奇跡」です。
0−3とリードされて一方的にやられっぱなしだった試合の後半から登場、ディ
ディひとりが入っただけで形勢がひっくり返り、あっという間に3−3の同点に
追いついてしまったのです。あれほど鮮やかに決まったサブスティテューション
もちょっとないのではないでしょうか(ディディもだけど監督のラファもスゴ
イ!)。
ミナコさんの原稿を編集しながら、ついつい当時の映像などを見てしまって、な
かなか仕事が進みませんでした(なんど観ても感動してしまう…)。あれからも
うすぐ7年になるんですね。

● ● ●

お知らせ&お願いです。
1月の終わりごろに、当スカウスハウスのサーバーのメンテナンスがありました。
膨大なスパムメールによる被害があり、そのための作業だったのですが、削除す
る段階でスパム以外のメールもまぎれてしまった可能性もあるとのことでした。
実際、来ているはずのメールがなかったり、送ったはずのメールが届いていない
ことがありました。
今さらながらなのですが、「メールを送ったのに返事がない」という方がおられ
ましたら、お手数ですがご連絡いただけると助かります。よろしくお願いいたし
ます。

                          ― Kaz(14/02/2012)


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▼寄稿:「予定は未定!? 〜 スカウスハウス・ツアー2011同行記」(最終回)
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「予定は未定!? 〜 スカウスハウス・ツアー2011同行記」(11) / ちかこ

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo493.html ≫

■パーティーを抜けて■

フェアウェルパーティーでの食事は前菜、メイン、デザートのコースになってい
ました。
前菜はスープ、スペアリブ、パンの3種から選びます。前菜でスペアリブって結
構へヴィーな気が…。私はスープを選びました。
大き目のボウルに野菜がごろごろ入ったスープが運ばれてきました。パンも付い
ています。既にビールを飲んでいた私はこのスープを食べただけでお腹いっぱい
(たぷたぷ?)になってしまいました。

パンを選んだ人には、巨大なコッペパンのようなパンが運ばれていました。前菜
と言えどもかなりボリュームがあります。
スープを食べ終わり、乾杯から30分しか経っていませんでしたが、私は友人と
の待ち合わせがあるのでもう行かなければなりません。メインとデザートはThe
Cloverさんとえりさんに食べてもらうことにして、私はみなさんにご挨拶してパ
ブを後にしました。

歩いて最寄りのMoorfields駅に向かいます。駅に着きホームに降りると、ちょ
うどNorthern Lineの電車が来て乗ることが出来ました。
車内ではマシューストリートフェスティヴァル帰りの若者が賑やかです。酔っ
払っているようですが、どうみてもお酒を飲むには若すぎる子たちです。
空いている席を見つけて年配の女性の隣に座ると、そのあたりでは若者について
眉をひそめる大人たちが会話をしていました。細かい内容までは理解できません
でしたが、若者の行動に「今どきの若いものは!」と言う大人の図はどこの国で
も共通のようです。

20分ほど電車に乗って目的地に到着。約束の時間には15分ほど遅れてしまいま
した。その後、友人宅にお邪魔して友人とそのご家族と一緒に2時間ほど過ごし
ました。


■もうひとつのパーティー■

23時頃、シティセンターのマリオットホテルに帰ってきました。
明朝は6時半頃チェックアウトの予定ですが、まだ何もパッキングしていません。
このまま荷造りをして早めに休もうかとも思いましたが、フェアウェルパー
ティーを途中で抜けてきてしまったことが気にかかっていました。それにカズさ
ん以外の参加者にとってはリヴァプール最後の夜、みんなで飲んでいるかも…。

早速カズさんに電話してみました。するとこれからThe Cloverさんの宿泊先で
飲み会をするからぜひ来るように、とのこと! 迷わず混ぜてもらうことにして、
カズさんとアデルフィの前にある酒屋さん(コンビニ?)前で待ち合わせをする
ことになりました。

どうしてこんな夜遅くに飲み会スタート? と思いましたが、この夜は
Liverpool Philharmonic HallでThe Fab Fourのコンサートがあり、みんなそれ
を観に行っていたのです。
そういえば私のパッケージの封筒にもチケットが入っていたなぁ。パッケージに
は他にもThe OverturesとStevie Riksのコンサートのチケットが入っていまし
た。パッケージ代金にはこれらのチケットも含まれているのですが、とうとうど
れも見ずに終わってしまいました。本当に身体が二つ欲しい!

