|
Vol.28 Premiership; Liverpool VS Chelsea, Anfield 08.05.2012 |
|
from NLW No.506 - May 22 2012 |
|
|
|
バックナンバー |
|
|
|
|
|
下村えり
Eri Shimomura |
リヴァプール在住のフローラル・デザイナー。ファンとして長年プレミアリーグをウォッチし続けるうち、日本からの取材コーディネートや原稿執筆を手がけることに。スカウス・ハウスのメールマガジン「リヴァプール・ニュース(NLW)」に『Footballの旅』と『リアルエールのすすめ』を不定期連載中。 |
|
|
|
【 Introduction:はじめに 】 5月のバンク・ホリデイを終えたばかりのリバプールはクールな冬に逆戻り。今日も最低6度、最高12度の気温です。ポカポカ陽気だった4月が懐かしく感じられます。
それに反比例するかの様に、次週に最終戦を残すばかりとなったプレミアリーグのボルテージは、ピークを迎えています。
今回は、5月8日にアンフィールドで行われた、Liverpool今季最後のホームゲームであるChelsea戦をお伝えしていきます。最後までお付き合い下さい。
【 Preview:今日の見所 】 FAカップの決勝を戦ったのは3日前。わずか中2日でウェンブリーでの勝者と再び対決とはなんだか皮肉な話。
不思議な事に、このリーグ戦は元々5月5日に予定されていた。しかしこの日はFAカップ決勝の日であり、両チームともに決勝に進出したために、本日に延期されたのである。
FAカップのあの日はどちらにしてもチェルシーと対戦しなければいけなかった運命であった。
リバプールは果たして、悔しい結果となったFAカップの屈辱を最後のホーム戦で晴らすことができるのだろうか。
|
そして2年ぶりにFAカップを手にしたRoberto Di Matteo暫定監督率いるチェルシーは、レッズとのリーグ再会においても気を抜くわけには行かない。トップ4入りの望みがまだ残っている。さらにはミュンヘンで行われるチャンピオンズリーグの決勝も19日に控えていて、クラブの緊張感はピークを迎えている。
もちろんワイドチョイスの選手を持つチェルシーとしては、レギュラー選手を数人は休ませる方針だろう。ローカルの新聞によると元リバプールのエースFW Fernando Torresは今回はスタメン入り。アンフィールドでのブーイングに耐えられるか。
リバプールサイドも今日は怪我人が多そうだ。シーズンも終盤なので良くある話ではあるのだが。MF Charlie AdamとMF Lucas Leivaは膝の怪我でアウト。そしてどうやらMF Steven Gerrardも怪我か? ウォーミングアップで彼の姿がない。
3日前に活躍したFW Andy Carrollがスターティングメンバーに入るようだ。
マージーサイドのライバルEvertonにも現時点で4ポイント遅れをとっているレッズ。名門リバプールとしてのプライドをリーグテーブル上でも示さなければ、今シーズン応援してくれたファンにも申し訳ないと監督のKenny Dalglishも語っている。
【 Kick Off:試合開始 】
<前半> 定刻15時、アンフィールドのピッチにホイッスルが鳴り響き、チェルシーのキックで試合が開始された。
ミッドフィールド・エリアでの域でせめぎ合いが続き、ボールの所有権が左右に割れる。前半17分過ぎにチェルシーがコーナーを取った。フリーマークのDF Branislav Ivanovicが鋭いへダーを叩きつけるが、ゴールポストを直撃。アンフィールドに大きなどよめきが起きる。
が、その1分後に早くも先制点のチャンスがリバプールに訪れた。
右サイドでボールを持ったFW Luis Suarezがスムーズなドリブルで中央へ切れ込み、ひとりでペナルティーボックスまで運ぶ。ゴール右でキーパーと向かい合ったところで彼の一撃がネットに収まった!
