January 30 2007, No.283
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2007年1月27日>
 ▽寄稿:W杯観戦記「ドイツに行ってきました!」
 ▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
 ▽「利物浦日記2006」
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

マイキーさんのW杯観戦記「ドイツに行ってきました!」が、最終回とな
りました。
合計13回。第1回の掲載がNLW No.259で、去年7月14日の発行です
から、えーともう半年以上も前になるんですね。
依頼したほうも引き受けたほうも気楽にスタートしたこの連載ですが、
気がつけば大長編となりました。

簡単に振り返ってみようと、今さっきバックナンバーをあたってみたとこ
ろ、あまりにも面白いので、ついつい読みふけってしまいました。
僕には絶対マネのできないあの独特のポップな文体にのせて語られ
る旅のエピソードのひとつひとつが、とてもリアルで新鮮で、なんだか
一緒に旅をしているような気分になってしまいます。

そしてあらためて思うのは、実にマイキーさんの人柄がそのまんま表
れた旅行記だなあということです。
関西人らしい自虐性と、京都人らしい粘り強さと、そしてマイキーさん自
前の厭味のなさと明るさ、そして愛すべきおっちょこちょい人生(!?)
を感じられるところが、この旅行記のいちばんの魅力だと思います。

マイキーさん、ほんとうにお疲れさまでした。
そしてありがとうございました!
(…大きな声では言わないけど、またユーロ2008でもよろしくです…)

● ● ●

さて、昨年の「ビートル・ウィーク」とその前後の日々を綴った僕の連載
をスタートします。
2001年以来、ほぼ毎年連載している「利物浦日記」です。
これまでのエッセイ仕立てではなく、今回はタイトルどおりの日記形式
にしてみました。
5ヶ月も前のことなので、記憶はかなりアヤシクなっておりますが、手
元に残った旅行の出納帳と撮ってある写真をたよりに綴って行こうと
思っています。どうぞしばらくお付き合いください。

                           ― Kaz (30/01/2007)


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▼リヴァプール・ニュース <2007年1月27日>
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

*** 1月27日(土) *******************************

【さよなら Dr. Fun 】
リヴァプールFCのホーム、アンフィールドのKOPスタンドの名物おじさ
ん“Doctor Fun”が亡くなりました。63歳でした。
「ドクター・ファン」ことレニー・キャンベルさんは、1980年代以降の応援
席KOPスタンドに欠かせないキャラクターでした。
派手な衣装とシルクハット、そして相棒の人形「チャーリー」を従えての
応援は、数世代にわたってレッズ・サポーターに親しまれてきました。
キャンベルさんががんで入院していた病院で亡くなったのは、1月20日
土曜日、ちょうど愛するレッズがホームでチャンピオンチーム・チェル
シーを降した数時間後のことでした。

キャンベルさんの姪のサンドラ・ベイカーさんはこう話しています。
「レニーおじさんは、ほんとに人柄のいい人でした。あんな人他に見た
ことないくらい。愛するクラブの親善大使でしたし、人生にもフットボー
ルにも情熱いっぱいでした」
「おじさんが初めてKOPに座ったのは13歳で、その時に恋に落ちたそ
うですよ。大人になってからキャンプ場で子供たちを楽しませるエン
ターテイナーになったんだけど、それがほんとうに上手で、子供たちか
ら『ミスター・ファン』ってニックネームをつけられたのがそもそものはじ
まりなんです」
「家族の除いての2大お気に入りは、リヴァプールFCとビートルズだっ
たんですよ。自分の家の門を『ストロベリー・フィールズ』にしちゃったく
らいですから」