酒屋の前でカズさんと落ち合って、ビールのパックを2人で抱えて坂を上り、
The Cloverさんの宿泊先であるGreat Newton Hallに着きました。
門を入り、建物前で待っているとしばらくしてThe Cloverさんのもえっちと
シェリーちゃんがフィルハーモニックホールから帰ってきました。鍵を開けても
らい、一緒に中に入ります。

Great Newton Hallは学生寮で、各フロアに数部屋と共同のキッチンがあります。
初めて見るイギリスの学生寮に私は興味津津。ゆうこちゃんの部屋を見せてもら
うと、シングルベッド、勉強机、シャワーとトイレが付いていました。
共同のキッチンには冷蔵庫や電子レンジはありますが、食器類はないとのこと。
The Cloverさんは紙皿、紙コップ、そして大量の日本食持参でした。

しばらくしてNow Hereさんの山田さんと同行カメラマンのKさん(やっぱり2
人一緒)とYさんが到着。8人が揃い、ダイニングキッチンで乾杯! 
フェアウェルパーティーで私が食べなかった分のメインは、みんなでピザを頼ん
だそうで、食べきれずお持ち帰り。それをもえっちが電子レンジで温めて出して
くれました。
The Fab Fourのコンサートのこと、Beatle Weekでのギグのことなど、話は尽き
ません。お開きになった頃には午前3時になっていました。

The Cloverさんと、Great Newton Hallのすぐ隣の学生寮Apollo Courtに泊っ
ているYさんとは、そこでお別れです。山田さん、Kさん、カズさん、私とでマ
リオット方面に歩いて帰ります。
午前3時に歩いて帰るなんて、もし一人だったら怖くて考えられません。同じホ
テルに泊っていたこともあり、滞在中は山田さん、Kさんと一緒にホテルに帰る
ことが多かったなぁ。ボディガード(?)のようでいつも心強かったです。あり
がとう。

マリオットに着き、別のホテルに泊っているカズさんとはここでお別れです。
「じゃあね〜! ちかこさん、来年もよろしく〜!」とカズさんは手を振って
去って行きました。


■日本へ■

部屋に戻り、すぐにパッキングに取りかかります。一度寝てしまったら起きられ
そうもないので、今夜は寝ないことにしました。パッキングしてお風呂に入って、
しばらくするともう朝です。
The BeatribesさんとNow Hereさんは6時05分発の電車でロンドンに向かうた
め、5時45分に Liverpool Lime Street駅に集合のはず。お見送りに行かなく
てごめんなさい。

私はホテルで朝食を食べてから6時半過ぎにチェックアウト。早めに駅に行き、
7時発の電車でロンドンに向かいます。
電車が出発してしばらく経ち、うとうとしているとバッグの中でマナーモードに
した携帯がぶるぶる言っています。カズさんからでした。
「ごめ〜ん! 見送りに行こうと思ってたけど行かれなかった〜!」
カズさんの見送りを全然予想していなかった私はびっくりしました。カズさんが
宿泊していたホテルは駅からは少し離れているのです。

そしてカズさんは「おれ、ビートライブスとナウヒアの集合にも遅れてしまった
よぉ〜」と自ら遅刻をカミングアウト(笑)。皆さん電車に乗らずに待っていて
くれたのだそうです。
せっかくカズさんが電話をくれたのに、寝ぼけ気味で反応薄い私でした。昨夜一
睡もしていないこともあっていつの間にか熟睡してしまい、間もなくロンドンの
ユーストン駅に到着のアナウンスで目を覚ましました。リヴァプール⇔ロンドン
間がこんなに短く感じられたのは初めてです。

ユーストン駅からタクシーでパディントン駅に向かい、そこからヒースローエク
スプレスでヒースロー空港へ。
搭乗前に空港内のパブでギネスを飲みました。今頃The BeatribesさんとNow
Hereさんはロンドンのビートルズゆかりの地を巡っている頃だろうなぁ。
そして13時45分発のヴァージンアトランティック航空で帰国の途につきました。
私の初めてのBeatle Weekが終わりました。ハードだったけど毎日が本当に楽し
かった!


