ハレルヤ洋子。東京在住。旅人兼歌い手。通称「流しのハレルヤ」。

2005年2月、ついにあこがれの聖地・リヴァプールへ、巡礼流し旅に出発!


「僕のリヴァ日記」 / ハレルヤ洋子
第8話 〜 FROM ME TO YOU 〜

キャバーンのステージに、ECHOのファニーカメラマンとスマートインタビュアーが駆け上ってきました。

「ヨーコ、今日は本当にありがとう!!」
「写真と記事は日本の Kaz のアドレスに送るよ、楽しみにしていて!」

彼らとお別れの握手をしていると、少しセンチメンタルになったりして…。

「ヨーコ、最後にもう一曲!!」

テリーさんの声が聞こえました。

「 FROM ME TO YOU 」
ステージから遠く見えるキャバーンクラブの出口で、ふたりが笑って手を振ってくれているのが分りました。私は目が悪いけれど、はっきりとふたりの姿が見えました。
ささやかな夢の終わり。

キャバーンクラブのステージを終えた私は、テリーさんとふたり、「パブ・グレープス」で小さな祝杯をあげました。
リヴァプールの街のことや、お互いが夏に生まれたこと、日本は忙しそうな国だ、なんて、世間話しをしながら…。

店を出た私達は、マシューストリートを抜け、元ブライアン・エプスタインのレコード店の前でお別れの挨拶をしました。

「ヨーコ、またリヴァプールで逢おうね」
「テリーさん、本当にありがとう。幸せなバレンタインデーを過ごせました。実はプレゼントがあるんです…」

私は、日本から持ってきたブルーのボトルに入った日本酒と、日本のおつまみのセットをテリーさんに渡しました。

「Oh! ヨーコ! 私にとっても最高のバレンタインだよ! Thank you for the gift!!」

私とテリーさんはお互い何度も振り返りながら Goodbye を言い合いました。
ありがとう、テリーパパ。

最高のバレンタインデーの翌日、私はマシューストリートの人たちや、Kaz さんに紹介して頂いた人たちにお別れの挨拶をしに行きました。
明日の朝一番にロンドン行きのヴァージントレインに乗る…。リヴァを離れたくないなあ。

街中を歩き回って今回最後の観光を楽しみながら、リヴァプールセントラルステイション前のカフェでまた一息、とコーヒーを持ち帰り用で頼みました。
目の前には、今日も新聞を売るおじさん。

「すみません、リヴァプールエコーっていつも何時に発売するんですか?」
「午後一時だよ、今日の買うかい?」

(私、本当にリヴァプールの新聞に載るのかな…)

なんだかやっぱり夢だったのかな、なんて思いながら、コーヒー片手にフェザーズホテルに帰りました。
その二日間は、信じられないほどの晴天でした。

(つづく)

from NLW No.199 - April 26, 2005

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