ハイトン在住で、地元のレジャー・センターの元救命士だったキャンベ
ルさんには、2人の子供と5人の孫がいました。
2年前にリンパ腫を患いましたが、一旦は快復し、再びスタジアムに応
援に出かけるまでになっていたそうです。
サンドラさんは続けます。
「調子が良くなって、応援を再開した途端に病気が再発したんです。レ
ニーおじさんのアンフィールドでの最後の試合は、先月の、4−0で
勝ったフルアム戦でした」
「今回のがんはあっという間におじさんを連れて行ってしまいました。
土曜日は、私たちはみんなでおじさんの手を握って、おじさんのチーム
が勝つところを話して聞かせてあげたんです。きっと心の中で笑顔を
浮かべてたと思います」
「おじさんが亡くなってから、信じられないくらいたくさんのお悔やみの
お電話をいただきました。おじさんみたいな人生を送ることができた
らって思います。あれ以上のものは望めないんじゃないかしら」

キャンベルさんが亡くなった翌日、リヴァプールFCは、公式ウェブサイ
ト上でキャンベルさんの家族への哀悼の意を表しました。


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▽寄稿:W杯観戦記「ドイツに行ってきました!」
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W杯観戦記「ドイツに行ってきました!」 / マイキー

  ― 第13回 / 「走ってオルセー、ラオウ、そして旅の終わり」 ― 
 ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo283.htm

そして今回の旅の最後の日。。。2006/06/27
今日の13:45発のエールフランスで日本に帰っちゃうので、その2時間
前に空港へ、そしてホテルを出るのはその1時間前、と言うことは、午
前11時にはホテルを出ないといけません。
もちろん荷作りは前の晩に整えていたんだけど、「今度は絶対スーツ
ケースの重さを20kgにしてやる!」と意気込み、、、(エールフランスの
荷物の制限重量ね!)
あ! あのね、一応言い訳しておくと、、、スーツケース自体が重いの
よ、私の(うぅーー)
そして後は帰るだけだったらぎっくり腰になったってと本気で機内に持
ち込むバッグをパンパンにして、お部屋のゴミ箱も一杯にして(涙)、、、
なんだか帰る日なのに決戦の日みたいな感じな朝でした(笑)

そして今日はそれこそ美術館巡りのフリーパスもないしとりあえず早く
行って列ぼうと思って、朝食はさっさと済ましてオルセー美術館へ!
オルセーの開館は9時…だと思いきや9時半でね(汗)
朝8時30分くらいに美術館に到着してみるとガラーーーンとしてるから
「ありゃ?」とそのとき気が付きました。。。
10時半にはオルセーを脱出しなければならないのに!! と焦るマイ
キーさん(苦笑)
何年か前にロンドンで帰る間際にヘマをしてしまって以来、帰国の日
のスケジュールにはナーバスになっております。Kazさんは知ってるよ
ね?(苦笑)

リヴァプールへ行った帰りにロンドンへ寄って、ヴィクトリアのコーチス
テーションからヒースロー空港行きに乗った私は、てっきりヒースロー
が終点だと信じて、安心して寝ちゃったのだ(涙)
そして気がついたらバスは高速を走ってて。。。最初は悪い夢でも見て
るのかいなと。。。
ここはどこ? ヒースローはどっち?? 状態でしたが、でもそこをなん
とか人の助けと運で乗り切って帰れてしまえたのは、ある意味奇跡に
近かったと今も思います。

で、開館の1時間前に着いてしまったオルセーですが、誰も居ないから
と油断してしまい、その辺りを散歩して30分前に帰って来てビックリ! 
いつの間にか50人程の列が…(汗汗汗)
でも仕方なくその列に並んだ訳ですが(苦笑)
その後の30分がやたらと長く感じてね! 
で、やっと待ちに待ったOPEN! でもまずセキュリティーを通るのに並
び、さらにチケットを買うのにも並びと、まだまだイライラタイムが続い
て。。。で、やっと解放!!