■さいごに■

帰国してから、The Cloverさん、Yさんとは東京で再会。The Beatribesさんは
大阪、Now Hereさんは島根、と離れているのでなかなかお会いできませんが、
いつかまたライヴを拝見したいと思っています。
そして見ず知らずの私からの突然のメールにご返事下さり、Beatle Weekに半分
スタッフとして参加させてくださったカズさん、本当にありがとうございました。

リヴァプールでは世界各国からの観客ともすぐに打ち解けることができて、The
Beatlesの音楽でみんなが一体となれる、その素晴らしさを実感した1週間でし
た。あの一体感はやみつきになりそうです! 

帰国後も東京でたくさんのビートルズのトリビュートバンドの皆さんとの出会い
があり、その輪は広がり続けています。その後このような同行記を書かせて頂く
ことになり、Beatle Weekの1週間の体験を反芻してきたおかげで(?)半年前
の出来事がつい最近のことのように感じられます。そして「同行記、読んでます
よ」言って下さる方もいらして、その言葉がとても励みになりました。 

リヴァプールでご一緒させて頂いた皆さん、私のつたない文章を読んでくださっ
た皆さん、ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。

おわり

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo493.html ≫


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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第204号 / Year of Dragon & The Didi Man Book Launch ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish204_photo.html ≫

こんにちは。
ヨーロッパはこのところ厳しい寒波に見舞われています。
ここリヴァプールでは、比較的温暖な1月が終わり、2月に入ってから寒さは深
まりましたが、他のヨーロッパの地域とは比べ物にならないほど温かなので、あ
りがたく感じます。

先月、ホームメイドのマーマレードを作りました。
短期間しか出回らないセヴィルオレンジがお店に並ぶと、いち早く友人から連絡
が入り、日付を決めます。
おしゃべりがてら、手をベタベタにしながらのマーマレード作りはとても楽しく、
昨年から恒例イベントになりつつあります。セヴィルオレンジは生食には苦すぎ
るそうなのですが(怖くて試してません)、マーマレードにするとその苦味がな
んともいえない良い風味となります。
皆さんにお分けできないのが残念ですが、市販のものが物足りなく感じるほど今
年もおいしくできました。オレンジはスペイン産ですが、マーマレードはスコッ
トランドのダンディーが発祥地とのことなので、ブリテン島の名産と言ってもい
いでしょう。
日本のように食べ物に季節感が感じられないイギリスで、ブリティッシュ・アス
パラガス以外にも季節の楽しみが増えました。

♪ ♪ ♪

1月22日(日)、リヴァプールのチャイナ・タウンでは一日早いチャイニーズ・
ニュー・イヤーのお祭りが行われました。
やや風が強く、どんよりとした曇り空のなか行われ、報道によると2万5千人ほ
どの人々が押し寄せたとのことです。
ばったり会った友達と、「雨が降ってないだけよかったね」と話しているそばか
ら大粒の雨が降り出したりといった場面もありましたが、結構良いポジションに
いたので、龍の舞いが目の前で見られてちょっとラッキーな気分になりました。

今年は辰年です。昇龍のように右肩上がりに昇っていくような年となることを
祈ってます。

♪ ♪ ♪

先々週の水曜日の晩に、一本の電話がありました。
声の主は、スカウスハウスでも何度か登場した友人のトミーさんことトミー・カ
ルダーバンクさん。相変わらずのハイテンションで、明日の午後、ミュージア
ム・オブ・リヴァプールでディディ・ハマンの新しい本の出版発表会があり、チ
ケット2枚確保したけど、旦那と一緒に来る? と聞かれ、二つ返事で行ってき
ました。