しかしどうみてもタイトなアングル。遠方過ぎてどうやって押し込んだのか理解できなかった。会場のアナウンスではSuarezのゴールと紹介されたのだが、試合後に確認したところ、Suarezの蹴ったボールがチェルシーMF Michael Essienに当りゴールとなった様子。ゴールもその後訂正され、Essienのオンゴールとなっていた。
何はともあれ1−0。リバプールの幸先よいスタートにアンフィールドのスタンドが揺れる。
24分、またもやリバプールにビッグチャンス。ハーフラインから蹴ったMF Maxi Rodriguezの前線へのロングパスが、チェルシーDF John Terryが芝に足を取られた隙に、MF Jordan Hendersonへとフリーで渡る。チェルシーのEssienのカバーも及ばす、Hendersonのシュートは美しくネットに収まった。2−0。
さらに29分、MF Jonjo Shelveyの左コーナーからのキックをCarrollが頭で受け、ゴール前ノーマークのDF Daniel Aggerに落とす。Aggerが頭で押し込んで、お見事3−0。わずか10分あまりでアンフィールドが3度も揺れる。
対するチェルシーは35分、Torresが単独で強烈なシュートを放つがバーを叩き、ゴールには結びつかない。アンフィールドに敵陣として戻ったTorresは案の定ボールを持つ度にスタジアムから稲妻のようなブーイングを浴びせられる。
チェルシーは焦りも出てきたか、本来のプレーを見せられないジレンマから危険なファウルも目立ち、リバプールのファンの怒りを買う。
ハーフタイムを迎えたアンフィールドはご機嫌ムードが漂う。
このブレイクタイムでは、チャリティーの一貫でなんとレッズ・レジェンドJohn BarnesとRobbie Fowlerがピッチにお出まし。目隠しをしてゴールを決めるというトリック付き。Fowlerの息子Jacobまでご披露となった。
やはりシーズン最後のホームゲームは演出も豪華である。
<後半> 後半に入って5分、チェルシーが反撃を見せる。
FAカップ決勝で先制点を挙げたMF FN Ramiresがフリーキックのボールを上手く合わせて押し込み、2点差とした。3−1。
がしかし、またしてもチェルシーにミスが出て、リバプールの追加点に結びついた。
Petr Cechの代行として今日出場となった控えGK Ross Turnbullが蹴ったクリアボールが、ゴール正面でフリーのShelveyへの絶妙のパスとなる。Shelveyはワントラップして無人のゴールに豪快に蹴り込む。彼のリバプールでのリーグ戦初ゴールが見事に決まり、レッズはリードを再び3点差とした。4−1。
【 Ending:試合終了 】 結局、最後までチェルシーが目覚めることはなく、リバプールのスキルとチームワークにやられっ放しのまま試合は終了。
チャンピオンズリーグの決勝を優先して、Drogba、Cech、Lampard、Mata、Coleらをベンチに温存したツケは大きく、雪辱に燃えるリバプールに3日前のリベンジを許すこととなった。
しかしながらリバプールは、シーズンを振り返るとカーリングカップ優勝、FAカップ準優勝を成し遂げたものの、リーグではまったく振るわず、ホームでの勝ちはたったの6(19試合中)という情け無い成績に終わった。監督自身もインタビューでそれを認める言葉を残している。さて来シーズンもDalglishはこのクラブに留まり、リバプールをリーグ上位に浮上させることが出来るのか? この街に住むFootballファンの一人として非常に興味をそそられる。
【 Dispatch : 速報 】 17日付けで入ってきたニュースによると、リバプールFCのKenny Dalglish監督が解雇された。
話によると前日わざわざアメリカのオーナーより呼び出され、アメリカまで出向いた上での解雇通知だったそうだ(涙)。
まあ、昨年夏に約5500万ポンドもの大型補強をしたものの、それをまったく結果につなげられなかったことが一番の原因であるのは誰もが認めるところだろう。
名門リバプールの監督として次にAnfieldのピッチを踏むのは誰になるのだろうか?
【 マッチ・データ 】
Premiership 11-12
Liverpool VS Chelsea
Anfield Stadium
08 May, 2012 20:00 Kick Off
Attendance: 40,721
|
|
リバプール |
チェルシー |
スコア |
4
(Essien(og)19,
Henderson25, Agger28,
Shelvey61) |
1
(Ramires50) |
ターゲットショット |
23 |
9 |
コーナーキック |
7 |
4 |
ファール |
15 |
13 |
オフサイド |
3 |
0 |
イエローカード |
2
(Henderson65,
Agger71) |
4
(Ferreira15, Terry22,
Essien44, Ivanovic47) |
レッドカード |
0 |
0 |
ポゼッション |
48% |
52% |
|
Liverpool
Reina, Johnson, Agger, Carragher, Skrtel, Maxi(Kuyt83),
Henderson, Downing(Sterling83), Shelvey, Suarez, Carroll.
Subs Not Used: Doni, Coates, Spearing, Kelly, Bellamy.
Goals: Essien(og), Henderson, Agger, Shelvey.
Booked: Henderson, Agger. |
Chelsea
Turnbull, Ivanovic, Ferreira, Terry, Bertrand, Essien, Romeu,
Ramires, Malouda, Torres, Sturridge(Lukaku68).
Subs Not Used: Cole, Lampard, Hutchinson, Mata, Hilario, Kalou.
Goal: Ramires.
Booked: Ferreira, Terry, Essien, Ivanovic. |
|
from NLW No.506 - May 22 2012 |
|
|
|
Copyright(C) 2014 Eri Shimomura & scousehouse |
|
|