走ったよ急いだよオルセー美術館(涙)
この建物はもともと鉄道駅だったらしく、100年ちょい前に「オルセー駅」
としてちゃんと線路が通っていたそうで、入り口の頭上にはデッカイ時
計があります。
駅の面影を残したまま美術館に建て替えられているわけですが…そ
れをゆっくり鑑賞する時間は私にはない(苦笑)
立ち止まっている余裕(時間)すらない私は、ピュンピュン飛ばしながら
絵画を観て(涙)
待ってる間におさらいじゃない予習か! してたからお目当ての作品に
逢いに走るみたいな。。。
ほんと! ここも教科書のまんまです!
そして逢ったらすぐバイバイ! そーだよ、ハローグッバイ♪ でし
た。。。ははは。

ルーブルと並び、来日した事がある作品も一杯あるオルセーの絵画
達も一杯。ミレーの落穂拾いにルソーにコロー。ドガにマネ。。。
ルーブルよりは小さくこじんまりしてたのでまだ助かったものの、息が
あがって座り込みたいとこをがんばって汗だくになりながら最上階に上
がってロートレック観た時は「ゴールイン!」の気分。。。

ロートレックを何度も振り返りながら、「I'll be back!!!」と、まさに後ろ髪
を引かれる思いで出口を探す私。
まだまだ続々と入場者が入って来てる中、開館の1時間後に出口に向
かおうとしている人はさすがに私一人。。。
でもなんとか、ほぼ予定どおりの10時半をちょっと回った位にオル
セーにさようならをした。。。

そして順調にホテルを出て、安全を選びタクシーで空港に到着して12
時。
運命のチェックインカウンターでスーツケースの重量チェックは、、、
19.6kg!!!
思わず涙が出そうになったけど変に思われるからがまんしてみた。

そーそー! 順調順調! これでようやく飛行機に乗って日本に…と
安心したところで、はい、恒例の(笑)「ん! え!? えーーーっ!!」
って事にやはりなってしまったのだ(××)

飛行機が飛び立つ30分位前に搭乗して身支度整えて靴脱いでスリッ
パに履き替えてブランケットを掛けてシートベルトをして、さあ飛び立つ
のを今か今かと待ってたら。。。
機内放送がまずフランス語で始まって、次英語の時にトラブルとか
ゴーアウトサイドなどの単語が耳に入った時、となりに乗り合わせた女
の子と思わず顔を合わせながら「ん?」。
そして日本語のアナウンスが…。
「お客様に申し上げます! この飛行機にただ今、機内食を運ぶ運搬
車が衝突し、機体が損傷いたしまして飛べなくなりました…」
「まずはこの飛行機を降りていただき、新しい飛行機を用意するまで4
時間程待っていただくことになりました…」

あーあーあー。すごい理由だけどほんとの話でね(とほほ)
「私のオルセー美術館を返せーーーーー!」と、一番に思ったのを覚
えています。

仕方なく飛行機を降りて、おやここはフランスか? イギリスやったかし
ら?? と思える程まずいサンドウィッチ一袋と飲物でごまかされ、
ずーっとロビーで待ってたら、私の向かいの席にきれいな女性がヴィト
ンの犬用バスケットを膝に乗せその中の犬くんとお話していて、私達
(その飛行機で隣に乗り合わせたひさえちゃんと私)も暇だったからそ
の犬くんを撫でてたら、ひさえちゃんが「犬のお名前はなんて言うんで
すか?」と、、、

そしたらその女性は「ラオウ」と言うではありませんか!
ラオウ? ラオウと言えば、、、日本代表大黒選手の愛犬、、、おお
おーっ!!!
…と反応しかかった私に、大黒選手の奥様は思わず「しー。。。」と一
本指立てて合図したので、なんとか大声は出さずに驚きました。。。

まぁーこんなこともなければ生ラオウくんにも逢えなかっただろし。
ついでに小さい頃に住んでた家の前のおばちゃんにもウン十年ぶりに
逢って大騒ぎ(笑)

4時間程遅れて飛立った飛行機の中では、機長さんが英語でワールド
カップのその日の結果をアナウンスしてくれた時はなんだかジーンと
旅の情景が浮かんで来ました。
ブラジルvsガーナ、3−0でブラジルの勝ち。
そして時間をあけて到着する数時間前に、
「スペイン対フランスは1−3でフランスが勝ちました」
と聞こえたときは機内から拍手が起っていましたよ!
まぁなんせエールフランスだもんね飛行機(笑)