この度出版された「The Didi Man My Love Affair With Liverpool」は、共著者
にマルコム・マククリーンを迎えて書かれたディディ・ハマンの自伝本です(ち
なみに、マルコムは、トミーさんの上司です)。
このイベントのゲストには、なんと豪華なことに、スティーヴン・ジェラードと
ジェイミー・キャラガーの姿も見られました。

2005年のヨーロピアンチャンピオンズリーグ優勝を含む、7年間のリヴァプー
ルFC時代のエピソードを中心に、前後のキャリアや彼を取り巻く人々がユーモ
アたっぷりに描かれています。
冒頭でディディは、この本は「ライヴァー・バードへのラブレター」だと述べて
います。初めてリヴァプールの街にやってきた瞬間から特別な感覚が押し寄せて
以来、ライヴァー・バードの魔法にとりつかれ、そのまま醒めないでいてほしい
と願うほどのラブロマンスだといいます。

レッズサポーターの方には言わずと知れたことだと思いますが、ディディ・ハマ
ンは本名ディトマー・ハマン。ドイツはヴァルトザッセン出身のミッドフィール
ダー。
バッカー・ブルクハウゼンのユースチームから16歳でバイエルン・ミュンヘン
入りし、ニューカッスル・ユナイテッドを経て、7年間のリヴァプールFC在籍
のあいだには複数の優勝トロフィーを獲得するチームの一員として活躍し、ドイ
ツ代表選手として9年間務めるといった、輝かしい栄光を飾ります。
その後マンチェスター・シティに移籍し、ミルトン・キーンズ・ドンズでは選手
兼コーチに転身し、最近ではストックポート・カウンティで監督を務めました。

序文は、現在全英で絶大な人気を誇るリヴァプール出身のコメディアン、ジョ
ン・ビショップが手掛けています。
2005年のイスタンブールでのチャンピオンズ・リーグの決勝戦がなかったら、
今の人生はなかったと断言するほど筋金入りのレッズ・サポーターです。
几帳面さ、服のセンスが良く、ユーモア感覚に欠けるといったイギリス人が考え
る典型的なドイツ人のイメージが、ディディがやってきたことでことごとく崩れ
たと述べています。

本文のなかには、その理由が明かされています。
リヴァプールFCに移籍して間もなく、キャラガーをはじめとしたメンバーと一
緒に飲みに行った後、やっとつかまえたタクシーの運転手に「うちまで乗せてっ
てくれたら50ポンド払う」と言ったまではよかったけれども、自分の家の住所
を覚えていなかったという出来事。この笑えるハプニングが、リヴァプールのメ
ンバーとの距離を近づけたそうです。

また、レッズとの契約を結ぶときのために自身満々でスーツを選んだディディ。
しかしそのファッションをリヴァプール・エコー紙は、「70年代に親が6歳児に
無理やり着せた茶色い服のよう」と描写し、チームメイトからは爆笑され、当時
の監督ジェラード・フーリエからは「地理の先生と契約したかのようだった」と
コメントされたとのこと。

ユーモアのセンスは、本の至るところに散りばめられています。面白いです。
実際の口調からも、ややスカウスの混じったドイツ語訛りの英語が発する言葉に
は、発想といい、ノリといい、自他共に認めるジャーマンスカウサーとしての資
質が備わっています。

ディディという愛称も、ある意味運命的といえるかもしれません。
「ディディ」ときいてスカウサー達なら誰もがイメージするのが、リヴァプール
が生んだコメディアンの王様ケン・ドッドのコメディに登場する小人達ディディ
メン(「Diddy」とは北イングランドで「小さい」を意味します)だと思います。
スカウサー達に受け入れられるニックネームであること間違いありません。