まぁそんなこんなで色々あったあんなことこんなこと、、、
旅も内容濃かったけど帰って来てみれば決勝トーナメントのあんなこと
こんなことが凄すぎて。。。
決局時差ぼけがそのまま夜更かしにつながり朝4時からの試合を観
続け最後は。。。

2006年W杯ドイツ大会。忘れません。忘れられないでしょう。
結果を言えば納得出来ない所も多々あるけども。
私は解説じゃなくサッカーファンですから。
I LOVE SOCCER!! です。
行けた事にも感謝。
ほんと誰に言ってるのかわからんけど、、、
ありがとうございました。

おわり

http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo283.htm


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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第76号 / 「作品から歴史が見える?! リヴァプール」 ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish76_photo.htm

こんにちは。
1月も終わりに近づいてきました。1月という月は不思議な月で、ひた
すらダラダラと長かったような気がします。ただ単に私のエンジンがか
かってないからでしょうか?

今週ですが、まずは水曜日の新 Liverpool Academy of Arts (LAA)。
今回、36 Seel Street のお隣の元ペンキ屋サンだったところをギャラ
リーにしてオープンしました。
だだっ広いスペースに、これまで LAA に深いかかわりのあった作家
から現役の若いアーティストまで、絵画からスカルプチャーまでさまざ
まです。
先週登場した Tom Murphy の彫刻と絵画、マシューストリートの元エ
リックスの建物の壁のマリア像で有名な Arthur Dooley 、画家、詩人
であった Adrian Henri 、そして画家で、かつてキャヴァーン・クラブで
ビートルズをバックバンドにアカペラのユニットを組んでいた Joe
Ankrah(先週号でちらーっとお話しましたね。そうです、この人なんで
す! いずれ日を改めて本人からじっくりお話を聞きます)、若手では
個人的にお気に入りの女性アーティスト Donna Berry のトースト作品
の 'Send Bread Not Bombs' などなど。

18年間 LAA が拠点を置いている 36 Seel Street とこのペイントウェ
アハウスは、再開発のあおりで取り壊しが決まり、現在新しい会場を
探しています。今回の展覧会は、これまで LAA が成した功績と、これ
からできることをより多くの人たちに知ってもらい、存続のサポートを
得ようという狙いもあります。

The Liverpool Academy of Arts の歴史は意外に長く、さかのぼること
1810年、銀行家・歴史家であり奴隷廃止運動家で国会議員でもあった
William Roscoe と地元のアーティストグループにより設立。
その後何度も閉鎖、復活を繰り返し、現在の LAA は、1988年に
Arthur Dooley が先代の Adrian Henri から引継いだことから始まりま
す。
Dooley 氏は94年に他界してしまいましたが、BBC Radio Merseyside
の Roger Phillips や Angela Heslop がディレクターを務め、実務&運営
は、LAA でいつも感じよく迎えてくれる June Lornie が取りしきってい
ます。
(ホームページには年代がズレていますが、上記は当日配られたリー
フレットをもとにした年代です)

名の知れたアーティストから初めて展覧会を開く人たちまであらゆる
層のアートを支援し、そして毎年夏の恒例のビートルズ展もすっかり名
物イベントになっていますね。なんとか存続してほしいものです。行き
場所が決定したらお知らせします。とにかくいい展覧会なので一度足
を運んでいただきたいです。3月25日まで。

 < The Liverpool Academy of Arts >
  特別展の住所:The Paint Warehouse (28-32 Seel St.)
  LAA住所:36 Seel Street, Liverpool L1 4BE
  電話:0151 709 0735
  ホームページ: www.la-art.co.uk

♪ ♪ ♪

同じ日にもうひとつ大きな展覧会がありました。ゴールドフィッシュだよ
り49号でお伝えした、Anthony Brown の "100 Heads Thinking As One"
の巡回展がスタートしました。
これはリヴァプールの800年バースデーを祝った企画展で、生粋のリ
ヴァプール人だけでなく、よその土地からリヴァプールにやってきてこ
の街に影響を及ぼした人たちも含めた100名の肖像画のコレクション
です。
キックオフは、Daily Post & Echo Buildings の愛称で知られる The
Capital Buildings にて、100名のうちの65のポートレートが展示されまし
た。

「単なるリヴァプールのセレブのリストアップに終わらせたくなかった。
なかには有名な人もいればそれほど知られてない人もいますが、モ
チーフとなった人物は、各分野で顕著な功績をもたらした人たち。彼ら
一人一人のストーリーを描きたかった」
と Anthony が言うとおり、単なるペインティングではなく、背景にはモ
チーフになった人にまつわる Echo や Daily Post の新聞記事、本人
や家族から寄せられた写真や書類などがコラージュされています。
おなじみの俳優、ミュージシャンや文化人、サッカーのマネージャー、
政治家のほか、弁護士、ディヴェロッパー、カメラマン、そして作家本
人と双子の子供達も含まれています。
このオープニングには、モデルとなった人々もちらほら見られ、誇らし
げに自分の肖像画を眺めていました。

モデルの一人である Echo と Daily Post の専属カメラマン、Eddie
Barford さんが作品の前にいたので話かけたら、パラダイスストリート
の屋上駐車場ピクニックで私が逆パパラッチしたことを覚えていてくれ
て、嬉しかったです!
http://scousehouse.net/magazine/goldfish14_photo.htm

Eddie さんが「今でもリヴァプールのことは好きかい?」と聞いてきたの
で(注:これは Echo に載ったピクニックの記事の中の私のコメントを
受けてですね)、もちろん「もちろん!」と答えましたよ。

Eddie Barford さんは、過去40年間 Echo と Daily Post のカメラのレン
ズを通じてこの街のそのときそのときの出来事、人々を捉え、記録して
きました。Anthony の描いたポートレートには、仕事の顔だけでなく新
聞では見られないEddie さんの素顔も見られます。
プレスパス、プレスフォトグラファーの証明書のコピー、子供時代、結
婚式、家族の写真など。Echo を広げて居眠りするEddie さんと赤ちゃ
んと抱っこしてカメラを構える姿の写真(肖像画の右下にあります)が
微笑ましくてイイ!!

一つの作品の中に本当に沢山の要素が凝縮されています。作品を通
じてそれぞれの人々の世界を垣間見ながらリヴァプールという街の全
体像が見えてくるかもしれませんね。

ひとつだけ辛いのが、Anthony は糖尿病を患って視力が低下し、左目
が見えません。
右目は治療の末、現在は持ちこたえているそうです(ちなみにその眼
科の先生も100枚のポートレートのうちの一人です)が、目は画家生命
に関わる最も重要なものです。こんなにも素晴らしいアーティストの才
能が奪われることなく末永く創作活動が続けられることを心から願って
います。

Daily Post & Echo Buildings での展覧会は2月28日まで。

その後の巡回スケジュールが正式に発表されました。8月のセント・
ジョージズ・ホールで100枚すべてが発表され、ハイライトを迎えます。
 3月3日〜3月30日 メトロポリタン大聖堂
 5月6日〜6月10日 The Williamson Art Gallery
                     (川向こうのバーケンヘッドです)
 8月9日〜8月30日 セント・ジョージズ・ホール 

Anthony Brown ホームページ: www.emso.co.uk
100 Head 公式ホームページ:
                 www.100heads.co.uk (Under construction)

♪ ♪ ♪

ウォーカー美術館で新しい展示が2つスタートしました。
ひとつは "The Cathedral That Never Was - Lutyens' Design for
Liverpool" 。
これはメトロポリタン大聖堂の当初のデザインの模型の展示です。現
在の造りとは全く異なります。予定では、ドーム部分は バチカンのサン
ピエトロ大聖堂よりも大きく、ロンドンのセント・ポールの2倍以上の高
さというグランドデザイン(!)でしたが、1933年に建設が始まり、地下
の Crypt 部分まで完成したところで第二次世界大戦が勃発し建設が
ストップ。1953年には建設予算が9倍に跳ね上がり、現在の小ぶりな
モダンな大聖堂に落ち着いたそうです。

その壮大なプランもすごいのですが、この模型がまたすごい。
この木製の模型は、当初2年かかって作られましたが傷みが進み、そ
れを修復するのに13年かかったそうです!
昔ながらの職人技巧が失われ、適切な人材を養成するのにも時間が
かかったようです。たしかに柱や天井のディテールや彫刻を見ると、単
なる模型以上、芸術作品といえます!