ディディのリヴァプールでの暮らしを誰よりも豊かにしたのが、ジェイミー・
キャラガーで、波長や笑いのツボが絶妙に合うことから友情が芽生え、よくつる
んでいるそうです。
ピッチではプロのフットボーラーでありながら、オフピッチではブートル(北リ
ヴァプール)出身の普通の青年そのままで、派手さや飾り気など微塵もなく、地
元への誇りが高く、ユーモアを通じて人々をまとめあげるキャラガーに惹かれた
ようです。

ディディはキャラガーを「ブートルの文化親善大使」と呼んでいます。キャラ
ガー率いるディディのブートル初体験のシーンも面白いです。
また、相当な名物おやじであるキャラガーのお父さんや、2005年に横浜で行わ
れたFIFAクラブワールドチャンピオンシップ トヨタカップジャパンのために来
日した際に、キャラガーのやんちゃな旧友のためにディディが警察沙汰に巻き込
まれたときのエピソードにも触れています。

スティーヴン・ジェラードについては、ジェラードが弱冠17歳でファースト
チームでのトレーニングを始めたとき、輝くような才能とダイナミックさに目
を疑うほどだったそうです。
オールマイティーで向上心に満ちていましたが、荒削りな面も見られたため、
ディディは惜しまずジェラードにアドバイスをしました。ディディ自身バイエル
ン・ミュンヘンに入ったときに、先輩たちにあまり構ってもらえなかった経験が
あることから、若手が育つようサポートの手を差し伸べることの大切さが本のな
かで何度も強調されています。
他人のアドバイスを謙虚に聞く姿勢があり、のみこみも早いジェラードは、ナー
バスなルーキーからインターナショナルなプレイヤーに成長し、その後のリヴァ
プールFCの歴史を担う存在となったことは誰もが知る通りです。

2005年のヨーロピアン・チャンピオンシップの優勝までを綴ったチャプターは、
まさに感動のドラマです。しかもその時点でディディは、リヴァプールでの契約
がそのシーズンで切れることになっていたため(結局延長されましたが)、怪我
をした足で臨んだ決勝戦でのPKは、リヴァプール最後の試合で燃え尽きる覚悟
だったのでしょう。
試合を観るだけでも相当ドラマチックですが、選手の視点から描かれた行動や心
情からは、息遣いまでが伝わってきそうです。

2006年のFAカップ優勝の興奮の後、ディディのリヴァプールでのキャリアに終
わりを告げることになります。
デイヴィッド・モイエスからエヴァトンへの誘いがありましたが、自分とリヴァ
プールFCとの関係を危うくすることはしたくないという理由で丁重に断ります。
エヴァトンといえば余談になりますが、リヴァプール選手時代に、一人でゆっく
りしたいと思い、エヴァトンファンの集まるパブに行ったときに、ブルーのファ
ン達は絡んでくることもなければ、サインや握手を求めることももちろんなく、
そっとしておいてくれたことが印象的だったと語っていました。

そしてボルトン・ワンダラーズと契約した1時間後に、本命だったマンチェス
ター・シティからのオファーが入ります。
結果的にはマンシティがボルトンに40万ポンド支払うことで移籍が合意され、
1時間のタイムラグが生んだ史上最も高額なフリートランスファーとなります。

公私ともに行き詰った時期があり、夜も寝られず、その頃はまりはじめたクリ
ケットの賭けにのめりこんで、一晩で 288,400ポンドをすったこともあること
を認めています。辛い時期には、ユール・ネヴァー・ウォーク・アローンの歌
詞に救われたそうです。マンシティでの契約延長がないことが判明し、一年間
の「ギャップ・イヤー」に入ります。

選手としてのキャリアを通じて、常に素晴らしい監督に恵まれてきたとディディ
は重ねて述べています。
「勝つ」という目標は同じでも、そこに至るまでのアプローチが監督によって異
なります。選手としてのキャリアも節目に近づき、いつしかコーチまたは監督へ
の道を模索しはじめます。

ミルトン・キーンズ・ドンズから選手としてプレイしないかとの声がかかり、
コーチをするチャンスをくれるなら合意するという条件で、選手としてプレイし
ながら、名監督から学んだことを若手に受け継いでいきます。