その隣の部屋では、"Doves and Dreams: The Art of Frances
MacDonald and J. Herbert McNair" 展が行われています。
日本でも Charles Rennie Mackingtosh とその妻 Margaret はインテリ
ア、建築や絵画、デザインの分野で脚光を浴び続けていると思います。
彼らは Glasgow Four というアーティスト集団を結成しました。
今回の展覧会は、フォーの4人の中の残りの2人のメンバー、
Margaret の妹である Frances MacDonald とその夫となる J. Herbert
McNair に焦点を当てた初めてのものです。
アールヌーボーの影響を受けた、水彩画が、ポスターが、家具が、ガ
ラス、テキスタイルデザインなど80点以上! 
Charles Rennie Mackingtosh 夫妻の作品ももちろん見られます!

この展覧会は、グラスゴー大学のキューレーションですが、ウォーカー
美術館の協力も大きいそうです。
というのも、J. Herbert McNair はリヴァプールに住んでいた時期があ
り、この頃の作品の多くはウォーカーの所蔵品なのです。
リヴァプールのアートシーンにも深く関わっていたようです。なんと1901
年作の Liverpool Academy of Arts のポスターもありました!
また、The School of Architecture and Applied Art のポスター、リヴァ
プール大学の熱帯獣医学の修了証書などがあったり。
インテリアデザインプロジェクトの復元もされています。1つは 54
Oxford Street (リヴァプール大学のキャンパス内)の彼らの住まいの
インテリアの一部、残念ながら既に取り壊されてしまったそうです。
そして1902年にトリノで展示されたプロジェクト、"A Lady's Writing
Room" 。デリケートな細身な家具のデザインと柔らかな色合いのガラ
スパネルがとってもとっても素敵です。

残念ながら、McNair 夫妻のリヴァプールでの生活は、J. Herbert がデ
ザインの教師をしていた University College Liverpool の The School
of Architecture and Applied Art の閉鎖、グラスゴーに住む両親の破
産などがきっかけで McNair は経済的に先行き不安定となり、酒にお
ぼれ、結果的にグラスゴーに引き返す形で幕を閉じたそうです。

とにかく見ごたえありです。既に2度見に行きましたが、心地よく疲れま
した。
ウォーカー美術館での2つの展覧会はともに4月22日まで。

 < The Walker Art Gallery(ウォーカー美術館)>
  住所:The Walker, William Brown Street, Liverpool L3 8EL
  電話:0151 478 4199
  ホームページ: http://www.liverpoolmuseums.org.uk/walker/
  オープン:毎日10:00〜17:00
             (クリスマス、ボクシングデー、元旦のみお休み)

♪ ♪ ♪

今週の告知です。
2月2日からボールドストリートの Microzine の上の階にて、
"Liverpool: Blood, Sweat & Tears - A Unique Collection" が一般公開
されます。
これは、2001年から2006年までにリヴァプール・フットボール・クラブが
出場したカップファイナルで着用されたのと同じユニフォームのコレク
ションです。これからもLFCの歴史がたどれるかも?!

 < Microzine(マイクロジン)>
  住所:65-67 Bold Street, Liverpool L1 4EZ
  電話:0151 707 6561
  ショップ営業時間:月〜土/10:00〜18:00 
           日曜/12:00〜17:00


それではまた来週♪

ミナコ・ジャクソン♪

http://scousehouse.net/goldfish/goldfish76_photo.htm


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▽「利物浦日記2006」
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「利物浦日記2006」1 / Kaz
 ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo283.htm

【8月22日(火)】
8月22日火曜日。早朝、ロンドン・ヒースロー空港に到着。
市内のホテルにチェックインしてすぐに外出。
偶然だったのだが、このホテルはアビー・ロードの近所にあった。歩い
て5分くらいで、スタジオのある方とは反対側の端に行ける。
というわけで、アビー・ロードを端から端まで歩いてみることにした(一
度やってみたかった!)。天気もいいし、とても気持ちのよい30分だっ
た。

続いて、ロンドン中心部のビートルズ・スポットをリサーチ。ロンドンを
歩くのは実に3年ぶりだ。ビートルズ・スポットめぐりとなると7年ぶりぐ
らいかな。いろんなところが変わってしまっていても不思議はないけど、
ほとんどはまるでそのまんまだった。さすがはイギリス!

夕方、トウィッケナム・スタジアムで行わるローリング・ストーンズのコン
サートへ。
イギリスで観るストーンズのコンサートは11年ぶりだ。とてもとても楽し
みにしていたのだけれど、残念ながら全然楽しむことができなかった。
もちろんストーンズが悪いわけではない。キースはちゃんと復活してい
たし、ミックの喉の調子も良さそうだ。問題は僕の方のコンディション。
長旅の疲れと時差ボケ加えて、昼間にあちこち走り回ったおかげで、
スタンドの座席についた瞬間から強烈な睡魔に襲われてしまったのだ。

「おいおい、ストーンズ観ながら寝るかあ?」と、自分で自分にツッコミ
を入れながら、2時間あまりのショウのほとんどを、夢心地で観て…い
や聴くことになってしまった。なんともったいない!


【8月23日(水)】
リヴァプール行きの列車に乗る前に、ロンドン在住のハレルヤ洋子さ
んに会う。
一年ぶりの再会でいろいろと話したいこともあったのだが、ハレルヤさ
んが一方的にしゃべって終わる。相変わらずだなあと感心してしまっ
た。ハレルヤ洋子はどこに行ってもハレルヤ洋子だ。さすがだ。とにか
く元気そうでよかった。来週また会おう!

夕方リヴァプールに到着。ミナコさんに駅まで来てもらって打ち合わ
せ。続いて、リヴァプール在住の熱心なビートルズ・ファン、S.H.さんと
ビール。ブランデルサンズ・ゲストハウスに到着したのは9時を回って
いた。主人のリズと少し話して、早めに床に着く。
さあ明日から本番だ!

http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo283.htm


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▼スカウスハウス・ニュース
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*** お休みのお知らせ ******

通信システムのメンテナンスのため、1月31日および2月1日の2日間
をお休みとさせていただきます。
この間にいただいたお問い合わせには、2月2日以降にお返事いたし
ます。どうぞご了承ください。


*** LFCグッズ通販:On Sale Now!! ******

今年最初のLFCグッズ通販です。
今回の新入荷は、マッチデイ・プログラムとLFCマガジンがそれぞれ7
冊。どれも充実した内容になっています。前回の在庫分も引き続き
オーダー受付中。オーダーをいただけると嬉しいです!
http://scousehouse.net/shop/lfcgoods2007_01.htm


*** フットボール・チケット手配 ******

リヴァプールFCおよびエヴァトンFCの、ホームゲーム観戦チケットの
手配を承っています。
詳細は、ウェブサイトの「スタジアムへ行こう!」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/football/stadium.htm


*** 語学留学生募集中 ******

リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
詳細については、ウェブサイトの「語学留学案内」ページをご覧くださ
い。
http://scousehouse.net/study/index.htm


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアー
をアレンジしています。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm


*** 原稿募集中 ******

「リヴァプール・ニュース」では、読者のみなさんからの投稿を募集して
います。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
いは英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週も、ミナコさんから素敵な写真が届いています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish76_photo.htm


*** 今週のフォト・アルバム ******

「ゴールドフィッシュ」以外の原稿にちなんだ写真は、「NLW フォト・アル
バム」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo283.htm 


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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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           *** 毎週火曜日発行 *** 


□■ 第283号 ■□

 ◆発行 SCOUSE HOUSE (スカウス・ハウス)
 ◇編集 山本和雄 & ミナコ・ジャクソン
 ◆ウェブサイト http://scousehouse.net/
 ◇Eメール info@scousehouse.net

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