昨シーズンのイングランド・リーグ2を最下位で終えたストックポート・カウン
ティで監督としての新しいキャリアの第一歩を踏み出し、チーム再建を目指しま
したが、当初約束されていたクラブの買収が実現しなかったことから、早くも去
年の11月、不本意にも離れることになったディディ。今後も監督としての道を
歩んでいきたいという意気込みが強いようです。

この本でのお話はここまでで、次のステップが気になるところですが、直感に
従ってこれまで絶妙なタイミングで降りてきたチャンスを掴んできた人ですので、
きっと何かが次に待っていることだろうと思います。 

この本の出版を記念して、特別にローバジェットなビデオクリップ「The Didi
Man: My Love Affair with Liverpool - In 5 fab factoids!」が作られました。
ディディさんがリヴァプールの5つの特別な場所を周り案内してくれます。
明らかにカンペを見ながらなのが微笑ましいです。スカウスを手渡す役には、我
らがトミーさんと友情出演のジェイミー・キャラガーのダブルビルです。
 http://www.youtube.com/watch?v=YNhUZWWG8rU

それでは、楽しいバレンタインをお過ごしください!

ミナコ・ジャクソン♪

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish204_photo.html ≫


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▼スカウスハウス・ニュース
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*** Beatle Week 2012:ツアー参加者募集中! ******

毎年恒例、International Beatle Week鑑賞パッケージ「スカウスハウス・ツ
アー2012」の参加者を募集中です。今年はビートルズ・デビュー50周年。記念イ
ヴェントが目白押し。この夏、ぜひぜひリヴァプールでお会いしましょう!
http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2012.html


*** LFCチケットあります ******

スカウス・ハウスでは、以下のLFCマッチ・チケットをキープしています。
購入ご希望の方は、こちらまでお問い合わせください(件名は「LFCチケット希
望」とし、本文に「お名前」「ご住所」「希望マッチ」「希望枚数」をお書きく
ださい)。折り返し、在庫の有無やチケット代金をお知らせいたします。
どのマッチも確保枚数はとても少ないです。お早めに!

 LFC VS Everton (Feb 25 2012→リーグカップ決勝のため延期)
 LFC VS Chelsea (May 05 2012)


*** ガイドツアー「ロンドン特別編」 ******

好評のビートルズ・ツアーに加えて、ロンドンでのウォークツアーを2コース、
実施しています。シャーロック・ホームズゆかりのスポットを案内する「ホーム
ズ・ツアー」と、ちょっと怖い「ロンドン・パブ・ツアー」。ディープなロンド
ン体験をぜひ!
http://scousehouse.net/beatles/guidetour_london2.html 


*** リヴァプール語学留学 ******

スカウス・ハウスは、リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
公立のリヴァプール・コミュニティ・カレッジに加えて、今年より、私立の語学
スクールLILAとも提携しています。
長期でじっくり学べる学生の方にはコミュニティ・カレッジを、まとまった期間
を留学に充てられない社会人の方にはLILAをおすすめします。
スカウス・ハウスには、リヴァプール留学に関する専門知識や経験を持つスタッ
フが、日本とリヴァプールの両方に常駐しています。入学前はもちろん、入学後
のサポートについても安心してお任せください。
http://scousehouse.net/study/index3.htm 


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアーをアレン
ジしています。ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧
ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm 


*** 原稿募集中 ******

NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト
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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

ミナコさん撮影による写真を掲載しています。ぜひご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish204_photo.html


*** 今週のフォト・アルバム ******

連載「予定は未定!? 〜 スカウスハウス・ツアー2011同行記」の写真を掲載し
ています。ぜひご覧ください!
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo493.html


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□■ 第493号 ■□

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 ◇編集 山本 和雄&ミナコ・ジャクソン
 ◆Eメール info@scousehouse.net
 ◇ウェブサイト http://scousehouse.net/
 ◆お問い合わせフォーム http://scousehouse.net/liverpool/form.html

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